芋出し画像

📖#4 冷笑ず筆で戊う明治のボンビヌガヌル『暋口䞀葉日蚘』

▌前回はコチラ

▌最初から読みたい方はコチラ

『暋口䞀葉日蚘』本線スタヌトです

䞀葉女史は16歳の1月から、ほが毎日、日蚘を曞いおいたすので、ほどよく省略しお玹介したすねヌ。

◆1888幎明治21䞀葉16æ­³

1月15日
お皜叀始めの日なので、䞭島歌子先生の和歌の塟「萩はぎの舎や」に行った。

1月19日
お皜叀の日。
「萩の舎」では毎幎2月21日に初歌䌚がある。
どの着物を着るのかず、みんなが䌚話しおいるのを、私は䞍安な気持ちで聞いおいた。

「あの方は、振袖をお召しになるそうよ」
「あなたは、この着物がいいわね」
「䜕色になさいたすの」

などず楜しそうで、そのうちの䞀人が私に

「ねえ、あなたは䜕をお召しになるの」

ず聞いお来た。

䞀葉「私は぀たらない者ですから、矎しい着物も䌌合いたせん。だから、普段着のたたです」

ず答えお、その日の歌は歌子先生から最高点をいただいお垰った。

䞡芪が少し叀くなった着物を取り出しお「歌䌚でのみなさんのお召し物はどんな感じ」ず聞いおきたので、答えるず、

母䞊「みなさんがそんなに豪華なお着物をお召しになるなんお  。こんなみすがらしい着物で出垭するのは恥ずかしいこずだわ。歌䌚に参加するのは、やめなさい」

ず、母䞊は涙を浮かべお蚀い、父䞊は残念そうだった。

私の家は萩の舎のみんなず比べるず貧しいし、私には才胜がない。
それでも、私に期埅しおくれおいる人のためにも出垭しないずいけないず決心しお、着物の準備をした。

2月21日
初歌䌚の日。
みなさんは矎しく莅沢な着物ず垯をお召しだった。
みなさんず比べるず恥ずかしかったけれど、私は叀着でも芪からの莈り物だず思うず、それだけで嬉しい気持ちになった。
歌䌚では参加者が60人ほどいる䞭で、私は最高点をいただいた。

日蚘は、䞀葉女史が、スヌパヌお嬢様たちが通う歌の塟「萩はぎの舎や」に通っおいるずころから始たりたす。
萩の舎のお皜叀は、週に回土曜日です。

この時点では、父はただ存呜ですが、すでに䞀葉女史が暋口家のトップになっおいたした。

䞀葉女史は「自分には才胜がない」ず曞いおたすが、日々のお皜叀や歌䌚では、先生から最高点をもらっおいるので、才胜は充分ありたす。

公家や歊家のスヌパヌお嬢様たちの晎れ着にはかないたせんが、叀着でも「これは䞡芪が莈っおくれたものだから」ず胞を匵っお歌䌚に参加。
結果、誰よりも歌子先生に和歌を耒めおもらいたした。
「ボロは着おおも心は錊にしき」っおや぀ですね

「貧乏でも負けないんだから」ず頑匵る䞀葉女史でしたが、3幎の間に貧乏がレベルアップしたす。

16æ­³
・歌䌚のカ月埌の月、父は自宅を売っお新しい事業に挑戊
・月、萩の舎の先茩、䞉宅花圃みやけかほが小説で高額の原皿料をゲットしたこずにショックを受ける

17æ­³
・父の事業が倱敗
・小説を曞き始める
この間、倏目挱石の矩姉になれたかもしれない瞁談を逃す
・父、病気で亡くなる

18æ­³
・将来有望なサむコパス枋谷䞉郎ずの瞁談が砎談になる

19æ­³
・1月 20歳には小説家ずしおデビュヌするこずを決意
・3月 母ず効ず本郷区菊坂町の家で人の生掻が始たる。内職の掗濯ず針仕事でお金を皌ぐ

女人での貧乏暮らしを倉えるには「小説を曞いお原皿料を皌ぐしかない」ず、䞀葉女史は決意したのでした。


◆1891幎明治24䞀葉19æ­³

4月15日
効の友人の野々宮きく子さんが玹介しおくれた、プロの小説家、半井桃氎なからいずうすい先生に初めおお䌚いした。
先生は東京朝日新聞で小説を曞いおいらっしゃる。

初察面のご挚拶をしたずころ、私はなれおいないので、耳が赀くなっお熱くなり、唇はかわいおしたった。
先生になんお蚀ったらいいか分からず、ひたすらおじぎするばかり。

先生は30歳ぐらいで、おだやか。埮笑みが優しい。
身長が高くお、150cmもない䜎身長の私は芋䞊げるほどだった。

桃氎「私が理想ずする内容の小説は、䞖間の人には奜かれないのです。今、私が曞いおいる小説は、どれもすっきりした気持ちで曞いおいたせん。だから、批評家からは非難されおいたす。私は家族を逊うために小説を曞いおいたすが、い぀の日か、私の理想の小説を曞くこずが出来たら、そのずきは批評は受け぀けたせんよ」

ず蚀っお、倧笑いされた。

桃氎「あなたが小説を曞きたいず野々宮君から聞きたした。私は先生ず蚀われるほどの才胜はありたせんが、お話盞手にはなりたしょう」

ず芪切におっしゃったので、私は嬉しくお涙がこがれた。
それから、倕食をご銳走になり、垰りの人力車も甚意しおいただいた。

私は垰る前に、自分で曞いた小説の原皿をお枡ししお、先生がお曞きになった小説を4、5冊お借りしお垰った。 

暋口䞀葉の垫匠なのに珟代知名床はれロの半井桃氎なからいずうすい先生ず初察面です。

珟圹プロ小説家の桃氎先生の前で、䞀葉女史は緊匵しっぱなし。
普段は、母ず効、萩の舎のお嬢様たちずいった女性ばかりの環境で過ごしおいるので、知らない成人男性になれおいたせん。

桃氎先生は優しくおだやかな性栌だったので、突然やっお来た䞀葉女史の小説のチェックをこころよく匕き受けおくれたした。

䞀葉女史、ラッキヌでしたね、
70幎くらい前の江戞時代埌期には、倧ベストセラヌ䜜家にチェックをお願いしたずころ、散々悪口を曞かれた本を2巻も送り぀けられた只野真葛ただのたくずねえさんずは雲泥うんでいの差ですね。

▌只野真葛ただのたくずねえさんに぀いおはコチラ

桃氎先生はずおも優しいですねヌ 滝沢銬琎先生ず違っお
しかも、倕食をごちそうしおくれたうえに、垰りのタクシヌも甚意しおくれるなんお、すごくいい人

ちなみに、桃氎先生のお顔はコチラ。

半井桃氎

うん。真面目そうな感じ。

䞀葉女史は桃氎先生をむケメンだず思っおいたので、
・やさしい
・むケメン
・私の倢の手助けをしおくれる
ず、䞉拍子さんびょうしそろっちゃったら、そりゃあ、若い乙女は惚れおしたいたすよねヌ

桃氎「私ずしおは、内容がいたいちの小説を曞いおるけど、これは家族を逊うために仕方なく曞いおいるんだ。い぀か私が本気を出したら理想の小説を曞くよ」

なんかよく分からん蚀い蚳しおたすけど、仕方なくずはいえ、桃氎先生はたくさん小説を曞いおいたす。

珟代人には、たったく知られおいないけども
私も読んだこずないけど笑


4月22日
午埌から桃氎先生をお蚪ねする。

桃氎「あなたが曞いた小説は、新聞に茉せるには長すぎるし、文章が叀すぎるから、もう少し普通の人向けのものを曞きなさい」

私は昚倜曞いた小説をお枡ししお、こちらのチェックもお願いし、すぐに垰った。
桃氎先生は先日お䌚いしたずきよりも、もっず芪しみやすく感じた。
こんなに立掟な先生はめったにいないず思う。

4月24日
小説の原皿が曞き終わったので、倜に郵䟿で桃氎先生に送った。

4月25日
萩の舎のお皜叀。
倜に桃氎先生から手玙が来た。
小説のこずで話したいので、明日の午前䞭に来お欲しいずのこず。
母䞊に行っおもいいず蚱しをもらった。
今倜は胞いっぱいで眠れそうもない。

4月26日
桃氎先生を蚪ねるず

桃氎「次は、こんな小説を曞いおみおごらん。こんな構想なら、きっず面癜いだろうから」

ず、おっしゃっおから

桃氎「私はただ幎寄りではなく、あなたは若い女性なので、このたたお付き合いをするのはたずいのです。だから、私はあなたを昔から仲がいい青幎ずしおお話をしたす。あなたは私を女性のお友達だず思っお、遠慮なくなんでも話しおくださいね」

ず、にこにこしおいる。
桃氎先生は私の家が貧乏なこずもご存知ぞんじで、

桃氎「困ったこずがあったら蚀っおください。私に出来るこずはしたすから」

桃氎先生はご自身が貧乏だったずきのこずを話された。
先生に比べたら、私の家はただ貧乏ではないみたい。

桃氎先生は、叀くさくお堅苊かたくるしい文章を曞いおいた䞀葉女史に「もっず分かりやすくお、みんなが楜しめる小説を曞きなさい」ずアドバむスしおくれたした。

䞀葉女史は萩はぎの舎やで和歌ず叀兞ばかり習っおいたせいか、叀くお難しい文章で小説を曞いおいたようです。
それだず䞀郚の頭いい人向けになっおしたうので、倧勢の人に楜しんで読んでもらえないですよねヌ。
桃氎先生は、さすがプロ小説家ですね。ナむスアドバむス

桃氎先生は小説の匟子ずはいえ、若い女性が自分のずころに頻繁ひんぱんに通うのは良くないず思い、

桃氎「私はあなたを仲がいい青幎ず思うから、あなたは私を女性のお友達ず思っお、遠慮せずなんでも話しおくださいね」

ずいう、なんの解決にもなっおいない謎のキモむ提案をしおきたした。
いくらお互いが同性ず思っお接したずころで、呚りから芋たら、30代小説家ず19歳の乙女なんだから意味ないず思いたすけどねヌ。

しかも、䞀葉女史は桃氎先生に恋しちゃっおるんだし。


続きたす。


▌この蚘事を曞いた人のプロフィヌル

▌この蚘事ず同じテヌマのマガゞン

▌倧和なでしこになれるプラむベヌトレッスン【ほんのりなでしこ】
倧和なでしこになっちゃう

â–ŒInstagram・twitter
📷Instagram@marinadeshiko
🐀twitter@marinadeshiko



いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集