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今から30年前は1970年?と思ったあなたに

「30年前と聞くと1970年代を思い起こしてしまう」

これ、実によくわかる。
いったん1970年に戻って、それから、ああそうだったと24を足したり。
別に2000年で思考がストップしているわけではない。
今が2024年で、夏にはパリ五輪が開催されることくらいわかっている。
今が令和6年で、あの浩宮が天皇陛下になって、もう6年になることくらいわかっている。
でも、30年前と言われると、いったん1970年までいっきに戻ってしまうのだ。

思うに、僕たちの世代は、2000年までが長かったのかもしれない。
例えば僕の場合は、2000年までが40年、その後が24年の計算になるが、ここには16年という年月以上の差、重みのようなものがある。
子供の頃は、当たり前だが20世紀。
その頃の21世紀と言うと、遥か遠く、宇宙の果て。
21世紀という響きには、明るい未来しか考えられなかった。
「明るいナショナル」
「光る光る東芝」
「21世紀梨」は未来を先取りした甘さと輝きだった。
そんな明るく光り輝く21世紀を待ちわびて、もしかすると、僕の中にはまだ21世紀は来ていないのかもしれない。

元号でいくと、昭和で28年間過ごし、そのあとは平成、令和ときて、昭和よりもその後の人生の方が長い。
しかし、僕のいろいろな基礎を作り上げているのが昭和であることは間違いない。
だから、物事を判断する時にはまず昭和の価値基準が思い浮かぶ。
しかし、それが通用しないことがあるのは、ドラマ「ふてほど」を見るまでもなくわかっている。
そんな時には、昭和の価値基準を「あかんあかん」と否定してから、あらためて平成、令和へとたどっていく。
恐らくこの手順をたどらずに手を抜いてしまったのが、比較的社会的地位の高いおじさんたちによくある炎上事件なのだろう。

今の人類ではどうあがいても3つの世紀を生きることは不可能だ。
であれば、20世紀、21世紀とふたつの世紀を生きていることに感謝したい。
思っていた21世紀とは違ったとしても。

で、30年前は?
1970年?
なんでやねん。やめさしてもらうわ。

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