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【介護】現場介護vs運営側スーツマン

他(多)職種連携

介護職の方は一度は聞いたことがあるであろう、「他(多)職種連携」。

色々な職種の人が情報を共有して協力して、利用者様、ご入居者様を支えていく、というイメージ。

介護現場では、介護職だけでなく様々な職種の人が働いている。

色々な職種の人が1人の利用者様を見ていく。
職種が違えば、知識や資格も違うから、色々な角度から問題や課題を解消していくことができたりする。

この他職種連携がうまく行けば良いのだが、
時折、うまく機能しなくなることがある。

今回は有料老人ホームの時のお話。
⚪︎施設内
〈事務所〉
・ホーム長→売上管理等
・理学療法士→個別リハビリ、介護士へ介助引継
・看護師→ラウンド、薬のセット、往診医引継
・受付事務(パート)→来訪者対応、発注義務等
・ケアマネジャー(介護職と兼務)
→兼務の為、週1のみケアマネ義務

⚪︎本社系のスーツマン
・エリアマネージャー→月数回事務所に来る
・エリマネの秘書→エリマネと同じ
・営業担当→施設見学のお客様の予約がある時に案内係としてくる。

基本、
現場を走り回っている介護士
vs
事務所にいる組
vs
たまに来る本社組

わかり合えない率が高い。
私は介護士なので、介護士視点強めで話してしまうことをご了承頂きたく。

現場の介護士 vs 現場の看護師

ここからは実際にどんなことが起きたのか。
まずは、介護士がご入居者様の体調の報告、連絡、相談をする看護師さんとの関係。

⚫︎介護士vs看護師

〈介護士側から見た看護師〉
介護士がご入居様の体調で報告をした時、

1)すぐに対応してくれる人、
2)基本事務所でPCをして動いてくれない人

・前者
2人介助で移乗の時、食事介助など介護士の仕事を手伝ってくれたり、全体を見て行動してくださる。
医療的目線からアドバイスをくれたり、ご入居者様の話し相手もしたりしている。
ご入居者様へのラウンドも大切にしてくれているから、名前を覚えられていて慕われている。
ご入居者様にも介護士にも寄り添ってくれている。

・後者
発熱や怪我を報告してもすぐに動いてくれず。
ご入居者様が、
「早くしてよ、ちゃんと看護師さんに報告したの💢?」と現場の介護士が疑われる。
ご入居者様への下剤の量を気分で決めている。
怖い。怖いから大したことのないことは報告しづらい雰囲気がある。
介護士を下に見下した発言をする。

⚫︎看護師さん側からみた介護士
看護師に報告が必要なのに報告をしない介護士。
コミュニケーションが苦手な介護士。
よく気づく介護士。
何にも気づかない介護士。
介護士の観察力はビビるくらいに差がある。
自分の責任ではないのに、介護士からの報告が遅れた為に往診医との間に挟まれてしまったり。
介護士は人数が多いから、その人その人の性格に合わせて対応するのは大変だし、さぞかしイライラしたことだろう。

ちなみに、失礼ながらよく「看護師さんの女性は気が強い人が多い」、って聞いたことがあるんだけど、私が出会った看護師さんは半々だったかなぁ。
結局は気が強くても、ご入居者様に寄り添ってくれる人は強い中にも優しさを感じたし。
「ここは看護の仕事、ここからは介護の仕事」と完全に分けてる人も当たり前にいる。

ホームの看護師さんの入れ替わりは激し目だった。
それで派遣ナースさんが日替わりで来たりして、男性看護師さんも結構来るんだけど、なぜだか男性看護師さんは100%優しかったのを覚えている。

現場の介護士vs 管理者&スーツ組

〈介護士vs管理者〉
・介護士から見た管理者
シフト業務に入ったことがないのに、業務改善にアドバイスをしてくる。
早番、日勤、遅番、夜勤がどう動いているのかを知らない為、忙しく介助をしている時に事務所に呼び出ししたりする。

〈介護士⇔本社の人〉
特に介護士から苦手とされていた本社営業の方。

施設への入居を考えている方、ご家族様から見学の申し込みがあった時にだけ、ホームに来る。

普段、ホームの生活を知らないのだが、仕事なので見学者に全てを知っているかのように説明する。

1番びっくりしたことが。
現場では毎日、レクの時間に折り紙や塗り絵をはしたり、クリスマスイベントの時は貼り絵でツリーを作ったりする。
ご入居者様も率先してすごく楽しんでやってくださり、ホーム内で作品を掲示している。
ご家族様が来訪された時に、その作品を見てホーム内での生活が垣間見られ喜ばれる。

それなのに、本社営業はなぜかこう言う。
「こんなの早く撤去してよ」

うん?「こんなの」って言い方。。
ご入居者様が一生懸命作った作品を。。。

「ここは幼稚園じゃないんだから」
「ここは、お高いお金を出して頂いているのだから、高級感あふれる空間を作って」

ご入居者様、みんな笑顔で楽しそうに作品作っていたんだけど、そういうプロセスをスルーされた感が現場としては悲しかったなぁ。。

それぞれ立場は違えど与えられた職務がある

結局は立場が違う。
与えられた仕事が違うから、本当しょうがない。

介護士、
目の前にいるご入居者様のこと、お相手も人間なので臨機応変に対応せねばならず、人手もギリギリで走り回っている。
マニュアル通りにはいかない1日の流れ。
休憩もとれないことがあるのを、管理者は同じ施設にいながら把握しているのだろうか。

管理者、
何かあれば責任を取らなければいけない重大な立場だし、株式会社である以上は売上、稼働率を上げて利益を生み出さなければならない。

看護師、
ご入居者様の体調の変化に常に気を張っていなければならないし、私の職場ではオンコール対応もある。夜中に起こされたり、急遽駆けつけたりも。

本社の人達
営業さんも契約を取らないと成績にならない。
お客様をお出迎えするからには、環境整備は完璧にしてほしいだろうし、そのために言いたくないことも現場に伝えてくれているのだと思う。

与えられた職務を、みんなが一生懸命こなしているだけ。

どの職業でも、どの業界でも、結局は同じで、
伝え方を工夫したり、相手の状況を考えてくれるだけで気遣いは伝わり、スムーズに関係が作れたりする。

でも、この世界はご入居者様はお客様。
ご入居者様があってのホーム。
だからこそ、本社の人も管理者も一度で良いから、現場の仕事を経験してみてほしいと思っている。

そう、結局は、
「現場の忙しさをわかってほしい」って話です。





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marimo
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