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設定とオチがズレすぎててホラーなのにまったく怖さがなかった『ファミリー・ディナー』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:165/170
ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆
【作品情報】
原題:Family Dinner
製作年:2022年
製作国:オーストリア
配給:クロックワークス
上映時間:97分
ジャンル:ホラー
元ネタなど:なし
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
ふくよかな体型に自信の持てない10代の少女シミー(ニーナ・カトライン)は、復活祭(イースター)の休暇を利用して、有名な料理研究家で栄養士の叔母クラウディア(ピア・ヒアツェッガー)の元を訪ねる。シミーは叔母が健康的なダイエットの力になってくれると期待していたのだが、叔母の食事指導は思いのほか過激なものだった。
更には、不可解なほど敵意を剥き出しにしてシミーに嫌がらせを繰り返す従兄弟のフィリップ(アレクサンダー・スラデック)、そして得体のしれない叔母の新しい夫・シュテファン(ミヒャエル・ピンク)の存在がシミーの不安を掻き立てる。
そして、不気味な家族によるイースターの祝祭が1日また1日と近づくに連れ、美しい料理に彩られた食卓は徐々に悪夢へと変わってゆく。
【感想】
これは何と言っていいのやら。。。「どうしてそうなった?」と言うぐらい設定とオチがつながってなくてちょっと笑ってしまいます(笑)
<ダイエットホラーじゃないの、、、?>
主人公のふくよかな少女が叔母のところにダイエット指導を受けに行くって設定で、しかもジャンルはホラーじゃないですか。てっきり、無理矢理お腹の脂肪をハサミで切るとか、脂肪をガチで火で燃やすとか、そんなスプラッターなのかなと思っていたんですよね(笑)もしくは、ダイエット食として食べさせられていたのがまさかの"アレ"とか、1日1kg減らさないと家族や友人をひとりずつ殺していくとか、そんなサイコスリラーかなって(笑)
それが、まあ叔母がやべぇやつって設定ではあったんですけど、ダイエット自体は1週間水やお茶のみの生活という、割とオーソドックスな手法。物語のラストで行われる復活祭の儀式がミソという展開なんですが、、、オチは想像できたし、もはやそこダイエットと関係ないじゃんっていうつながりのなさに驚きました。
<キャラクター背景をもう少し描いた方がよかったか?>
そもそもシミーが痩せたい理由もよくわからなかったんですよね。せめて、その体型を理由に私生活に支障が出ているというシーンを入れて、彼女のダイエットに対する本気度を明示した方がよかったんじゃないかなあと。その上で、叔母が「太っているのは本人の意志が弱いからだ」、「それは悪魔のせいなのである」みたいな方向に持っていった方が、まだ設定とオチがつながっててわかりやすかったと思うんですが、どうでしょうか。
<そんなわけで>
設定自体は面白かったのにちょっともったいない印象でした。なんか、雰囲気的に『ミッド・サマー』(2019)っぽい感じもするんですが、あれをやろうとしてやり切れなかった感が否めません(笑)