【元陸自幹部が暴露!】多忙な幹部自衛官の夫婦関係に潜む危機と乗り越え方 - Mr.Kの赤裸々な告白
こんにちは。
元・国防男子/初級・中級幹部サポーターのMr.Kです。
経歴については、
幹部自衛官として13年間勤務し、主な経歴は第1空挺団、米国陸軍留学、陸自最高学府の指揮幕僚課程、在日米陸軍司令部、国連南スーダンミッション軍事司令部等で勤務してきました。
自衛隊を退職後は、民間企業で約4年間勤務し、現在は独立して活動しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
「旦那(彼氏)は、いつも演習と言ってしばらく不在になりますが、本当に演習なのでしょうか?」といつも不信感を抱いている、自衛官のパートナーの方はいませんか?
先日、幹部自衛官を彼氏に持つ女性の方からTwitterのDMで『幹部自衛官の彼氏との関係に関する悩み』についてのメッセージをいただきました。
実は、僕がこれまで複数の幹部自衛官の奥様方から受けた相談内容(夫婦関係)と同じような内容でした。
幹部自衛官の奥様や幹部自衛官を彼氏に持つ女性の多くが、自衛官の仕事について理解できず、悶々と悩んでいるのかがよくわかりました。
今回は、夫婦関係に悩みを持つ奥様や、これから夫婦になろうとされている女性達に対するメッセージについて僕の経験談を交えて書いてみました。
寄せられる悩みは、一般的に『旦那様(彼氏)が幹部自衛官』ですので、『男性の幹部自衛官』と『その奥様』を主体として記事を書きます。
⏩ はじめに
僕は、これまでnoteやTwitter等を通じて、幹部自衛官の奥様方や幹部自衛官を彼氏に持つ女性からこのような相談を受けてきました。
✅ 旦那が仕事で何をやっているのかわからない。
✅ うちの旦那は幹部自衛官。司令部勤務で多忙のため、なかなか家に帰ってこない。
✅ 世間では『働き方改革』と言われているのに、全然働き方が変わらない。
✅ 文書の書き方、陸上自衛隊のいわゆる「文書要務」が厳格すぎて、それに時間を取られてしまって、業務が非効率なんじゃないでしょうか?
✅ いつも家庭で喧嘩ばかりで辛すぎる!
✅ こんな結婚生活は想像してなかった・・・
旦那様、あるいは付き合っている幹部自衛官の彼の仕事に対する『不満』、『不信感』や、幹部自衛官としての業務が多忙すぎて、旦那様がうつ病になりかけているという悩みについての相談です。
同じような悩みを抱えている自衛官の奥様や幹部自衛官とお付き合いをされている女性は多数いらっしゃるのではないでしょうか。
『陸上自衛隊、幹部自衛官、妻、悩み』と、Yahoo! 知恵袋などで検索すると、同じような悩みがたくさん出てきそうですね。
民間の方からすれば、自衛隊の世界は、何をやっているのかよく分からない、なかなか理解できない独特の世界だと思います。
僕の妻も、結婚当初、同じような悩みを抱えていました。
誠に恥ずかしいのですが、今回の記事では僕の経験談について紹介したいと思います。
⏩ 毎日爆発するMr.Kの妻の不満
僕が今の妻と付き合っていた時は、
仕事に対して「へぇ〜そんな事やってるんだ。凄いね!」というような幹部自衛官としての仕事をリスペクトしてくれているような言葉をかけてもらっていました。
しかし、結婚した後からは、
「えっ!?何で?今日も帰り遅いの?おかしくない?」
という僕の仕事に対する不満の言葉へと変化しました。
結婚すれば、通常は一緒に暮らしていくわけですから、旦那の仕事がより気になり、何をやっているのか知りたくなるのは自然なことだと思います。
妻からは、いつも
何で、そんなに朝早く仕事に行ってるのに夜遅く帰ってくるの?
一体、一日に何時間働いてるの?
勤務時間決まってないの?
何で休日なのに職場に行くの?
演習で1ヵ月間も家を空ける?
演習で本当に1ヵ月も山の中で生活をしてるの?
1ヵ月もの間、山の中で何をしてるの?
本当はどこかで遊んでんじゃないの?
というような質問を投げかけられていました。
実際のところは、不満、不信感です😅
一般の方からすれば、
自衛官の旦那が演習のために1ヶ月も家を空けるということに対して不信に思いますよね・・・
仕事が多忙になるにつれて、どんどん妻からの怒りの言葉はエスカレートしていきました。
「何でいつもそんなに朝早くに出勤して、帰りも遅いの?おかしくない?」
「仕事帰りにいつもどっかで遊んできてるでしょ?こっちは子育てで忙しいのに。ふざけんじゃないわよ!」
「あたしは何のためにあなたと結婚したの?あなたの世話をするためだけに結婚したの?こんなんじゃ、結婚した意味がない。」
「子育てで一番辛い時期に、あなたはいつもいないわね。どれだけ私が大変かわかってるの?」
「はぁ?飲み会?私が子育てでこんなに忙しいのに、よくそんな事言えるわね!」
新婚当初は、部隊の多忙な業務と指揮幕僚課程の試験勉強とで、新婚にも関わらず、ほぼ家庭で過ごす時間がなく職場での仕事と試験勉強に没頭している状態でした。
「こんなの、結婚した意味がない!」
妻からよく言われた言葉でした。
僕の妻も、相談を頂いた奥様方達と同じような悩みをずっと抱き続けていたのです。
幹部自衛官の旦那の仕事や職場環境に対して、不安や悩みをずっと抱き続けていたのです。
⏩ 妻の不満にはうんざり!僕の言い分
しかし、僕としてもこのような言葉を投げかけられるのは我慢できませんでした。
国や国民のために一生懸命仕事をしているのに、何が悪い?
一生懸命仕事をしているのに、疲れて家に帰ったら愚痴ばかりを言われることを黙ってられなかったんです。
家に帰ったら、毎日のように喧嘩のゴングが鳴りました。
「なんで仕事をしっかりしてるのに、そんなことをいつもいつも言われないといけないんだ!
「疲れて帰ってきてんのに、そんな嫌味をいつも言われると余計に疲れるんだよ!」
「じゃあ、俺が仕事を辞めて家事を全部やるから、お前が外で働いて金を稼いでくるか?」
「そんなに今の生活が嫌なら離婚すればいいだろ!」
いつも妻から投げかけられる言葉に対して、💢イライラ💢が爆発してしまっていました。
この問題をどう解決していいのかわかりませんでした。
⏬ 仕事も大変・・・
⏬ 家庭に帰ってからも大変・・・
家庭でも毎日のように喧嘩で、楽しいことがない日々が続きました。
⏬ 仕事もいっぱいいっぱい・・・
⏬ 家庭のこともいっぱいいっぱい・・・
心休まる時間が無く、常にイライラしていました。
ご飯を食べている時も、トイレに入っている時も、お風呂に入っている時も、通勤している時も、仕事の休憩時間も、仕事中も、本当にいつもいつもイライラしていました。
そしていつの間にか、
自分自身がちょっとのことでイライラをするめちゃくちゃ短気な人間になっていたことに気づきました。
なかなか仕事に集中できないし、家庭もうまくいかない。
心中は常にイライラしている状態でした。
当然、家庭内の雰囲気も、ものすごく悪い状態になっていました。
いつ家庭が崩壊してもおかしくないような状況に危機感を感じていました。
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『離婚』したらこの状況から脱して、楽になれる?
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そう考えたことも幾度となくありました。
それくらい精神的に追い詰められていました。
⏩ 何となく理解はできていた妻の怒りの原因
妻の怒りの大きな原因が、僕のコミュニケーション不足にあったことは何となく気付いていました。
職場の環境云々は別として、家庭崩壊寸前の状態になってしまったのは、それだけ自分が人間的に未熟で、心に余裕がなかったのです。
僕に責任があったのです。
実を言うと、
僕は仕事から帰ってきて疲れていた事もあり、妻とあまり会話をしてきませんでした。
今思えば、とてもひどい対応だったなと猛省をしています。
こんな状態だったら、妻が怒るのは当たり前ですよね。
⏩ でも仕事優先、家庭の問題の解決策は後回し
原因は何となく分かっていたのですが、解決のための行動に移すのに時間がかかりました。
当時の僕は、陸上自衛隊での勤務は続けて行きたいし、本当は、家庭でも楽しい日々を過ごしたいと思っていました。
『どうすれば危機的な夫婦関係が改善するのか?』ということをしっかりと考え、妻との問題に向き合わなければならなかったのですが、仕事にばかり注力をして、家庭のことは深く考えずに蔑ろにしてしまっていました。
心の中で「妻は、いつかは理解してくれるだろう」と淡い考えを抱いていたからです。
この考えが甘かった・・・
いつまで経っても妻の理解は得られず、夫婦関係は悪化したままでした。
結婚から数年が経って、
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夫婦関係を改善するためには、まずは自分の考えを改めて、自分から主体的に行動しないと何も変わらないことを学びました。
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⏩ 部隊の年配の隊員達から言われた言葉
僕がまだ独身で、初級幹部時代、よく飲み会の席で部隊の年配の陸曹隊員に『夫婦円満の秘訣』について、アドバイスを貰ったことがありました。
一人だけでなく、複数の隊員から『妻への教育』の重要性についてお話をいただいた記憶があります。
恐らく、多くの隊員が家庭で同じような悩みを抱えて苦悩を経験していたものと想像します。
⏩ やっと夫婦関係円満のための具体策を理解
『妻への教育』
確かに、妻に対する教育は必要だったのかもしれませんが、ちょっと違うかなと思っています。
『妻への教育』と言うよりは、
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妻に自分の仕事を理解してもらえるように、
夫婦間の毎日のコミニケーションが大切
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だったのではないかなと思います。
僕の場合、夫婦関係が崩壊しそうになったのは、
家庭内でのコミュニケーションが圧倒的に不足していた。
妻に自分の仕事について理解してもらっていなかった。
ということが原因でした。
まずは、僕自身が仕事でどんなに疲れていても、妻と向き合ってしっかりと日々のコミュニケーションを取らなければならなかったのです。
コミュニケーションを積み重ねることによって、仕事についてちゃんと理解してもらい、確固たる信頼関係を築いていかなければならなかったのです。
妻はいつも、
だから、僕は
奥様が一般の方であれば、自衛隊の仕事や訓練等の話をしてもよくわからないでしょう。
当時の僕は「話しても、どうせ分からないんだし・・」と思って、仕事や訓練の話は殆どしていませんでした。
でも、
例え、話の自衛官の仕事や訓練の内容が理解できなくても、妻にその話をすることで妻は喜びました。
悩みや不満は言いたくなかったけれど、妻にその話をすることで妻は喜びました。
今まであまり言ったことがなかったので照れ臭かったけれど、妻に「いつもありがとう」とひとこと言ってみたら、妻はもっと喜びました。
妻に対して、
🔴 ちょっとした仕事や訓練等の話をしてみる。
🔴 自分自身が考えていることを伝えてみる。
🔴 自分自身が不安や心配に思っていることを伝えてみる。
🔴 「ありがとう」という感謝の言葉を伝えてみる。
ことで、日々一生懸命、自衛官のサポートをしている妻は報われるんですよね。
結婚して10年くらい経ってやっとその事が理解でき、行動に移す事ができました。
毎日のように喧嘩が絶えなかったのですが、妻はいつも僕のことを思い、当たり前にご飯を作ってくれたり、弁当を用意してくれたり、僕の仕事の悩みを聞こうとしてくれたり、大変な子育てをしながら、家族を支えようと努力してくれました。
妻には本当に感謝をしています。
そんな妻に対して、自分が仕事で疲れているからと言って、ろくにコミュニケーションも取らず、只々身の回りの世話をしてもらって、感謝の言葉も伝えることなく漫然と過ごしてしまっていました。
今振り返ると、僕は非常に傲慢で最低な人間でした。
幹部自衛官としては、第1空挺団という誰もが所属できるような組織で勤務して仕事はできた方であると思いますが、人間として未熟すぎたのです。
年齢を重ねて色々な経験をしていくことによって、やっとそのことに気づくことができました。
かなり遅いですよね・・・
家族との貴重な時間を無駄にしてしまいました。
でも、沢山もがき苦しんだ分、かけがえのない多くのことを学ぶことができました。
⏩ 相談をいただいた奥様・彼女さんへ
親身になって旦那や彼氏のことを考えられ、相談をしていただいたことに感謝致します。
少しでも、僕の経験が今同じような問題を抱えている方々のお役に立てれば、自分の恥ずかしい経験を曝け出して記事を書いた甲斐があります。
🌻 一つだけ、奥様方や幹部自衛官を彼氏にもつ女性に知っておいて欲しい事があります。
実は、仕事と家庭の両立に行き詰まった現役の幹部自衛官の方からも、夫婦関係についての相談をよく受けるんです。
更新を怠っているかつて僕が作成していたブログを認知してもらって、現役自衛官からも相談を受けるようになりました。
多くの現役自衛官がワークライフバランスについて悩んでいることを知り、巷では『働き方改革』とか言われていますが、自衛隊の中では、以前からあまり変わっていないことを認識しました。
幹部自衛官の仕事は、奥様方が想像する以上に忙しいと思います。
現在の陸上自衛隊は、陸上自衛隊創設以来の大改革の真っ最中にあり、サイバーや電磁波、島嶼防衛など任務は多様化しています。
更に、追い討ちをかけるようにコロナ禍。
また、陸上自衛隊は『幹部自衛官の不足』という構造的な大問題を抱えていますので、一人当たりの幹部自衛官に係る負担はかなり大きくなっています。多くの部隊や学校等の機関などがそのような状態にあります。(これは、僕のこれまでの記事を読んでいただければ理解していただけると思います)
業務で多忙なことは、陸上自衛隊という特殊な組織において、幹部自衛官として勤めている以上は仕方ありません。
巨大組織はすぐには変わりません。
その組織の体制に不満があるのであれば、キッパリと辞めればいいだけです。
でも、相談をいただいたということは、幹部自衛官の旦那様は、退職という道を選ばず、苦悩を抱えながら仕事と家庭のことを両立しようと頑張っておられていると思います。
僕が現役自衛官だった頃、
奥様に仕事のことを理解してもらえなかったために夫婦関係がうまくいかず、『離婚』を決断された幹部自衛官をたくさん見てきました。
中には『離婚』が大きな原因で、うつ病になり、若くして自ら命を絶ってしまった同期もいました。
彼は、いつも僕のことを慕ってくれていましたので、訃報を聞いて残念でなりませんでした。
そのような事案を根絶し、少しでも多くの方に円満な家庭を築いていただけるように、僕の経験が少しでもお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日も皆様にとって良い一日となりますように!
元国防男子 Mr.K
貴重な時間を割いて私の記事をお読みいただき、心から感謝しております。 私の記事が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しく思います。 もし、今後の創作活動をサポートしていただけると、さらに質の高いコンテンツを提供する糧となります。皆様のご支援が、私の次の一歩となります。