インタビューとインタビュー
最近、アスリートにインタビューし、記事を書くといういわゆるライターのお仕事を少しさせてもらっている。
そして、先日のようなMCの仕事にも、主催者やゲストにお話を聞く、つまりインタビューするという機会は必ずある。
話を聞くのは得意なはずだし、これまでもたくさんインタビューしてきたつもりだが、その目的と最終到達点の違いをジリジリと感じ、愕然としているのが今。
イベントなどのインタビューでは、質問内容よりもその時の盛り上がりを重視することが多い。台本に質問事項は書いてあるが、相手の返しによって質問を変えたり付け加えたり、場合によってはツッコんだりいじったりと、質問だけが仕事ではなく、瞬発力が必要となる。また、人前で話し慣れていない方もいらっしゃるので、ワードを拾って代弁したり補足したりのフォローも求められる。
余程の想定外がない限り、大爆笑は起きなくとも、そこそこの盛り上がりは生まれるし、参加されている人たちも大抵は何かの括りだったり、ステージ上のゲストに興味があったりと、そこにいる理由があるから聞いてもらえることが多い。
疲労感は高いがイベントが終われば、MCとしての仕事も終わりなので、大方、気持ちよく打ち上げが出来る。
一方。
記事を書くためのインタビュー。
相手によって話が得意・苦手は同じようにあるが、盛り上がるに越したことはないが、大盛り上がりを求められることはない。質問事項はキッチリと決まっており、その中でうまく話を運び、聞きたいことへと誘導しながら進めていく。当たり前だが圧倒的に聞いている時間が長い。
わたしは職業病なのか、話が途切れたり間を長く取ることにやや不安を覚える。取材に至っては相手を待たせてはいけないという思いもある。
見知った相手であれば、ちょっとした冗談を言ったり、話が脱線したり、そういう「遊び」で間をつなぐことで、思ってもみなかった面白い話を聞けることもある。
だが大抵の場合、インタビュー時間には限りがあり、聞くべき事項も決まっている。制限された中で、相手の心をなるべく解き、こちらの聞きたい話題を拾うという使命が課されている。
100パーとは言わないけれど、無駄話って、いらない。
イイ感じで話が聞けたと思って、文字起こししてみると、
「なんであれ聞かなかったんだぁぁあ!!」
「わたし喋りすぎぃぃいい!」
「ここ記事にできないぃぃ!!」
・・・愕然とする。
そして怯えながら記事を書き始めるのだ。
何度もインタビュー音源を聞いていると次第に「あ、ここ書ける!」「いい話して下さってるぅ!」となってくるのだが、文字起こしのために聞いた第一段階だとなかなか気付けない。
インタビューする前から、記事の構成をイメージし、そのために必要な事前準備、どのような話の展開で何を聞くのか、頭に入っていないといけないことを痛感している。いつものように瞬発力だけではダメなのだ。
それだけではなく、取材対象から感じた印象、人柄、その方だからこその魅力を把握しつつ、インタビューの目的を果たすための(告知など)情報もゲットしなくてはいけない。
その上で、取材中の話しやすい雰囲気も作っていかないといけない。
それを踏まえてこそ、読み応えのある記事が書ける。はず。
更に言うと、筆のスピードも上がる。はず。
まだ何も体得していないので想像でしかないが。
でもとにかく話を聞くことは楽しい。そして記事を書くことも大変だが楽しい。脚本などの創作とは違った気付きや学びがある。とは言え、創作してきた自分だからこその記事を書きたいとも思う。
そして、、
締切よ~
ゆっくり来てね~