ライドシェアは運転手不足解消には繋がらない
ライドシェアに関して、少し前にこんな記事を書いた。
この中で、ライドシェア導入は運転手不足にも効果があるようなことを僕は書いている。
しかし、少し訂正させていただきたい。
僕は、もし考えが変われば、「しかるべき時に」などと言わずにすぐに訂正する。
もちろん、キックバックは大歓迎だ。
記載云々は、法よりも良心よりも、ご指示に従います。
さて、何かと言うと、ライドシェアと運転手不足の問題は分けて考えるべきだと最近思うようになったのだ。
ライドシェアを導入しても、運転手不足の解消にはそれほど効果がなさそうだからだ。
この国でライドシェアを導入しても、乗る方にはかなり抵抗があるのはわかる。
海外からの旅行者やビジネスマン、海外での利用経験がある人はまだしも、ライドシェアなんて初めての人がほとんどだ。
やはり、見知らぬ人のマイカーに乗るのは勇気がいる。
突然止まったマイカーに声をかけられても、乗っていく人は稀だろう。
それと同じように、乗せる方にも抵抗があるだろうと思うのだ。
ヒッチハイクの人のあの寂しそうな顔を見た人は多いに違いない。
行き先を書いて、笑顔で腕を伸ばしても、誰も止まってくれない。
僕は、いつも目を逸らして素通りする。
男か女か、可愛いかどうかで判断したりしない。
いやいや、マー君さん、そんなことではいけません、私は平気で乗せてあげますよという人は、これもまた稀ではないだろうか。
それは、行き先がどうとかと言う以上に、見知らぬ人を乗せることに対する恐怖感や、もっと言えば嫌悪感だろう。
であれば、それをわざわざ仕事にしようと思う人がどれだけいるだろうか。
だから、ライドシェアを導入したとして、乗る方にも、乗せる方にも普及するまでには時間がかかる。
さらには、ライドシェアまでやって稼ごうと考える、やる気のある人は、とっくにタクシー会社で働いているだろう。
そんなこんなで、ライドシェアを導入したとしても、それは国の子育て支援が少子化対策に何の効果もなさそうなのと同じくらい、運転手不足解消にも効果がないだろう。
政府はライドシェア解禁に向けて前向きとのことだが、そんなのは嘘っぱちだ。
報道によると、二種免許こそ必要ないものの、ライドシェアで働く人はタクシー会社に雇用されていなければならず、またその運行管理もタクシー会社が実施することが条件とのこと。
そんなことをわざわざ引き受けるタクシー会社が、はたしてあるだろうか。
雇用すると言うことは、事故やクレームなどの対応もしなければならない。
普通に考えれば、使用者責任が発生するからだ。
売り上げや労働状況によっては、社会保険加入の義務も出てくる。
それでいて、売り上げからの利益(恐らく無償で引き受けましょうという会社はないだろう)は、自社で働くタクシー運転手よりも少なくなると思われる。
こんな割に合わないことを引き受けてまで、日本でライドシェアを広めましょうという奇特な経営者が、どれほどいるだろう。
もし、タクシー会社には何の責任も発生せずに、とりあえずタクシー会社の雇用にしておけば、利用者が安心するだろうと言うことであれば、何の意味もない規制をまたひとつ増やすだけのことだ。
それに、それでは利用者を馬鹿にし過ぎている。
また、ライドシェアで働こうと考えている人にとっても、売り上げから会社に手数料なりが持っていかれるのであれば、旨みも減ってしまう。
もし、報道されているのが本当ならば、政府が前向きになんて、建前だけだ。
本音は、海外に対して、日本にもライドシェアがありますよーと言いたいだけなのだろう。
と言うことで、この国のなんやかんやの問題は、当面解決しそうにない。
責任者出て来い!
出てきたら、どないすんのん?
謝ったらしまいや。
わかるかなあ。