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ウワサの八曜日占い
旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『オープンレディース』 も是非お読みください。
いきなりの飛行機遅延のせいで、ミャンマーに着いたのは夜遅く。そこから犬とネズミのいる屋台で串焼き(BBQ)を食べ、ミャンマービールを飲んで、ホテルで爆睡した1日目。
翌日の朝早くから、スーレーパヤーというヤンゴンの中心部にある寺院へ向かった。
ミャンマーの寺院内は、ノースリーブやショートパンツなどの露出は厳禁で、裸足での入場が求められる。正直、そこまでキレイでもない寺院内を裸足で歩き回るのは気が引けるが、「郷に入っては郷に従え」であるから、靴と靴下を脱いで中に入った。
黄金に輝く仏塔を前に、友人と私、明らかに観光客の匂いを漂わせている。スーっと若者が寄ってきて、聞いてもいない参拝方法と寺院内を説明してくれた。
(何となくの翻訳)花はココに入れて。ブッダ様に水を3回かける。これは「父・母・自分」の分だ。それからコッチに来て。これはココに入れる。鐘を鳴らして。この像はね、モン族だよ。じゃあ次はあそこ。座ってお参りしていいよ。写真も撮ってあげるよ、ほら、そこに立って・・・
興味深かったのは、ミャンマーには「八曜日」という暦があって、自分の曜日の祠(?)でお参りをするということ。しかしそれを教えてくれたのは、すべての案内が終わり、そろそろ帰ろうかという時だった。
おい、若者。早く言え。
「君は何曜日なの?」と、当たり前のことのように聞いてきた。私たちはもちろん分からないから、「さぁ」って顔してると、「特別だよ」と恩着せがましく言いながら、スマホで調べてくれた。友人は月曜日、私は木曜日だという。そしてその曜日には守護動物が決められているらしい。若者は、
確か・・・月曜日はタイガー、木曜日はライオンだよ。
と教えてくれた。ふたりとも強くてカッコイイ動物だったから何だか嬉しかった。そして最後に笑顔で言った。
ガイド料くれ。
もちろん予想はしていた。カンボジアでも同じことがあった。勝手にガイドしてきて支払いを要求するパターン。学んでいない私。旅の序盤はまだギアが入ってなくて、やりがちなのだ。ガイド料はミャンマーの物価では高い金額だった。だけど、神聖な寺院でゴタツキたくなかったからシュッとした態度で払ってやった。
気を取り直して私たちは、改めて、自分の曜日の祠でお参りをすることにした。まずは友人の月曜日。そこには確かにタイガー(トラ)の像があった。友人はブッダに3回、トラに3回水をかけて、手を合わせた。
そして、木曜日の祠へ。曜日と方角はリンクしていて、月曜(東)と木曜(西)は反対の位置にある。ぐるりと仏塔を回って辿り着いた。しかし、そこにはライオンはいなかった。いたのは・・・
モルモット(ネズミ)だった。
おい!!どこがライオンだ!むしろ正反対だろ!
と叫びたいほどに、ライオンと聞かされて喜んでいた私の心はひどく傷ついた。別にネズミが悪いってわけじゃないよ、だけどさ、ライオンからのネズミって。百獣の王からのネズミって。最強からの最弱って・・・ネズミは実際はしぶとくて、生命力がある。よく見るとカワイイ。でもさ、でもさ・・・
私はいじけながら、モルモット様に丁寧に水を3回かけた。そして、この旅の安全を見守ってくれるようお願いした。そして気付いた。ネズミと屋台で出会った時から、運命をともにすることが決まっていたことを。私はこれからネズミ様に優しくし、崇めると心に決めた。
さあ、あなたは何曜日?守護動物は?
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