健全な精神を維持することの難しさ
健全な精神は、健康な身体に宿るは正しいように思います。社会生活を送る上で真っ当な人間性を維持する為には、自分にとっての適切な環境に身を置き、良い生活習慣を守ることが必要だと思います。
今朝、川崎市で起こった殺傷事件には衝撃を受けました。犯罪を犯して自殺した犯人は私と同年代の男のようです。罪なき人達を巻き込んだ身勝手で卑劣な犯行に同情など無用なのかもしれません。
しかしながら私は、男は何故一線を越えて、真っ当な人間であれば考えられない凶行に至ったのか…… 凶行に至る前に何か救いはなかったのか…… と何とも暗い気持ちに襲われながら、しばし考えてしまいました。
50年生きてこれたのです。人生ずっと暗黒の闇の中だったとは思えません。これまでには真っ当に暮らしていた時期だってあったはずです。どこでどう、何を間違えてしまったのか? 犠牲になった方々の遺族の胸には、全くやり切れない「?」の思いがずっと残り続けます。朝元気に送り出した家族が想像すら出来ない事件に巻き込まれて命を落とすという事態なんて想像もしていなかった筈です。
幼少時代から周囲の人達の愛情に包まれて育った人は、性根が良くなると言われます。その後、どんなに不遇の人生を送ったとしても、良心の一欠片で、非人道的行為に走る前に踏み止まれるような気がするのですが、この推定は甘いのでしょうか? 犯人の男にはそういう幸せな経験の記憶がなかったのでしょうか? いや、もしかするとそのような経験があったからこそ現在の絶望的な状況に一線を越えてしまったのでしょうか? 犯人の心の闇はどこにあったのでしょう?
なぜか、他人事で済ませられずに心のざわめきが止まりません。健全な精神を維持するのは難しい…… 本当に無念な事件です。
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