父と私の関係

うちの父は今で言うパワハラ夫で、自分の機嫌を他人に取らせるタイプだったので、大嫌いだったわけだが、母の認知症がきっかけで、良く話をするようになった。
私が大人になり、父が年老いたので、話が対等に出来るようになったし、立場的にも父が私に頼る形になったので、今まで距離があったのが噓のように自然に話ができている。
とはいえ、父も歳を取ってだいぶ丸くなったたが、別人になったわけではないので、たまにイライラしだす。父がイライラしたら、こっちも強めに言い返す。子どもの頃は父がイライラし出すと、ただただ怖くて萎縮していたけど、今は負けてない。
しかし、認知症になったのが母で良かった。父が認知症になって母が介護するのは、体力的に無理だったと思うし、パワハラ夫に耐えてきて、最後に介護までするのはかわいそう過ぎる。
父に話をきくと、老々介護はかなり大変だったようだが、私は父が最後に母の面倒をみることになって良かったと思う。父に「反対じゃなくて良かったね」と言ったら、そうだね、と言っていた。そうだよ、お父さん。最後にお母さんに恩返しできて良かったよ。
母がブチ切れて、「私のせいなの!」と父に物を投げつけまくって、父が土下座して謝ったらしい。その話をきいて私は、母は認知症になってやっと父に反撃できたんだな、良かったね、と思った。いつも父に怒鳴られて泣いていたもんね。そのくらいのこと、していいんだよ、お母さん。

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