「マーケティングとブランディングの関係性とは」HONE 代表 桜井氏をお招きし、アクシス社内勉強会を開催しました!
アクシスのnoteをご覧のみなさまこんにちは!
CS部の丹羽です。
アクシスでは、定期的に外部講師を招いてWebマーケティングのスキルを高める社内勉強会を開催しています。
2022年3月には、HONEの桜井貴斗さんをお招きし、「マーケティングとブランディングをどう繋げるか」についてお話いただきました。
このnoteでは、セミナーの要点をまとめ、参加して感じたことや学びをレポートしていきます。「マーケティングとブランディング」に関する考え方や、弊社の取り組みについて少しでもお伝えできれば幸いです。
講師紹介
マーケティングとは”○○○○○”をつくること
過去に開催した社内勉強会やセミナーでは、多くの講師をお招きして「マーケティングとは何か?」について触れてきましたが、桜井さんが考えるマーケティングの原理原則とはどのようなものなのでしょうか。
それは、「”売れる必然”をつくること」にあるといいます。
これは桜井さんが実際に、日本を代表するマーケター森岡 毅氏からも言われていたことでもあるそうです。 そして、設定した目的に最短で到達できる「売れる必然をつくり、利益を出すこと」がマーケターとしての仕事。なぜならば、やはり利益がなければどんなビジネスも続けていくことが難しいからだと言います。
目的なきマーケティングは作業(タスク)になる
売上や集客を増やすために、市場分析や競合調査、プランニング、商品コンセプトを考えることは良いことである。しかし、とりあえず行うことは目的を見失いかねないただの作業になってしまう恐れがある。
例えば…
Aは、売上100億出すための商品をつくるには、どうしたらいいか?
Bは、商店街の人に知ってもらうために認知をどのようにして高めるか?
戦略は、すべて目的次第で変わってきます。
目的は「必達可能な定量目標」であれ!
目的とは、成し遂げたいこと。世界最高峰のマーケティング企業であるP&Gや、森岡毅氏が率いる株式会社刀では「必達可能な定量目標」と言われています。
例えば、「日本で人気の企業になります」というのは抽象的な目標であり、「この市場で○○億売り上げます」は明確な定量目標です。成し遂げたい定量目的が決まって、はじめてそこから戦略=資源の配分(人・モノ・金・情報・知的財産などをどこに配分するか)が決められ戦略が作ることができます。
よくあるWebマーケティングの失敗例として、今流行りの戦術などが先行してしまい、施策が上滑りしてしまったり、本来の目的とは異なる方向に進むことがあると言います。
その戦術で目的に最短で行き着くかどうか、目的・戦略・戦術を一気通貫で見ていく必要があるということです。
会社の経営層や上司から、根拠のない無茶なものや理想形が落ちてきて、無茶×理想だけでマーケティング戦略が決まってしまう。 会社のリソースが足りずに実現が不可能、その逆にリソースが有り余っているのに全然やらずに、せっかくの機会をロスしてしまっているということが社会には往々にして起こっていると桜井さんは推察しています。
だからこそ、戦況分析に照らし合わせて正確な目的を議論する必要があります。まずは目的地を決めて、勝てる戦略をつくり、わかりやすい言葉にして、チームを組んで勝っていくことが重要だそうです。
根拠がない精神論で作り上げられた無茶な目標は、実行する側の部下のモチベーションも上がりませんし、期待する成果も出にくいです。しっかりと 数値目標になっていることで、達成できたかできていないかが明白で、結果の振り返りや次への取り組みの議論も進めやすくなりますね!
コンセプトとは辞書では、「心の中で考えられる何か。思想。概念。アイデア」という意味が記されています。マーケティングにおけるコンセプトでは、顧客に提供する価値、及びその表現。
ミッション・ビジョン・コンセプトが明確か?
ミッション・ビジョン・コンセプトのそれぞれの言葉の定義は人によって異なりますが、今回桜井さんは分かりやすい事例として「桃太郎」を例に挙げて解説をしていただきました。
桃太郎のMISSION(ミッション)とは何だろうと考えたときに、多くの人はおそらく「鬼退治」だと答えるでしょう。しかし、「村の平和と安全を守る」ことが桃太郎のミッションだと桜井さんは言います。
ミッション・ビジョン・コンセプトは一貫させる
企業によっては、ミッションとビジョンが一緒になってしまっていたり、コンセプトは良いことは言っているけど、ポエムじゃないか?みたいなことがよくあると言います。ポエムではなく、ミッション・ビジョン・コンセプトがしっかりと繋がっている必要があるということです。
ミッションは、そもそも「私たちはこういう存在である」と仮定し、ビジョンは次に「我々が何を目指すのか」を設定し、じゃあ「今何をやるのか」がコンセプトとなります。ミッション・ビジョン・コンセプトのそれぞれの意味や目指すべき姿が一貫していることが重要です。
コンセプトは消費者視点で考える
コンセプトにはコピーライティングやクリエイティブスキルは必要ないと桜井さんは言います。 なぜならば、広告コピーの表現やクリエイティブデザインをコンセプトに反映すると、クリエイティブ表現そのものの良し悪しや好みに左右され、消費者に本来伝えるべきWhat(提供価値)を適切に評価できない可能性があるからです。
逆に必要なこととは、消費者視点に立った戦略アーティキュレーションの力が必要であると言います。 (※Articulation=考え方の明確な表現、言語化)
マーケティングとブランディングの関係性
桜井さんによると、マーケティングとブランディングは似ている部分があると言います。
上の図は、CONSUMER(消費者)・COMPETITOR(競合)・COMPANY(自社)の3Cの図に、CONCEPT(コンセプト)を組み合わせた図です。
これは、マーケティングの「こんな戦略で行きましょう!」というスタンスと、ブランディングの「自分たちの強みをこう表現しましょう!」という2つの視点を合体させています。
図を見ると市場・競合・自社・コンセプトの中身が一貫していることが分かります。
ブランディングが企業側が世間に対して「うちはこんな会社です!」という主観が先行してしまうものであるからこそ、果たしてそのブランディングが消費者にとってどう伝わるかまでを考えなくてはなりません。
マーケターは、「売れる必然をつくり、利益を出すこと」が仕事であるとすれば、いくらブランディングを頑張ってもその商品やサービスを買ってくれる人がいなければ利益は出せません。
ブランディング、マーケティングのどちらかに偏るのではなく、両方を行き来しながら、なりたいブランドに本当になれるかを俯瞰的に見ることが大切だということです。
まとめ
今回の勉強会では、マーケティングの原理原則、ブランディングとの関係性について学びました。
マーケティングの原理原則は「売れる必然をつくる」ことであり、マーケターはそれに則り「利益を出す」ことが求められます。
そのために、目的なくとりあえず市場分析や競合分析をしたり、商品コンセプトを考えることはただのタスクになってしまうため、まずは必達可能な定量目標を定め、戦略、戦術へと一貫した状態を作ることが重要だということです。
何かを始めるときは、周りと競っていきなり走り出しがちですが、あとで取り返しがつかなくなる前に初めの段階からしっかりと目標設定をすることが大切ですね。
ブランディングでは、ミッション・ビジョン・コンセプトを明確し、企業・商品・サービスが本当に消費者から求められているかを俯瞰してみる必要があります。
確かに大して欲しがる人がいない商品のブランドコンセプトをいくら推したところで、ただのいい感じのポエムになってしまいますね。
セミナーを通して、改めて消費者の立場で物事を思考し、マーケティングで売れる必然と利益をつくることがマーケターに求められることだと感じました。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました!