【俳句】隙間風 大寒 雪女
隙間風差し出すものもなかりけり
どこからか隙間風が入り込んでいる。
出ていって欲しければ何かよこせと言わんばかりに。
貧乏世帯に差し出すものもない。
どうぞ、ここでよければこのままで。
大寒や定年教師と犬の影
定年教師と犬が影を引きずるようにゆっくり歩いている。
その犬も恐らく老犬に違いない。
冬の底を慌てることもなく歩く。
今日は大寒だ。
首すじを撫でたるはさて雪女
ふっと首すじを冷たいものに撫でられる。
今のは風なのか、いや伝説に聞く雪女の仕業ではないか。
振り向くが、もちろんその姿はない。
一度、お目にかかりたいものだ。
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