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JRが走る

旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『日本語を操るミャンマーボーイ』も是非お読みください。

ミャンマーボーイと別れた私たちは電車を待っていた。ミャンマーには環状線が走っていて、地元民の足となっている。正式名称はヤンゴン環状線、駅は39、1周するのに約3時間かかる。時間的に1周する余裕はないので、次の目的地であるシェンタゴン・パゴダの近くの駅まで行ってみようと決めた。しばらくして、反対側の車線にやってきた列車を見て、私たちはテンションが上がった。

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分かるだろうか。これはまさしく「JR」。ヤンゴン環状線には日本から譲渡された車両が多く走っており、その列車と出会うことが出来たからだ。そして私たちの乗る電車もやって来て、再び盛り上がった。

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快速 名古屋!!

これ名古屋まで行きますのん!?と思わずツッコミを入れたくなる。喜び勇んで電車に飛び乗った・・・とは言ってもドアは取り外されていて無いので、勝手に乗り込んだと言う方が正しい気がする。無賃乗車し放題かと思いきや、チケットは車掌さんがきちんとチェックしに来る。運賃はわずか200チャット(15円くらい)。どこで乗っても降りても一律料金である。車内は雨もあってか地元民でごった返していた。水やお菓子、果物を売る行商ももちろん乗り込んでいて、当たり前のように買う人がいる。

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雨なのでややドヨーンとした雰囲気。しかし我らがJR車両は軽快に走っていく。車内アナウンスは一切なく、各駅に表示されている駅名もミャンマー語で読めないので、過ぎていった駅数を数えていくしかない。ガイドブックを手に、ローカルな雰囲気を楽しみながらも緊張感のある道中。

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車内の表示は日本語がそのまま残っている。古びているが、味がある。駅に止まる度、人が降りて乗ってくる。日本と同じ仕組みのはずだが、明らかに違っているその風景。でもそれはきっとかつての日本の姿であろう。
そして、私たちの降りる(と思しき)駅に到着した。

Kyeemyindaing Railway Station
ကြည့်မြင်တိုင်

読めるわけがない。英語表記でもなんて発音するか分からない。地元の方にも聞けない。そうなればもう勢いしかないのである。「えいっ!」っと列車を降りた。

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降りてみて気付いたが、ド派手なラッピング車両だった。ミャンマービールのデザインはカッコいい。そして、飲んで美味しい。モンドセレクションにも選ばれているから当然だ。この時点ですでに5杯くらい飲んでいたと思う。大好き。

乗ったのは6区間、時間にして25分ほどだったが、ミャンマーの詰まった素晴らしいひと時になった。

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