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【ネタバレあり】韓国が放つ"呪術師 vs ゾンビ集団"という壮絶なホラーアクション『呪呪呪/死者をあやつる者』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:23/25
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:The Cursed: Dead Man's Prey
  製作年:2021年
  製作国:韓国
   配給:ハピネットファントム・スタジオ
 上映時間:110分
 ジャンル:アクション、ホラー
元ネタなど:ドラマ『謗法~運命を変える方法~』(2020)

【あらすじ】

閑静な住宅街で起きた凄惨な事件。被害者の傍らで横たわる容疑者らしき死体は死後3カ月経過していた……。チョン刑事(チョン・ムンソン)率いる捜査隊が怪事件を追うが、事態は混迷を極めていく。

ジャーナリストのイム・ジニ(オム・ジウォン)は事件を暴こうと調べを進めると、背後にとある製薬会社の陰謀が関係していることを突き止めた。しかし、強大な“呪い”によって蘇がえったゾンビの集団が「3つの殺人」を果たすために、姿を現し襲いかかってくる。

ジニは旧知の呪術師ソジン(チョン・ジソ)に願いを託し、呪術でゾンビと彼らを操る黒幕に立ち向かう!

【感想】

実はこれ、ドラマの続編らしいんですよね。Netflixとかにあるんですが、『謗法~運命を変える方法~』(2020)っていうやつの。知らなかったので、ドラマ未鑑賞のまま映画を観てしまいました(基本的にシリーズモノは全部観たいのに)。どうせなら、公式サイトにもっとわかりやすく載せてくれよって思いますけど(笑)てか、なんでこんな邦題にしたんでしょう。これじゃドラマ版と繋がりがあるかもわからないですよね。"じぇじぇじぇ"とかけるにも、何年前だよって(笑)

<機敏なゾンビが怖い>

個人的に設定はすごく好きでした。"呪術師 vs ゾンビ"ってそれだけで壮絶な戦いが期待できるじゃないですか。でも、肝心のストーリーがあまり刺さらずでして。。。

まあ、そこは後述するとして、呪術師と100人のゾンビ集団が戦うっていうのはかっこよかったですよ。ゾンビといっても体の腐ったのっそりと動くゾンビじゃないんですけどね。製薬会社の陰謀によって亡くなった100人の死体を、黒幕となる男が呪いの力で復活させた存在なんです。意思疎通はできるし、並外れた身体能力も身につけているという、、、うん、もうゾンビじゃないですね(笑)

便宜上ゾンビってことにしておきますけど、彼らは機械のように統率の取れた行動で、命令を全うするまで執拗にターゲットを追いかけるんですよ。その姿がメチャクチャ怖くて。数の暴力と言うべきか、100人で同じことをやられる不気味さは秀逸だと思いました。これがロボットだったり、モンスターだったりするなら、ファンタジー色が強くなって怖さが減ると思うんですけど、みんな同じグレーの格好に身を包んでいるとはいえ、パッと見は普通の人間ですから。そんな彼らが痛みを感じないが故に、痛々しいことも平然とやってのけるのが恐ろしくて。。。

中盤のカーアクションも迫力があって、走行中の車の上を跳びまわるゾンビたちは見どころのひとつ。ゾンビなのに車の運転までしちゃいますから(笑)それにしても、韓国って国土は限られていると思うんですけど、街中であれだけの撮影を行えるんですから、ハリウッドに引けを取らない撮影スタイルはさすがだなと思いましたね。

<ストーリーにハマらなかった理由>

さて、先にも書いた通り、ストーリーが微妙だったんですよね。。。初めに言っておきますが、それはドラマ版は観ていないこととはあまり関係ないです。ドラマ版を観ていると、ジニとソジンの人となりやこれまでの経緯が詳しくわかる程度なので、あんまりこの映画の本編に影響はないかなと思いました。

で、ストーリーが刺さらない理由ですが、ひとつは黒幕である男の動機に共感できなかったこと、もうひとつは、そもそもメインであるはずのソジンがあんまり目立っていないことの2つです。ここからはネタバレになってしまうので、内容を知りたくない方はここでページをそっ閉じしてください。。。










<黒幕の正体>

ゾンビを従えている黒幕っていうのは、"ある理由"で娘を失くした父親なんですよ。その娘がなんで亡くなったかというと、今回出てくる製薬会社が実施した治験の副作用なんですね。つまり、これは父親の復讐劇ってことです。製薬会社でゾンビって聞くと、てっきり漏れたウイルスか何かで人々がゾンビ化したかと思ったんですが、そこはまったく何の関係もありませんでした。さらに、この父親もメインキャストと関係があるかというと何もありません。ただ、不思議な力があったというだけなので、まったく感情移入できなかったんですよ。

<目立たないソジン>

そんな父親を止めるためにやって来たのが呪術師のソジンなんですが、ゾンビたちのド派手なアクションと比べると、彼女の見せ場があまりなくて、意外と地味な印象でした。しかも、彼女はドラマ版でその体内に悪鬼を封じ込め、それを克服するためにアジア諸国を旅してるという設定だったので、映画でも途中まで出てこないんですよ。だから、メインの割に出番が少なくて。。。ジニの回想シーンで前半にチラチラっと映っていますが、ドラマ版を観ていない身からしたら、ここはあんまりピンと来ないですね。逆に言えば、ドラマ版を観ていたら、映画においてもきちんとリンクしているという点で評価できたかもしれませんけど。

<そんなわけで>

オカルトな世界観や激しいアクションはかっこよかったものの、この映画単品で観てしまうとそこまで面白さが伝わって来ないかもしれません。もしドラマ版を観てたら、もう少し違う感じ方になったかもしれませんが、どうせならソジンをもっと活躍させてほしかったです。


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