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3人以上の集まりが苦手な理由を考えてみた

さまざまな体験や情報から、どうやら自分はHSPであるという結論に至りました。

HSP(Highly Sensitive Person)は、日本語に訳すと、「とても繊細な人」。人口の5人に1人いるといわれています。90年代後半に、アメリカの心理学者 エレイン・アーロン博士が提唱しました。

https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/GV87VN95ZV/

上階の些細な物音に過剰反応し、自動車のヘッドライトが目に突き刺さり、同僚の苛立ちに責任を感じ、人付き合いが苦手。とにかく生きにくくて苦しくてどうしようもありませんでしたが、HSPという概念に出会い、自分もそうなのかもしれない…!?と検討してみたところもりもり当てはまり、「苦しいのはこれのためだったのか!」とスッキリ納得。
これはいい機会だと考え、自分の苦しさについて少しずつ分解して考えてみるようになりました。

その中で、今回は3人以上の集まりが苦手な理由について書いてみました。


基本的に自分を偽っている

大前提として、他者に関わる際には多かれ少なかれ自分を偽っている部分があります。
どんなに親しい間柄の友人でも、なんなら血のつながった両親やきょうだいでも、本来の自分を曝け出すことはできていません。程度は相手によって様々ですが、いわゆる猫をかぶっている状態です。

私はこの偽りの程度を、「乖離値」と「調整値」という2つの値に分けて考えています。

1.乖離値

乖離値とは、【本来の自分】と【偽りの自分】がどれほどかけ離れているかをあらわす値です。

たとえば、【本来の自分】は物静かで口数が少なく、休日は自宅でひとり紅茶を飲みながら読書をしているような人間であった場合。他者と関わる上で【偽りの自分】を形成するとき、
①親しい友人と2人で静かなカフェに行き、ぽつぽつとおしゃべりをしながらコーヒーを飲む
②十数人の知り合いとスポーツ施設へ赴きフットサルに汗を流し、打ち上げで浴びるようにビールを飲む
という2パターンの【偽りの自分】の間には、明らかな差異があります。

この場合、①よりも②のほうが乖離値が高い、と考えます。より無理をしている、と言い換えることもできますね。

乖離値は、【偽りの自分】を形成する上で基礎となる値です。
自分がこれから置かれる場所・状況などの環境にあわせて変化します。

2.調整値

調整値とは、【偽りの自分】を形成するとき、相手に合わせて偽りの質や形を変容させる場合の値です。言い方を変えれば、乖離値に加えて相手のために付加するオプションのようなものです。

たとえば、自身の話をするのが大好きなAさんに対して【偽りの自分】を形成する場合。「他者と会話する」ための【偽りの自分】を形成するための乖離値に加え、「相手の話を遮らず聞き役に徹する」というオプションを付加するための調整値が必要になる、という考え方です。

オプションは相手毎に違うため、Aさんに適用された調整値が、BさんやCさんに適用されるとは限りません。にあわせて変化する値です。

2つの値が高くなるほどしんどい

前述のとおり、乖離値と調整値は共存します。そしてその合計値が高くなればなるほど、【本来の自分】からかけ離れているということになります。
【偽りの自分】を形成するために無理が生じ、心も体も、場合によっては財布の中身も疲弊します。

ここまでの内容で、基本的に人付き合いはしんどいものなのだ、ということを語りました。
では、「3人以上」という状況がことさら苦しいのはなぜなのでしょうか?

なぜ3人以上ではだめなのか

問題となるのは調整値です。

前述のとおり、調整値は人にあわせて変化する値です。大きくなるほど苦しいのは乖離値と同様ですが、調整値の場合はさらに別の要素について考える必要があります。

複数の「人」が同時に場に存在する場合、調整値をどのように設定するのか?

先の例を応用してみましょう。
「親しい友人(A・B・C)と4人で静かなカフェに行き、ぽつぽつとおしゃべりをしながらコーヒーを飲む」
というイベントが準備された場合、まずは環境に合わせた乖離値が設定されます。環境に左右される値であるため、一定の値となります。
次にに合わせた調整値を設定するのですが、A・B・Cそれぞれが違った性質を有する人間である場合、いったい誰に合わせた調整値を選べばよいのでしょうか

A、B、C、それぞれ1対1で接する場合は、それぞれに対応した調整値を設定すれば大丈夫です。
しかし、3人が一堂に会してしまったとなると大変です。それぞれに対応した調整値を設定したい自分と、でもそうすると4人で過ごす上での整合性が取れないと焦る自分。
3人の調整値にさほど差がなければ、中間をとって対応することもできるでしょう。しかし埋められないほどの差がある場合、頭の中は大パニック、致命的なバグを起こしてしまいます。

これが、私が3人以上の集まりを恐れる理由です。

それでも本来の自分を出すのは難しい

こんな思いをするのであればいっそ【偽りの自分】を捨ててしまえばよいのかもしれませんが、もちろんそんなことは不可能です。
特に調整値なんてものは悪く言えば八方美人の素ですが、わかっていても、それでも無意識に設定してしまうのだからどうしようもありません。

苦しさの原因を分解していく活動をはじめたものの、解決策はいまのところ出たことがありません。
しかしまあ、いろんな本を読んでみても「そのままの自分でいいのよ」「それがあなたの長所なのよ」といったほんわかあたたかメッセージで締められていることが多いので、私のような素人が簡単に答えを出せるわけがないのです。

あくまでも私自身の感じ方や考え方ですが、もし同じように苦しさを感じている方の「苦しさ分解」のお役に立てれば幸いです。