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2021ニューイヤー駅伝 観戦記

あけましておめでとうございます。2021年も愚直に、よりアグレッシブにnoteを書き続けていきたいと思います。全ての方々に素晴らしい日々が訪れる年となりますよう祈るとともに、私も勝負の年にしていきます。

新年の3日間は例年通り、駅伝観戦の記事をアップします。初日は、実業団No.1を決めるニューイヤー駅伝です。

1区 12.3㎞ 群馬県庁〜高崎市役所

『第65回全日本実業団駅伝2021』、通称ニューイヤー駅伝がコロナ禍を乗り越え、開催に漕ぎ着けられたことを大変嬉しく思います。大会関係者の努力と献身に感謝です。群馬県庁をスタート・ゴールとする7区間100㎞を出場全36チーム(カネボウが欠場)で争いました。

五連覇を目指す盤石の旭化成、今年こそはと捲土重来を期すトヨタ自動車、戦力充実で屈辱の予選敗退からの復活を目論む富士通が三強に上げられ、優勝争いの中心になるという予想でした。

1区も有力選手が揃いました。スタート直後から大集団が静かに進みます。レース中盤には1km3分を超えるスローペースとなり、優勝候補の三チームも自重気味に集団の中で進めます。

残り3kmを切ったアップダウンの跨線橋で漸くレースが動きが出始め、下り切ってからはスパート合戦となりました。最後は、日本選手権5000m2位の富士通・松枝選手の切れ味が勝り、区間賞。1秒差の2位に二年連続で旭化成・茂木選手、2秒差の3位にトヨタ自動車・田中選手、3秒差の4位に三菱重工・定方選手と優勝を狙う有力チームが上位を占め、順調な滑り出しです。

区間賞 35分28秒 松枝博輝(富士通)

2区 8.3㎞ 高崎市役所〜前橋市公田町

コース最短の2区は、外国籍ランナーの起用が唯一認められているインターナショナル区間です。スピード自慢の選手達によるゴボウ抜きが毎年繰り広げられます。

ワールドクラスの実績を持つトヨタ自動車・カロキ選手が、富士通・キメリ選手、旭化成・モゲニ選手を引き離すかと予想されたものの、前半は三菱重工・カンディエ選手が快調にリードします。

三区中継では6位で襷を受けた、日立物流・キムニャン選手が区間3位の好走で首位を奪取しました。同タイムの2位にはワイザカ選手が区間2位で走ったヤクルト、3位は三菱重工です。

トヨタ自動車は4位、富士通は6位、旭化成は13位に後退しました。前年区間賞の九電工・コエチ選手が今年も後方から23人抜きの区間新の快走で4位にジャンプアップしてきました。

区間賞 21分53秒6=区間新 B.コエチ(九電工)

3区 13.6㎞ 前橋市公田町〜伊勢崎市役所

追い風の吹くスピード区間。首位の日立物流・栃木選手、2位のヤクルト・荻久保選手を、三菱重工・的野選手、富士通・坂東選手ら実力者が追走します。

二区で13位に下がった旭化成は、実力者の大六野選手がGMO・渡邊選手を引き連れて猛追し、一時先頭を奪う走りを見せましたが、ラストは渡邊選手が競り勝ち、首位で四区へ中継しました。僅差で旭化成と富士通が続き、安川電機が古賀選手の快走で4位へ。三菱重工も25秒差の6位と射程圏内に踏ん張っています。

前回区間新記録を出したトヨタ自動車・西山選手は今年は今一つの走りで区間14位、チーム順位も32秒差の8位へ後退しました。区間賞は後方から追い上げた住友電工・田村選手が獲得しました。

区間賞 37分39秒=区間タイ 田村和希(住友電工)

4区 22.4㎞ 伊勢崎市役所〜太田市役所

エースが健脚を競う最長区間の4区。今年も豪華な顔触れが揃いました。

先頭のGMOは、一色選手が積極的な走りで前半は後続との差を広げて独走です。旭化成・鎧坂選手と富士通・中村選手の並走に、三菱重工・井上選手、日立物流・設楽選手、安川電機・中本選手らが追い付き、集団走となります。日本を代表するランナーたちの饗宴は見応えがありました。

東京オリンピックマラソン日本代表の中村選手が抜け出し、貫禄の走りで首位を奪取。2位には18秒差で旭化成、3位には21秒差で三菱重工と続き、窪田選手が健闘したトヨタ自動車が52秒差の4位に順位を挽回してきました。

区間賞は並み居るトップランナーたちを押し退け、大ベテランのSGH・佐藤選手が14人抜きでチームを6位に押し上げる快走で獲得しました。期待されていたホンダの伊藤選手は区間16位に終わりました。

区間賞 1時間4分00秒 佐藤悠基(SGH)

5区 15.8㎞ 太田市役所〜桐生市役所

5区は向かい風と上り基調に悩まされる難コース。

首位の富士通は、3000m障害が専門の塩尻選手が手堅い走りで、追い上げる東京オリンピックマラソン代表のトヨタ自動車・服部勇馬選手、この区間のスペシャリストである旭化成・村山謙太選手の追撃を凌ぎ切りました。

ホンダのルーキー、上りに強い青木選手が11人抜きの区間2位という好走を見せました。

区間賞: 46分23秒 服部勇馬(トヨタ自動車)

6区 12.1㎞ 桐生市役所〜伊勢崎市西久保町

勝負は後半。戦略の6区へ。距離は短いものの、アップダウンもあり、向かい風をまともに受け、コーナーが多くてペースが掴み辛い難コースだと言われています。

首位の富士通はニューイヤー初出走の鈴木選手。追う旭化成は前回区間新の小野選手、トヨタ自動車はルーキーの青木選手を起用しています。

鈴木選手は地力を発揮し、区間2位の青木選手に3秒差、区間3位の小野選手に4秒差ながら貫禄の区間賞を獲得。12年振りの優勝に向けて俄然有利な状況を確立しました。富士通は、10000m27分台の記録を持つ選手をこの繋ぎ区間に起用できる選手層の厚さを存分に見せつけています。

区間賞 35分33秒 鈴木健吾(富士通)

7区 15.5㎞ 伊勢崎市西久保町〜群馬県庁

向かい風が吹き付ける最終区間。首位の富士通は國學院大卒のルーキー、浦野選手。追いかける旭化成は市田孝選手。トヨタ自動車は大石選手。

首位とは40秒差。前回四区のエース区間で競り合った駅伝経験豊富な二人の実力者が後方から追い上げるかと思われましたが、浦野選手のペースは快調。全く危なげない走りで群馬県庁前の優勝テープを切りました。

2位にはトヨタ自動車、旭化成は五連覇ならず、3位に終わりました。4位には新加入のアンカー服部選手の力走で日立物流が初入賞。以下、ホンダ、三菱重工、JR東日本、ヤクルトと続きました。

区間賞 46分35秒 浦野雄平(富士通)

チーム成績

① 富士通 4時間48分52秒
② トヨタ自動車 4時間49分55秒
③ 旭化成 4時間50分32秒
④ 日立物流 4時間52分33秒
⑤ Honda 4時間52分38秒
⑥ 三菱重工 4時間52分45秒
⑦ JR東日本 4時間53分54秒
⑧ ヤクルト 4時間54分55秒

勝手に寸評

スター軍団、タレント揃いの富士通が鮮やかな勝利を飾りました。松枝選手の区間賞で滑り出し、エース区間の中村選手の冷静な走りで主導権を握り、以降の選手もきっちりと仕事をしました。

五連覇を目指した旭化成は、大砲と期待されていた相澤選手を故障で欠いたのが響きました。分厚い選手層はさすがだったものの、2区のインターナショナル区間の遅れが誤算でした。

今年も戦力充実のトヨタ自動車は、期待の2区、3区が今一つの走りで流れを引き寄せられられず、四区以降のランナーの頑張りも届きませんでした。

前回は区間新記録ラッシュに沸きましたが、今回は風の影響もあり、今年度のトラックレースでの盛況を考えると記録的にはやや期待外れの結果かもしれません。

レースはTBSが独占生中継していますが、CM中断がかなり多くて気になりました。番組放送中にもさらっと宣伝が盛り込まれます。協賛スポンサーが増えるのは結構な結果だとは思いますが、純粋にレースを楽しみたい昔ながらの駅伝ファンの私にとっては、少々気になる兆候でした。

2020年の観戦記はこちら


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