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Mr.Kの小隊長時代、東富士演習場で最小の最強の敵によりK小隊が半壊した話

こんにちは。
元・国防男子/初級・中級幹部サポーターのMr.Kです。

経歴については、
幹部自衛官として13年間勤務し、主な経歴は第1空挺団、米国陸軍留学、陸自最高学府の指揮幕僚課程、在日米陸軍司令部、国連南スーダンミッション軍事司令部等で勤務してきました。

自衛隊を退職後は、民間企業で約4年間勤務し、現在は独立して活動しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。


先日、ニュースを見ていたら、陸上自衛官にとってとても危険な病についてのニュースを見かけました。

その病のリスクが最も高いのは、海上自衛隊や航空自衛隊ではなく、陸上自衛隊の隊員です。

何だと思いますか?

実は、過去にその病によって僕の小隊が半壊してしまったことがあります。今回の記事は、人を死に至らしめるほど危険な病について書きます。

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僕が、まだ幹部に任官して3等陸尉時代の話です。

年齢は、25歳くらいでした。

関東にある部隊で、小隊長として部下として30人くらい持たせていただいて勤務していました。


⏩ 部隊の訓練検閲

その小隊の半壊する事件が発生する前、静岡県の御殿場市にある東富士演習場で訓練検閲(訓練の評価をされる場)を受けていました。

その際、東富士演習場の畑岡地区に中隊の指揮所を設けることになりました。

毎年東富士演習場で開催される総合火力演習を見学に行ったことのある人はわかるかもしれませんが、総合火力演習を行なっているエリアの近傍で、駐車場として利用されている近傍エリアに指揮所を開設しました。

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中隊の指揮所の近傍に僕の小隊の指揮所も開設しました。

指揮所の天幕は、道路などから直接見えないようにする事が基本です。

上空からも見えないように、森の中に開設したり、偽装網で偽装もします。

下の写真はイメージです。

図2

僕は、小隊長として草むらのど真ん中に指揮所を開設することを命じました。

草むらのど真ん中では天幕の展張が大変ですが、道路からは絶対に見えないので、隊員は嫌がりましたがやらせました。

面倒な作業をやらせるときは、反発する隊員が出てきます😊

でも、訓練検閲の場で妥協をして訓練の評価が悪くなってしまっては、後で絶対に後悔するので、自分がやるべきだと思ったことは信念を持ってやらせてきました

天幕の入り口部分と天幕が展張される箇所は、草を伐採してその上に指揮所を開設しました。

その指揮所の中で一晩を明かしました。

その間、敵の襲撃や敵の航空攻撃などの状況が付与され、小隊としての対応行動等をその地域で行いました。

⏩ 検閲終了後の異変

そんな訓練検閲も事故もなく無事に終わり、その日は演習場にある廠舎(しょうしゃ:軍隊が演習先などでとまるための、簡単な造りの屋舎)に宿泊をしました。

訓練の最終日の夜には、必ず『打ち上げ』があります!

富士で演習をした後、宴会で必ず出てくるのが『馬刺し』です。

『山崎精肉店』は自衛隊の御用達です。

懐かしいです・・・

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次の日の午前中、演習場から駐屯地に帰隊し、午後は演習で使用した器材や天幕(テント)などを整備します。

その日、駐屯地に戻ってから小隊の隊員数名が体調不良を訴えていました。

腕がぷっくり腫れたり38度以上の発熱で顔を真っ赤にしている隊員が続出しました。

腫れた箇所を見せてもらうと、何かに噛まれたような跡がありました。

噛まれた部分が黒くなっているのが特徴的でした。

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⏩ 一個小隊を半壊させた奴の正体

体調を悪くした隊員達が駐屯地の医務室で受診したところ、原因が判明しました。

『ツツガムシ病』でした。

ツツガムシ病は、ダニの一種であるツツガムシの幼虫に刺されることで発症します。

ツツガムシの体長は、0.5〜0.8mm程度です。

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北海道、沖縄を除く全国で発生しており、
東北・北陸地方では春〜初夏
関東〜九州地方では秋〜初冬の発生が多いとのことです。

ツツガムシに吸着された後、10~14日間の潜伏期間後38~40℃の高熱が生じ、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感も起こるそうです。

その他、眼球結膜充血、咽頭発赤、肝脾腫、全身リンパ節腫脹も認められ、放置するか治療が遅れれば、脳炎、肺炎の合併やDIC(血管に血栓ができる病気)や心不全で死に至る症例もあります。(日本皮膚科学会)

🔴 38~40℃の高熱・・・

🔴 脳炎や肺炎の合併症や心不全・・・

🔴 死に至る症例もある・・・

ツツガムシ病って、かなり危険なんですね・・・

⏩ ツツガムシ病の治療法

日本皮膚科学会のHPによると治療法は、

発熱、脱水、全身の発疹をきたしますので、入院が適応になります。確定診断を待たずに治療を開始すべきで、診断さえつけば治療はテトラサイクリンという抗生物質が著効します。
事態は緊急を要するので、疑ったらただちに投与することが肝要であり、早期診断をうけるためにも患者さんは山野へ入ったというエピソードを担当医に伝えて下さい。DIC合併など死亡例はすべて初期治療の遅れにあります。他に、高熱、脱水、栄養障害への対症療法(点滴その他)も必須です。
内服は2~3週間、点滴も最低1週間は必要と思います。

医療の専門用語はよくわかりませんが、

🔴 入院が必要❗️❓

🔴 疑ったら直ちに抗生物質の投与が必要❗️❓

🔴 内服は2〜3週間、点滴も最低1週間必要❗️❓

という点を見るだけでも、やはり、かなり危険な病気だという事がわかります。

ダニの幼虫如きに小隊の半分がやられてしまったのです!

小さいくせに、すごい破壊力です。

⏩ 最後に

ツツガムシ病は、北海道、沖縄を除く全国で発生しており、
東北・北陸地方では春〜初夏
関東〜九州地方では秋〜初冬の発生が多いとのことです。

草むらに入ったりするとツツガムシの幼虫に刺される可能性が高くなるので、発生の多い時期には草むらに入らないように注意しましょう!

畑仕事をする人も注意が必要ですね。

重要なことは被覆部(躯幹、腋窩、陰部)にある1~2cmの黒色壊死が固着した浸潤性紅斑(刺し口)をみつけることですが、残念なことにツツガムシ(幼虫)は小さいために患者さんは刺された自覚がありません
従って、山野へ入ったというエピソードがあることが重要です。
(日本皮膚科学会)

噛まれて腫れている場所が黒くなっていたら要注意ですね。

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症状が出たら、医師に山野へ入った場合はそのことを伝える事が重要らしいです。

小隊長として訓練検閲で頑張ったのですが、それが仇となってしまったエピソードでした。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

元・国防男子/陸上自衛隊応援団/初級・中級幹部サポーターのMr.K


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🇯🇵元3等陸佐Mr.K | 初級/中級幹部のキャリアサポーター
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