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やっぱり不思議な国

本当に不思議な国だなあ。
スーパーにお米が無くなっても、米騒動なんかどこにも起こらない。
お米を食べなくても、食べるものは他にいくらでも溢れている。
たまに入荷したお米は、少々高くても、いや、とっても高くてもすぐに売り切れてしまう。
買っていくのは、セレブでもない普通の人たちだ。

ゼロ成長だ、失われた30年だと、最近は日本の国力の低下がさかんに言われている。
日本と海外の賃金の差もさかんに取り上げられている。
給料が上がっても、物価はそれ以上に上がっているから、実質はマイナスだとも。
街頭のインタビューでは皆さん、
「困りましたねー」
と嘆かれている。

でも、街を見てみると、そんなに悲愴感を漂わせている人は見当たらない。
みんな、楽しそうにお買い物を楽しんでおられる。
お昼時ともなれば、少し高そうなレストランも満席だ。
何百万もする高級車が、次から次へと走ってくる。
値段も場所も高いマンションも、すぐに完売だ。
「円安で大変でしたー」
と嬉しそうに海外旅行から帰ってくる。

少子化。
高齢化。
人口減少。
人手不足。
円安。
物価高。
増税。
裏金。
等々、いろいろ問題はあるはずなのに、そんなに真剣に考えている人は少なそうだ。

生活の安定と言いながら、能力主義を望み、東京一極集中を嘆く人は、決して地方には行かない。
ワールドカップの会場では、あんなにゴミを集めるのに、花火大会では、ゴミを撒き散らして帰る。
子供が虐待されて嘆く人は多いが、それを変えようとは誰もしない。
景気は悪そうなのに、もっと働こうとは言えない。
困っている人に、頑張ろうとは言えない。

都合の悪いことを見えなくしたり、見ないふりをしたり、そんなことには世界一長けているのかもしれない。
それを、おもてなしと言うのだろうか。

やっぱり、不思議な国だなあ。

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