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教育では超えられない壁

本日は、「教育では超えられない壁」というテーマでの私見です。

名将・黒田剛監督のブログより

第100回全国高校サッカー選手権で決勝に進んだ青森山田高校の黒田剛監督の書いているブログ ー青森黒田魂ー の内容が非常に興味深いです。黒田氏は1994年から指導者生活を送っており、同校を高校サッカー界屈指の強豪に育て上げた名将です。今大会最強チームの呼び声が高い青森山田高校は、本日国立競技場で行われた準決勝で、セットプレーでの「トルメンタ」で話題になっている山口県代表の高川学園を6‐0で撃破し、四年連続の決勝進出を果たしました。

ブログは2014~2018年にかけて書かれていたもので、忍耐・闘争心・我慢といったことばが繰り返し出てきます。選手たちに厳格さを求める指揮官のようです。前日に亡くなった小嶺忠敏氏もそうでしたが、人間教育を重視する指導を行っていることが伺えました。本日観たテレビ映像からも、厳しそうな印象を漂わせていました。

成長できない選手の特徴

黒田氏が、成長できない選手の特徴について書かれた以下のくだりを読んで、考えてしまいました。

先生や指導者の話を素直に聞くことができず、物事を前向きに捉えることができない性格で、何事に対しても実行する前に言い訳し、失敗したら直ぐに弁解するというネガティヴな姿勢や態度は、成長できない選手の典型だ。すべての行動が漠然としていて計画性がなく、その上、人に指摘されることを極端に嫌がるので同じミスや失敗を何度も繰り返すのである。目的と手段、行動が一致していないのも特徴の一つで、自分が頑張っていることにはとても満足し評価するが、他人の努力や頑張りにはあまり興味も関心もない。そして、どんな時も行動や発言が自己中心的なので、周囲からは理解も評価もされにくいのが現実である。「好きなこと」や「得意なこと」には熱心に取り組み、それを「努力」とはき違え、「苦手」なことには向き合わず逃げてきたので、結局、何も達成できていないことが多いのだ。残念だが、これが成長できない「落ちていく」選手の現状である。

ー 2018/3/29ブログ 『「飛躍」するための条件』より

手厳しい表現が続くものの、これは大所高所から選手を預かって育てる指導者の的確な指摘だと感じます。黒田氏は、他の記事でも、昨今主流の「長所を伸ばす」「好きなことをやる」が強調され過ぎていることに疑問を投げかけるような表現をしています。「好きなこと」「得意なこと」に注力する生徒が、「頑張っている」ことは認めるものの、本当の努力とは、自分の弱点・欠点から目を逸らさず、克服するための地道な反復の中にある、という考え方も示されています。

私には、黒田氏が指摘する「成長できない選手の特徴」に当てはまる部分が多々あります。人の助言に素直に耳を傾けられないこと、同じミスや失敗を繰り返してしまうこと、目的と手段、行動が一致していないこと、逆算思考で行動できないこと、自己中心的なこと、などは、なかなか修正のできない長年の欠点です。

性格は教育では矯正できないのか

究極的には、こういった性格や人間性にかかわるような特性は、他者から与えられる教育だけで矯正することは難しいのかもしれません。同じ指導を受けたとしても、個人個人によって、吸収力の違いがあり、長い期間で見れば大きな差が生まれてしまいます。

性格と呼ばれているものでも、改善させること、変化させることは可能だと思います。本当に「好きなこと」「得意なこと」に打ち込んで、そこで結果を出し、評価を受けることで、さらに成長したいという意欲が生まれ、創意工夫をしていく、欠点や弱点の克服に力を注ぐ、という好循環に持ち込めることはあり得ます。

指導者や教育者の役割は、環境を用意することなのだと思います。生徒たちのマイナスの性格も受け容れて、その改善アシストをすること、主義・主張を押し付けるのではなく、本人のビジョンに合った方向性を指し示すこと、見捨てないで我慢強く見守りチャンスを与えること、適切な助言を与え続けることで選手の問題点をカバーすることも可能に思えます。

程度による

目指すものが高邁な場合、どんなに優れた指導や教育を施しても、超えられない壁があるのは事実でしょう。どこまで高みに登っていけるか、最終的には、本人次第というのも真理でしょう。

全国制覇を狙うような強豪チームならば、その組織の目線やルールについていけない生徒、力の足りていない生徒、覚悟の足りない生徒には、最初から門戸を閉じて、ミスマッチを防ぐというのも一理あります。

ちょっと、意見がまとまらなくなってしまいました。この記事は、以降に何度か手を入れ直すことになると思いますが、一旦アップします。

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