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【追悼】ボビー・コールドウェル
少し前の話になってしまいますが、アメリカのシンガーソングライターでAOR(Adult Oriented Rock)界の巨匠、ボビー・コールドウェル氏(Bobby Caldwell 1951/8/15-2023/3/14)が亡くなられました。慎んで御冥福をお祈りします。本日は、彼の残した数々の名作と名人芸を偲んで、個人的な思いを辿ります。
最高に艶のある声の持ち主
彼の死は、音楽の杜さんのnote記事で知り、慌てて調べて事実確認を行いました。心の動揺が隠せません。闘病生活を送っているという噂は以前から知っていましたが、71歳での死は些か早過ぎる気もしています。
音楽の杜さんも記事の中で触れておられる『ハート・オブ・マイン Heart of Mine』(1988)が、私は大好きでした。日本がバブル経済の過熱に向けて突き進んでいる頃のお洒落なテレビCM 〜自由とやすらぎのタバコ、パーラメント〜 にも採用されていました。私は、彼の楽曲を最高峰の"こましソング"と位置付けており、彼の艶のあるヴァイスに強い憧れを感じていました。彼の楽曲を聴くのに最適なのは、勿論夜です。
Winkのカバーでも有名な『スペシャル・トゥー・ミー Special to Me』(1978)や、元シカゴのピーター・セテラに提供した『ステイ・ウィズ・ミー Stay with Me』(1989)など、日本限定発売の曲も多く、印象深いアーティストでした。
オトナとはどうあるべきか
ボビー・コールドウェルを考える時、『オトナとはどうあるべきか』という深くて難しいテーマが思い浮かべてしまいます。出典(音楽雑誌の何か)を失念してしまい、内容もかなり忘れてしまったのですが、その昔、彼のインタビュー記事を読んで、大いに感銘を受けた記憶だけが強く心に刻まれています。
彼の人間性への親近感と既視感があり、魅力的に感じたのです。なぜ彼の音楽作品や歌唱や人間性に強く惹かれるのかは、自分でも分析不能なのですが、彼の声が私には特別なのかもしれません。彼が、もうこの世に居ない、という事実に途轍もない寂しさを感じています。
そしてまた一人、私の敬愛する人がいなくなってしまいました。
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