子供がいる方は鑑賞注意。今年一番胸糞悪い映画。家族ぐるみの付き合いは慎重に。胸騒ぎどころか精神的苦痛が甚だしかった『胸騒ぎ』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:47/62
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Gaesterne(Speak No Evil)
製作年:2022年
製作国:デンマーク・オランダ合作
配給:シンカ
上映時間:95分
ジャンル:スリラー
元ネタなど:なし
公式サイト:https://sundae-films.com/muna-sawagi/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
イタリアでの休暇中、デンマーク人夫婦のビャアン(モルテン・ブリアン)とルイーセ(スィセル・スィーム・コク)、娘のアウネス(リーヴァ・フォシュベリ)は、オランダ人夫婦のパトリック(フェジャ・ファン・フェット)とカリン(カリーナ・スムルダース)、その息子のアーベル(マリウス・ダムスレフ)と出会い、同世代の子どもを持つ者同士で意気投合する。
“お元気ですか?少し間があいてしまいましたが、我が家に遊びにきませんか?”
後日、パトリック夫婦からの招待状を受け取ったビャアンは、家族を連れて人里離れた彼らの家を訪れる。
オランダの田舎町。豊かな自然に囲まれたパトリックの家に到着し、再会を喜んだのも束の間、会話のなかで些細な誤解や違和感が生まれていき、それは段々と広がっていく。パトリックとカリンからの”おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を覚えながらも、その好意をむげにできないビャアンとルイーセ。
善良な一家は、週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせるが——。
【感想】
家族ぐるみの付き合いは慎重に。てか、もう二度と家族ぐるみで付き合うのはよしましょう。自分ひとりならまだしも、パートナーや子供がいるなら余計に交友関係は慎重にならざるを得ません。そう感じるぐらい胸糞悪い映画でした。
<人を苛立たせるどころか不安にしかさせないパトリック夫婦>
もうね、無理っす、パトリック夫婦。こんなの第一印象詐欺ですよ!遠く離れた旅先だと気が緩んでしまうんですかね。ビャアン夫婦もすっかり感じのよさそうに見えたパトリック夫婦に魅せられちゃって。後日、パトリック家に遊びに行くんですよ。そこで出てきたパトリック夫婦の本性が、、、もうなんなのって!ただのサイコパスだったんですけど!
以下、パトリック夫婦の落ち度です。ルイーセはベジタリアンだっつってんのに、パトリックの家に着いたら肉料理を出して半ば無理矢理食べさせてくるんですよ。人の話聞いとけよって(後で彼らには人の話を聞く意味がないことがわかるんですが)。
ディナーで外食に誘ってくれたのに、出発前に突然「子供は置いてくよ」と言われ、どこの馬の骨ともわからない怪しいベビーシッターに丸投げします。子供を置いていくなら最初からそう言えよって。せっかくビャアンの娘も行く気まんまんだったのに。
で、その訪れたレストランはおいしい郷土料理を振る舞ってくれるとのことでしたが、他に客がいない寂れたところで、パトリック夫妻は酔っ払ってイチャイチャするんですよ。いや別に勝手ですけど、ビャアン夫婦は目のやり場に困るという気まずさが。その上、誘ったのはパトリックたちなのに、支払いは全額ビャアン。前後関係踏まえて割り勘にする流れだったのに、ビャアンが「僕のおごりってこと?」と尋ねたら、パトリックも「マジ?ありがとう!」っていなくなっちゃって。なんてモヤモヤするやり取り。。。
帰りの車では聴きたくもない音楽を爆音で流して、ルイーセの「音量を下げて」という主張もガン無視。これパトリックだけでなく、彼の妻であるカリンもまったく聞く耳持たずで、ゲストをもてなす姿勢を微塵も感じられないんですよね。
家ではルイーセがシャワーを浴びてるときにパトリックが断りもなく洗面所に入ってきて歯磨きするという人として失礼極まりない振る舞い!まあ、向こうはユニットバスだから仕方ない部分はあるとは思いますが、ノックぐらいするだろって。ただでさえこれまでの経緯からルイーセはパトリック夫婦にいい印象を持っていないのに、こんなことをされたら不安で不安で仕方ないですよ。
しかも、大人たち同士のいざこざならまだしも、子供にまで影響が出ちゃうんですよね。カリンはイチイチ人んちの子供に指図するんですよ。強い口調で。もっと言い方あるだろって。で、自分の息子には甘いかといったらそんなことはなく、むしろもっと厳しいんです。ダンスがうまく踊れないことにパトリックは腹を立て、それもう虐待なんじゃないかってぐらい罵声を浴びせて。。。マジで場の空気最悪ですよ。本当にこのパトリック夫婦ってサイコパスを通り越して異常者でしたね。
<流れをぶった切るような唐突なラスト>
で、衝撃的なラストのオチ。もう突然すぎて意味がわかりません。これまでの流れから急に変わりすぎてついていけません。ついていけないんですが、怒りや悲しみを通り越して、ただただ呆然とするしかありませんでした。。。メンタルをやられる話だったのに、いきなりフィジカルにきますからね。。。
<一体なぜこうなったのか、悔やんでも悔やみきれない>
ああ、ビャアン夫婦はさ、もう運が悪かったとしか言いようがないんですよね。。。実は、一回逃げ出すチャンスがあったんですよ。朝方にこっそりパトリックの家を抜け出して。でも、途中で娘がぬいぐるみを忘れたからって取りに戻っちゃったんですよ。それもよく探したら車の中にあったんですが。ここでビャアンが探しに戻らず、あのまま自宅に向けて車を走らせていたらこんなことにはならなかったのに。。。いや、そもそもよく知らない相手の家に上がり込んだこと自体が運の尽きか。。。ううん、悪いのはぜーんぶパトリック夫婦。やつらに人権なし。万死に値します。
<そんなわけで>
子供がいる人はさぞ心が痛む映画になることでしょう。また、日常生活で他人の心に土足で上がり込んでくるような人と付き合わなければならない人も、パトリック夫婦の振る舞いに精神的苦痛を被るでしょう。ムカつくとういうか、なんでしょうね、、、二度と関わりたくない、そんな内容でした。特に、ラストの終わり方はあまりにも突然すぎたので、もう少し違った形、、、パトリック夫婦の無礼な振る舞いに苛まれる形で、メンタルがじわじわ蝕まれる形で終わらせた方が自然だとは思いましたけど。観るなら覚悟をしてくださいね。ちなみに、ハリウッドでのリメイクがすでに決定しているとのことです(笑)
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