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アトラクションを映像体験できるような感覚はよかったけど、映画として観ると、、、だった『ホーンテッドマンション』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:98/123
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Haunted Mansion
製作年:2022年
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
上映時間:122分
ジャンル:ホラー、コメディ
元ネタなど:世界各地のディズニーランドにあるアトラクション「ホーンテッドマンション」
【あらすじ】
医師でシングルマザーのギャビー(ロザリオ・ドーソン)は、ニューオーリンズの奥地に建つ不気味な洋館「ホーンテッドマンション」を破格の条件で手に入れ、9歳の息子のトラヴィス(チェイス・ディロン)と共に引っ越してくる。だがそこは、999人のゴーストが住むという"呪われた館"だった。一見すると豪華なこの新しいマイホームで、2人は想像を絶する怪奇現象に何度も遭遇する。
そんな親子を救うため、超常現象専門家のベン(ラキース・スタンフィールド)を筆頭に、神父のケント(オーウェン・ウィルソン)、霊媒師のハリエット(ティファニー・ハディッシュ)、歴史学者のブルース(ダニー・デヴィート)という個性的でクセの強いエキスパートたちが集結。彼らは力を合わせて館の謎を解き明かそうとするが……。
【感想】
世界各地のディズニーランドにあるお化け屋敷「ホーンテッドマンション」。2003年に公開されたエディ・マーフィー主演の映画に続く2作目が本作です。よくも悪くも前作と同じノリでした(笑)
<アトラクションとしてはアリ!>
もともと、アトラクションとしてのホーンテッドマンションって、お化け屋敷ではあるものの、ディズニーってこともあってデフォルメされた感じがあるじゃないですか。怖さの中にキュートさもあるっていう。だから、映画化する場合はガチガチのホラーというよりは、ホラーテイストのコメディが合うと思っていて、そういう意味では前作も今作もよかったと思うんですよ。しかも、おなじみのBGMに加えて、アトラクションを忠実に再現した演出はファンにはうれしい世界観で、また東京ディズニーランドに行きたくなるなあと思うほど。なので、アトラクションのホーンテッドマンションの宣伝としての機能も果たしていそうではあります。
<映画として観るとキャラクターがもったいない>
ただ、映画として観ると、個人的には「うーん」って感じだったんですよねー。前作で騒動に巻き込まれたのが主人公一家4人だけだったのに対し、今回はバックグラウンドがバラバラな6人なんですよ。彼らが亡霊たちに翻弄される姿をコミカルに描いているのは面白かったんですが、数が増えた分、キャラクターとしてひとりひとりあっさりしていたなと感じてしまって。まあ、亡霊たちとわちゃわちゃするだけなので、特にキャラクターを深掘りする必要はないのかもしれないですが、せめて主人公のベンはもう少し踏み込んでもよかったかなと思いました。
彼は最愛の妻を失くしてしまい、その悲しみに満ちた心を本作のヴィランにつけ込まれてしまうのですが、彼と妻とのエピソードが回想シーンでちょこちょこ出てくるだけで、イマイチ感情移入がしづらかったです。僕はてっきり、ベンが霊視カメラを完成させたことで、亡くなった妻を写し出して「実は側にいた」みたいな、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)的な展開を勝手に期待していたものですから(笑)「そこはお前の勝手やろ」っていう話ではあるんですけど、そうは言っても妻との死別という背景がありながら、あまりそこを深掘りすることがなかったので、なんかもったいない気がしましたね。
あと、ラストがまた敵と味方の"総力戦"みたいな構図で、ディズニーは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以降、そういうのちょいちょい入れてくるなって思います。多用すると価値が薄まるから、マーベルファンとしてはやめてほしいですけど(笑)
<そんなわけで>
ホーンテッドマンションを題材にしてはいるものの、ホーンテッドマンションじゃなくてもいいような気がする映画ではありました。あのアトラクションを映像で体験するっていう意味ではよしとしても、映画としてはそこまで面白いとは個人的には思わずでしたー。でも、東京ディズニーランドには行きたい。