マグカップのなかの宇宙
「そんなの、宇宙から見たらどうでもいいことでしょ?」それが彼女の口ぐせだった。
僕がいつものように酒に呑まれた日のこと。どうしてあんなに酔っ払ってしまったのかはもう忘れた。きっと、なにか悲しいこととか、辛いこととかがあったのかもしれない。同僚といつもの居酒屋に飲みに来て、中ジョッキ三杯でフラフラしながら辿りついたトイレで、僕は彼女に出会った。
彼女は、白いワンピースに黒髪ロングでトイレにかぶさって、リアル貞子みたいだった。鍵がかかっていない男女共用トイレでその光景を見たと