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【追悼】坂本龍一氏

世界的な音楽家の坂本龍一(1952/1/17-2023/3/28)氏の逝去が発表されました。享年71歳。2014年に発見された中咽頭癌は精力的な治療で寛解したものの、その後癌の再発により、近年は闘病生活が続いていたことが知られていました。

今年の1月には、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)時代の盟友でもあった高橋幸宏(1952/6/6-2023/1/11)氏が亡くなっており、日本音楽界の重鎮がまた一人、この世を去ったことになります。

私には、坂本氏の人物や活動や思想についての包括的な知識はないものの、氏が手掛けた仕事には、魅せられたものが幾つもありました。この記事では、その記憶を辿ってみます。

坂本龍一氏

YMOの思い出

イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)は、1978年に細野晴臣(1947/7/9-)、高橋幸宏、坂本龍一の三人で結成されました。当時の最先端のシンセサイザーを駆使したテクノ調の楽曲で世界的な成功を収めました。坂本氏は、キーボード・シンセサイザー・コーラスを担当し、「教授」というニックネームで知られていました。

YMOの『テクノポリス』や『ライディーン』が流行っていた頃、私は小学生でした。化粧を施し、奇抜なコスチュームでシンセサイザー機器を演奏するメンバーたちの姿はインパクトが絶大でしたし、それまでに聴いたことのない斬新なサウンドは、妙に耳に残りました。こういうタイプの音楽は「テクノ」と呼ばれていましたが、YMOが市場開拓し、確立させたジャンルであり、その中で最も商業的成功を収めたバンドの一つでしょう。

テクノポップグループと思われていたYMOが、1983年に発売した『君に、胸キュン。』は、アイドル顔負けのどポップソングで、かなり面食らいました。ところが、ヒット直後のその年の10月に「散解」と称して、活動中止を発表しました。その後何度か復活しています。

※2023/4/6 追記
坂本氏に追悼にあたり、追悼番組で『ライディーン』(高橋幸宏氏の作品)が流れていたことで、炎上したようです。坂本氏の作品は『テクノポリス』だろ、みたいなドヤ投稿が相次いだそうですが、個人的に「まぁ、いいじゃないですか… ”YMO=ライディーン”だと思うしね」です。

映画音楽

私にとって坂本氏は、YMO時代よりも、"映画音楽の巨匠"というイメージが強いです。自身も日本兵役で出演した『戦場のメリークリスマス』(1983)、陸軍将校役で出演した『ラストエンペラー』(1987)では、映画音楽を担当しています。

『ラストエンペラー』では、グラミー賞映画・テレビサウンドトラック部門、ゴールデングローブ賞作曲賞、アカデミー作曲賞などを受賞し、『世界のサカモト』と呼ばれる大物アーティストとなりました。

『ラストエンペラー』(監督・脚本:ベルナルド・ベルトリッチ)は、私が大学生時代、映画館に観に行った記憶はありますが、誰と行ったのか、どんな内容だったのか、さっぱり思い出せません。ただ、あの幻想的なメロディーだけは、頭にこびりついています。

『エナジーフロー』

坂本氏の残した楽曲で忘れられないのは、1999年CMに使用されたインストゥルメンタル曲『エナジーフロー』です。疲れきった人々を優しく抱き締めて癒すような、優しくて美しい旋律に日本中が魅せられ、異例の大ヒットを記録しました。

私も当時ドはまりしていて、CD『ウラBTTB』を買って、独身寮で聴きまくっていた記憶があります。

社会活動

坂本氏は、社会問題に積極的に発言することでも知られていました。抗議行動などにも度々名を連ねていました。音楽活動以外にも政治的主張を含む社会派のアーティストでした。

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