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【2021/4/26】隔たる世界の2人
第93回アカデミー賞で短編実写映画賞を受賞した本作。32分という短さにもかかわらず、同じ場面が形を変えて繰り返される「ループもの」といわれる構造になっています。それは、この表現技法でなければ伝えられないテーマがあったからではないでしょうか。あなたはこの映像からなにを受け取りますか? pic.twitter.com/ccv0iBUehN
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 26, 2021
なんて言っても短編32分ってのが魅力的。このツイートを見たのがちょうど空き時間だったので、即鑑賞。
ツイートの紹介通りの内容。32分しかないのにこんだけ説明されて楽しめるかどうかちょっと心配になったりした。もちろんラストの大落ちがあるのは分かっているのだけど。
あらすじを読んでいるだけに、展開の先読みをしながら見てしまう。殺されては同じ朝に目覚めるループが、どう変化をしていくのか。どうやってループから抜け出すのか。どうしても結末予想を的中させたい衝動に駆られる。
スタートは黒人の主人公が白人警官から理不尽な言いがかり(タバコから変なニオイがするとか、大金をもっているのはおかしいとかで)をつけられて死んでしまう。その時点でもう不穏なムードが漂ってくる。因縁の付け方が「差別」っていうのがありありと分かるから。きっとこういう黒人差別が実際にあるのだろうとそれをまず突き付けられた。
警官はとにかく不気味な顔をしている。結果的になぜ主人公が殺されてしまうのか、そこに何か裏があるのではないか、と見ながら考えてみるがもちろん答えは出ない。そうしているうちに主人公もバカではないので、あの手この手で逃れようとする。行動パターンを変えてみたり、訴えかけてみたり。
でもやっぱり結末は同じ。殺されて、また朝に戻る。
後半はもう「あと10分しかないよ!」「5分しかないよ?」「まだ何も分からないよ?」「結末はどうなるの?」と残り時間をカウントダウンをしながら焦りが募っていく。話をどう結ぶかというのは、物語を作るものにとって最大の難関だと思うから。頼まれてもいないのに書き手のわたしが勝手に慌てていた。大丈夫!?と。
果たして主人公は逃げ切れたのか?
それは見て確かめたほうがいい。
『隔たる世界の2人』
というタイトルは「黒人/白人」もあるし、「男/女」も「人間/ペット」もあると感じた。一緒に寝ていても、一緒に暮らしていても、同じ人間であったとしても、隔たる世界が生まれてしまう。そこをどう変えていくか。そこを問う作品なんだと感じた。
エンドロールまで見るとさらにえぐられるので是非。
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