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スマホ普及率の本当のところは?

最近のスマートフォンの普及率は、だいたい80〜90%、あるいはそれ以上らしい。
幅があるのは、そのうちの一台であるこのスマートフォンで検索しても、資料によって数字が違うからだ。
数字の高いデータは、もしかすると携帯電話を分母とした普及率かもしれない。

では高齢者のスマートフォン普及率はどれくらいなのか。
これもデータによって、60%〜90%くらいと大きく差がある。
ドコモが関係しているデータでは、令和6年3月で、70代が80%以上、80代前半でも60%以上となっている。
一方で、総務省のデータでは令和4年で、70代で約60%、80代で約27%。
もちろん、令和4年から6年の2年間で急激に普及したこともないわけではない。
間をとって、70代で70%、80代で45%くらいか。
80代は仕方がないとして、70代の70%は、もうほとんどと言っていいのではないか。

僕も、以前からこれくらいの普及率を耳にして、例えば、マイナ保険証もさっさとやったらええやんと思っていた。
どんどんデジタル化でええやん。

ところが、先日、驚くべき数字を目にした。
僕が清掃員として働いているマンションだ。
ここの理事会が、今後の参考にとアンケートをとった。
その結果、全220戸のうち、スマートフォンを持っているのが、驚くなかれ、75戸、34%!
さらに、さらに、パソコンに至っては、51戸、23%!
え?
平成にタイムスリップしてる?
日本のガラパゴスがここ?

確かに、このマンション、築50年と古く、入居者の年齢層も高齢者の方が多い。
「このまま老人ホームにできるんちゃうか」
と、よく自虐ネタをとばしておられる。
それでも、スマホが35%? パソコンが23%?
聞いてた話と違う。
もし、このままマイナ保険証とか、公共サービスのデジタル化を進めてしまうと、ここのほとんどの人は取り残されてしまう。
いいのか、それで。

もしかすると、高齢者のスマートフォン普及率の数字には、ムラがあるのではないか。
あるところでは、9割以上の数字が出る一方で、別のところでは、このマンションのような2割、3割の数字。
都会と田舎でも差があるだろう。
それをならすと、70%とか、80%、そんな数字になるのではないだろうか。
もし、そうだとすると、この70とか80という数字をもって、
「高齢者でもスマートフォンをほとんどの人が持っている、ここでデジタル化を一気にすすめてしまえ、まずはマイナ保険証だ」
それは、正しいのだろうか。
もっと緻密に調べてみる必要があるのではないか。
1と9の平均なんて意味がない。

僕は、マイナ保険証一本化に賛成だったけれども、この数字を見て考えが変わった。
目指すところはそこでも、まだまだ時間をかける必要がある。
このマンションに限らず、高齢者が固まって暮らしている地域はたくさんある。
そんなところでも、いちどそのコミュニティの中での、スマホやパソコンの普及率を調べてみることは絶対に必要だ。

皆さんのお住まいの地域は大丈夫だろうか。

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