金曜日の随筆:心理的安全性が担保されない場では本音を話せない
また運命を動かしていく金曜日がやって来ました。2021年のWK15、卯月の弐です。本日は、COTEN RADIO番外編#43、#44、#45からの学びです。ゲストにエール株式会社取締役の篠田真貴子さんを迎えて、「聴く力」を話す会でしたが、大変面白かったので、感想を残します。
「聴く力」の鍛え方を学んでいない
篠田さんが取締役を務めているエール株式会社は、話すことを聴いてもらう機会をマッチングするサービスを提供している会社です。
最近、上司ー部下のOne on Oneコミュニケーションを取り入れている会社が増えているようです。そういう機会を設けている背景には、職場のディス・コミュニケーションが生産性や業績に影響する、という問題意識が会社側にあるからでしょう。
「聴く力」って意識して訓練してこなかったなあ、という反省があります。どんどんインプットして、発信する力を磨く方向にばかり意識が向いていた気がします。「聴く力」はスキルなのだ、と捉えて、体系的に学ぶ機会を意識的に作ってきませんでした。
篠田さんが、コミュニケーションをキャッチボールに喩えて説明されていたのが腑に落ちました。キャッチボールでは、投げる技術と同等かそれ以上に、相手からのボールを受ける技術が重要です。キャッチング技術の優れた人には安心して球を投げ込むことができます。
「心理的安全性」なくして濃い交流なし
「心理的安全性」ということばがあります。キーワードは「絶対に聴いてもらえる」です。信頼を持てない相手に、信頼のできない状況で、腹を割った話をすることなんてできません。「心理的安全性」は、自然には生まれないので、人工的に作っていくしかないようなのです。
中編の中で出てくる
● 「聴く=従う」という刷り込みがある。
● 聴く側の人が、聴く際にジャッジを挟んでしまう。
● 発信力の強いエリートほど、「聴く力」からは遠ざかる。人と世界をコントロールしたがるから。
● 役割が固定される会社組織では、通常情報が上から下にしか流れない。
● これまで何かを伝える権利はエリートにしかなかった。徐々に変化しており、傾聴力が必要とされるようになってきている。
といった話にも共感するものがありました。
私が思ったこと
私が馴染みのバーに通う理由の一つに、その場へ行けば、話を聴いてもらえるという「心理的安全性」があるように思います。「心理的安全性」が担保された状態で、フラットに話を聴いてもらえる、存在がきちんと認められている、という環境は心地良いということだと思います。勇気を絞って、必死で搾り出した本音のことばに「くだらねえ……」という態度を取られたら、心が崩壊します。
私は会社員を辞める数年前から、自分の気持ちを蔑ろにされている、軽く扱われている、という不信感と不満を抱えていました。でも、その気持ちを口にすれば、自分の状況が一層悪くなるだけだということがわかっていたので、自分で消化しようと溜め込んで、我慢する日々でした。
● 自分を理解などしてもらえない……
● 自分の気持ちになんて寄り添ってもらえない……
● 自分の意見になど共感してもらえない……
● 神妙に聴くフリして、陰で物笑いにするんだろう……
という疑心暗鬼が増え、だんだんと諦めの気持ちが強くなっていきました。
そうなると自分の本当の気持ちを真正面からぶつけようという意欲すら沸いてきません。日々折り合いをつける努力はしていたものの、私自身で職場でのディス・コミュニケーションを作り出していたように思います。
「聴く力」は、聴く側に精神的余裕がないと発揮できないように思います。フラットに受け止める精神的余裕があるかないかは重要な要素です。
今週の格言・名言《2021/4/5-11》
Upgrade your current self.
今の自分をアップグレードする
Only habits created from effort make the difference.
- Immanuel Kant, Philosopher/Germany
努力によって得られる習慣のみが善である
ーイマネエル・カント 哲学者/ドイツ