大谷翔平はどこまでいけるか/いけないのか
いっときオリンピックの話題で途切れていたが、ここに来てまた大谷翔平のニュースは連日のように流れている。
これを書いている2024年9月2日の時点で、ホームランは44本。
この調子で行くと今年も昨年に続いてホームラン王は間違いないだろう。
確かにすごいことだ。
彼は生涯にいったい何本のホームランを打つのだろうか。
そう考えると、どうしても比較したくなるのが、世界のホームラン王、王貞治だ。
1976年には、不可能といわれたベイブルースの通算714本の記録を抜き、1980年に40歳で引退するまでに868本のホームランを打った。
二位のバリー・ボビンズに100本以上の差をつけて、ダントツのトップを守り続けている。
大谷翔平の現在の日米通算本塁打数は263本。
今年中に少なくとも270本は打つだろう。
そうすると、868本との差は、598本になる。
来年以降も大谷翔平が毎年50本のホームランを打ち続けたとして、王貞治の記録を破るまでには12年かかる。
大谷翔平が今後12年間、毎年50本のホームランを打ち続ける、果たして可能だろうか。
12年後、大谷翔平は42歳。
これまでみんなが不可能だと思ったことを成し遂げてきた彼だから、わからないと言えばわからない。
途中50本を切る不調なシーズンがあったとしても次のシーズンには60本に迫るホームランで盛り返す、そんなことも彼ならやってくれそうな気もする。
しかし、現在の大谷翔平と同じ30歳の時に、王貞治はすでに447本のホームランを打っている。
こうして比べてみると、あらためて王貞治の怪物ぶりが見えてくる。
もちろん、大谷翔平の魅力はホームランだけではない。
盗塁や、チャンスでの勝負強さ。
そして何より、来年から復活するであろう二刀流だ。
自分で押さえて、自分で点を取る。
かつて江夏豊は、延長11回をノーヒットノーランで抑え、さらに自分でサヨナラホームランを打ち、
「野球はひとりでできるんや」
と啖呵を切って総スカンを喰らったが、大谷翔平はそんなことは決して言わない。
常に笑顔で、チームメイトからも愛される、それも大谷翔平を見る楽しみのひとつだ。
それでも、彼なら怪物に迫ってくれるのではないか、そんな期待をするのは僕だけだろうか。