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タカヒコはパカレに似ている。あるいはドメーヌタカヒコと僕

変なタイトルを書いてしまいましたが、僕個人の記憶の範囲での感想で似ているなと思ったことがあっただけです。なので特にいろいろと調べての結果と言うわけではありません。すみません! 先に謝っておきます。つっこまないでください。

この記事を書こうと思ったのはドメーヌタカヒコのナナツモリ2016が最近飲んで大変おいしかったこと、この大変おいしいと感じることが難しいワインだとあらためて思ったからです。ただでさえ飲む機会が多くないワインですから、どうせならこのおいしさを多くの人に味わってもらいたいと思います。

言っておきますが、ワインのおいしさの感じ方は人それぞれ、嗜好品ですから自分がおいしいと思えばそれで充分です。飲み頃まで待て、とか飲むには早すぎる、などではないです。

さてさて、その似ているなと思った記憶と言うのは20年近く前に僕がフィリップ・パカレのワインを飲んだときに一言で言うなら酸っぱいワインだと感じたことを思い出した、ということです。

それはワインが若い状態だったという事ですが、はじめの頃はなんでこんなに酸っぱいワインが人気なんだろうと思っていました。ところがそんなワインは、しっかりとした環境の中で熟成させると素晴らしい変化をとげました。酸味の角が取れて丸くなってくると同時に複雑さが増します。

この経験は同じヴィンテージだったということもより感動させたと思います。。あんなに酸っぱ買ったワインが数年でこんなにも! でしたねぇ。
その時に感じたことがドメーヌタカヒコを飲んだ時に思ったことと似ているなと感じたのです。


僕がドメーヌタカヒコを初めて飲んだ時と、2回目の時はまだまだ若い状態で酸味がしっかりとあり、当初はなんでこのワインが人気があるのかなぁと思ったのも事実です。
3回目に飲んだ時に、この時はある程度熟成した状態のものを飲めたのですが、驚きました。複雑さがありしなやかさもあり旨味もあり、そしてそれがすばらしいバランスを保っていたのです。この時に思い出しました。フィリップパカレを飲んだ時と似ているなと。


ワインが評価されるのはそのワインに何かしらの理由があるわけで、その理由を理解していればワインは楽しめますが、わからなければその時に飲んだ味わいが自分に合わなければ自分にはおいしくないワインだと思ってしまいます。

しかもそのワインはみんなに評価されているので自分はおいしいと感じないとはあまり大きな声では言えません。これがワインを飲み慣れていない人だったりすると、みんながおいしいと思っているワインがおいしいと感じない私はワインは苦手なんだというように思ってしまい、せっかくのワインを飲んだ機会がもったいないです。これは避けたいです。


お店でもドメーヌタカヒコのワインを何度かお出ししていますが、そのワインがテイスティングしてみてあくまで個人的にですが飲み頃になっていなければしっかりとそれを伝えます。個人の経験として熟成すれば素晴らしい状態になる可能性があるワインだということを説明します。この飲み頃と言う表現は個人によって差はあるので難しいのですが、先にも書いたようにあまりにも酸味が強いような場合ですとやはり説明をした方が良いと思います。
実際に説明した後、飲んだ方から今の説明を聞かなかったらせっかく期待して初めて飲んだドメーヌタカヒコのワインは美味しくないと思っていたところでした、ということを言われたこともあります。実際にタカヒコさんもすぐのリリースはやめてほしいと酒販店にも言っているようですね。


僕はドメーヌタカヒコのワインを3回目に飲んだ時に初めておいしいと思ったのですが、3回も飲める機会に恵まれる人はそう多くはないでしょう。
僕はある程度の経験から、今は酸味が強い状態だが寝かしたらおいしくなるワインなのかもしれないと想像することができますが、そうでない場合
そこでおいしくないと結論を出してしまう、残念なことになるかもしれません。


こういう経験は逆に楽しかったりしますし、それでどんどんワインの沼にはまっていく人は多いと思います。いろんな人を楽しいワインの沼にはめていくにはやはりこういうこともしっかり伝えていかないといけないでしょう。


ワインと言うのは同じワインであっても飲むタイミングによって味わいはかなり違う場合があり、そのワインは飲んだ時だけの1回の味わいだけとは限らないと言うことを、僕たち飲食店側は飲むときにしっかりと伝えなければいけないなと思います。


ですので、ワインがわからないと言っている方も、ワインを飲んだときに少しでも味わいに疑問など感じたら、ソムリエやスタッフに聞いてみるほうが僕はいいと思います。純粋に飲んだ味わいの感想を聞くのは、我々側でも嬉しいものですし勉強にもなるのでまず嫌がる人はいないと思います。といっても既に何万人もソムリエはいるので全員とは保証はできませんが。


普段の僕はワインの飲み頃は自分がそのワインを飲みたいと思った時だ、と思っているのであまり細かく気にしたりはしないのですが、飲み頃を悩むと言うのもワインを楽しむ上での醍醐味の1つでもあるので、そういったお手伝いはしていきたいです。


なので、リリースされたばかりのワインをグラスで出していきますし、レアなワインをグラスで出していきますし、ときにはヴィンテージワインもグラスで出していきます。


これは珍しいワインとかをどうだグラスで出してるんだぜー、と自慢したいわけではなくて(ちょっぴりあるかも)、そういった飲み頃を自分なりに感じてもらいたいと思っている事でもあるので、日本ワインシロッコでワインを飲んでいただける時はこういったことを感じながら飲んでいただけるととても僕は喜びます。よろしゅう。

日本ワインSirocco
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東京都渋谷区千駄ヶ谷3-24-8 1F
支配人/ソムリエ 岩間芳樹
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岩間芳樹【haku】ワインバー
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