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豆まきや鬼のお面を活用した回想法レクリエーション

2月といえば節分ですね。介護の現場でも、節分の行事を取り入れることで、高齢者の皆さんに季節の移り変わりを感じてもらい、日々の生活に楽しみを増やすことができます。特に、認知症の方にとっては、節分にまつわる思い出を振り返ることが、脳の活性化や心の安定につながります。

今回は、豆まきや鬼のお面を活用して、高齢者の記憶を引き出す「回想法レクリエーション」についてご紹介します。

回想法とは?

回想法とは、昔の出来事や思い出を話したり、関連する物に触れたりすることで、記憶を引き出し、心の安定や認知機能の維持を促すケアのことを指します。特に認知症の方にとって、回想法は脳の活性化につながる重要なアプローチとされています。
回想法を取り入れることで、以下のような効果が期待できます。

  • 脳の活性化:過去の出来事を思い出すことで、記憶を司る脳の機能を刺激する

  • 情緒の安定:懐かしい話をすることで、安心感を得たり、楽しい気持ちになる

  • コミュニケーションの促進:話題が広がり、職員や他の利用者との会話が増える

  • 自己肯定感の向上:「こんなことがあった」「昔はこうしていた」と話すことで、自分の経験が大切にされていると感じる

この回想法を、節分の豆まきや鬼のお面を使って楽しく実践する方法を見ていきましょう。

豆まきを活用した回想法レクリエーション

豆まきは、節分の代表的な行事の一つですね。利用者の皆さんも、昔は自宅で豆まきをしたり、「鬼は外、福は内」と声を出して楽しんだ記憶があるかもしれません。

1. 「昔の豆まきの思い出」を話してみる
まずは、豆まきに関する昔の記憶を思い出してもらう時間を作りましょう。
例えば、次のような質問をすると、話しやすくなります。

  • 「子どもの頃、ご自宅では豆まきをしましたか?」

  • 「どんな豆を使っていましたか?(大豆・落花生など)」

  • 「鬼の役は誰がやっていましたか?」

  • 「豆まきの後、歳の数だけ豆を食べましたか?」

このような質問をきっかけに、利用者さんが昔の記憶を語り始めることがあります。話が広がったら、じっくり耳を傾け、「なるほど!」「素敵な思い出ですね」と、共感しながら話を進めることが大切です。

2. 安全に楽しめる豆まきレクリエーション
豆まきを実際に行うことで、より思い出を引き出しやすくなります。ただし、高齢者の方に硬い豆を投げさせるのは危険なので、安全に配慮した工夫が必要です。
おすすめの方法は次のとおりです。

  • 新聞紙を丸めた豆を使う(誤嚥や転倒防止のため)

  • 鬼の的を作り、座ったまま投げられるようにする

  • 「鬼は外!福は内!」の掛け声をみんなで言う(声を出すこと自体が脳の活性化になる)

豆まきをすることで、軽い運動にもなり、楽しみながら身体を動かすことができます。

鬼のお面を活用した回想法レクリエーション

鬼のお面も、回想法を促すための良いツールになります。鬼の顔を見たり、お面をかぶることで、節分の雰囲気をより身近に感じることができます。

1. 手作りお面で回想と創作活動を楽しむ
利用者の方々と一緒に、紙や画用紙を使って鬼のお面を作るレクリエーションもおすすめです。お面を作ることで、次のような効果が期待できます。

  • 手先を使うことで脳を刺激する

  • 「昔、子どもと作ったことがある」と回想につながる

  • 「どんな鬼にしようかな?」と想像力を働かせる

作ったお面をかぶって写真を撮ったり、飾ったりすることで、「自分で作ったもの」という満足感を得ることもできます。

2. 「鬼」についての思い出話を引き出す
お面をきっかけに、「鬼」にまつわる話題を広げるのも良い方法です。
例えば、次のような質問をすると、会話が弾みます。

  • 「小さい頃、鬼のお面をかぶったことはありますか?」

  • 「節分以外で、鬼が出てくる昔話を聞いたことはありますか?」(桃太郎、泣いた赤鬼など)

  • 「お子さんやお孫さんと豆まきをしたことがありますか?」

話を聞く際は、「鬼は怖かったですか?」など、感情に寄り添う問いかけをすると、より深く思い出を引き出せます。

60歳から介護職を選ばれた方々へ

60歳から介護職を始められた皆さんにとって、回想法を活用したレクリエーションは、利用者さんとの関係を深める良い機会になります。

「介護の仕事って、何を話したらいいんだろう?」と悩むこともあるかもしれません。でも、大切なのは利用者さんのお話に耳を傾けることです
無理に盛り上げようとしなくても大丈夫。「子どもの頃、どうでしたか?」と聞くだけで、自然と話が広がることが多いです。利用者さんが話しているときは、「そうなんですね」「昔はそうだったんですね」と相槌を打ちながら、ゆっくりと聞いてあげることが大切です。

また、豆まきやお面作りを一緒に行うことで、自然と笑顔が増え、安心感が生まれます。「節分の話をしていたら、利用者さんが嬉しそうに話してくれた!」という瞬間を、ぜひ大切にしてください。

まとめ

節分の豆まきや鬼のお面を活用した回想法レクリエーションは、高齢者の記憶を引き出し、脳の活性化や心の安定につながる良い機会になります。

  • 豆まきの思い出を語り合い、懐かしさを感じてもらう

  • 安全に配慮しながら、実際に豆まきを楽しむ

  • 鬼のお面を作ることで、手先の運動と創作の喜びを得る

  • 「鬼」にまつわる昔話を引き出し、会話を広げる

回想法は、介護職員と利用者さんが楽しく関われる素晴らしいケア方法の一つです。今年の節分も、ぜひ楽しい思い出づくりをサポートしてくださいね!

高齢者と介護スタッフが鬼のお面をかぶり、笑顔で記念撮影をしている 温かい交流のシーン

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