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「生きているんだよ僕たちは」~東京~

幾千の光が差し込む街、東京
何万通りの絶望が漂う街、東京


希望と不安が入り混じったため息が蔓延している
朝も昼も夜もいつだって僕らは独りぼっちで生きている


同じ心も同じ祈りもありゃしない
だけど似通った絶望を持ち合わせて僕らネオンライトの下で笑う
強がりの意気地なしの天邪鬼、自分を捨てきれない欲望


部屋の窓から差し込む朝日にどうか明日は目が覚めないようにと強く願う
祈りは誰にも届くはずがない、それでいいんだ


全ての現象には何万個以上、数えきれない程のパーツがある
その一つを落としたり拾ったり曲げてみたり壊したりする
人生はそのパーツを寄せ集めて自分の中に溜め込んだものだ


断言なんかしたくないし指導者になんかなりたくはない
上も下も同じことで右も左も廻り回って結局は同じ場所に辿り着く
辿り着いたその場所で僕らはきっと腑抜けた表情をしながら遠慮がちに笑う
それは絶望でも喜びでもない、その中間地点の谷の中
山も谷も同じこと、どちらも逆側から見れば同じこと、同じ現象


真実なんてつまらないから僕はいつだって逃げている
最大限のスピードをだしてこの世の中を駆け回って息が切れても走ってる
擦り減った靴は勲章ではなく自分自身そのものじゃないかと思う
新しい靴は欲しくはないさ、どうせまた繰り返す


僕ら人間命は一つ。心は空中に分解してふわふわと浮いている
特段美しいものではない、幾千の気持ちがこの街には浮いたまま還らない


生きなおしてみたいと思っていた僕は若かった、若すぎたんだ
青ければいいと言われたけれど、青いままで生きるには
何か大切なものを捨てなきゃいけないんだよ。
それも、命を損なってしまってもおかしくもない大切な何かを無造作に
捨てるんだ、捨てるんだよ、何の後悔もないみたいに


無条件に生きたいと思うのは人間の性なのでしょう
劣情に圧倒されて己自信を罵倒した時に感じる熱い感情は冷めやしない


生きているんだよ僕たちは


東京


最後まで読んで下さってありがとうございました。
今日が良い一日になりますように。


まりな


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