11.「令和の白拍子」 宝塚音楽学校へ〜殺気立つ高校時代(1年生 前編)
「令和の白拍子」こと、花柳まり草(はなやぎまりくさ)こと、まりちゃんです。
さてさて、お待たせいたしました。
11本目の記事でございます。
まり草の宝塚受験生時代、「高校生編」に突入いたします!
「続きが気になる」というお声をたくさん頂きまして本当に嬉しい限りです。
心より感謝申し上げます。
ありがとうございます!
高校生になってから宝塚音楽学校を受験し、1回目は不合格。
本当は高校三年生まで受験資格があるのですが、自分の中では「ラストチャンス」と思って臨んだ高校二年生の終わりに、なんとか合格を果たしました。
そんな高校時代の二年間を一言で言うならば、「まりちゃんは常に殺気立っていた」という表現がもっとも適切な気がします。
目はデフォルトで三白眼!!!
沢山の方にご心配とご迷惑をおかけしまくった高校時代編!!!
どうぞお付き合いくださいませ!!!!
■「音痴」と言われた育った幼少時代
中学三年生の時、先輩ではありましたが同い年だった「なっちゃん」が宝塚音楽学校に合格し、完全に打ちのめされていたまりちゃん。
自分の惨めさをひしひしと感じながらも、とにかく頑張るしかない!とレッスンに日々通っておりました。
その成果もあり、高校生になるとバレエの方はようやく分かることが少しずつ増え始め、楽しくてたまりませんでした。
が、私にはかなりまずい、幼少期からのネックがありました。
それは
「歌うことが、苦痛」
ということです。
…いやぁ、もう、致命的ですよね。
そんな思いがあるのに宝塚を受験しようと思ったなんて、自分でも自分がよく分かりません。
逆にすごいメンタル。
人様が歌っているのを聞くのは大好きなのですが、いざ自分が歌うとなると、苦しいし恥ずかしいし、穴でもあったら入りたくなってしまうのです。
私は小さい頃から「音痴」と言われて育ちました。
私の祖母も母も、なぜか歌う事に対する苦手意識がありました。
二人にしてみれば「私たち二人とも歌が苦手だから、遺伝的に繋がっているまりちゃんも、きっと歌が苦手に違いない」という認識があった様です。
しかぁぁぁぁぁぁし!!!!
言わせて頂きますが、これって、超絶迷惑な話ですよね!
なんだ、その手前勝手な理論は!!!(激おこ)
つまりこれは、無意識のうちに子供に「苦手意識」を刷り込んでいる訳ですよね。
やってみなければ分からない子供の未知の可能性を、親たちの思い込みによって潰しにかかっているのです。
そして、結果的に私は音楽に触れることを極端に嫌がり、宝塚と出会うまではまともな音楽教育を受けようとしないまま、見事な「音痴」に育ちました笑。
物事を人のせいにするのは大嫌いな私なので、この結果を家族のせいにはしたくはないのですが、この「自分は音痴なんだ」「歌が下手なんだ」という自己認識の呪縛はかなり長い間解くことが出来ませんでした。
幼少期の恨み辛みを吐露してしまいましたが、もちろん、高校一年生の時の私も「私は歌が苦手だ、歌う事は苦痛だ」という認識で頭がいっぱいでした。
そんな時、それまでとてもお世話になっていた声楽の先生が体調を崩され、ご紹介された先生のもとにお稽古に通わせて頂く事になりました。
新しい声楽の先生…關根恵理子先生と、まりちゃんは運命の出会いを果たしたのです。
■新しい出会い〜歌姫の恩師
關根恵理子先生とはじめてお会いした日のこと、また、はじめてお稽古場にお伺いした日のことを、今でも私は鮮明に覚えています。
初めてお目にかかったのは、バレエ教室。
長い黒髪と、ぱっちりとされた目が印象的な、とても美しい先生だと思いました。
改めてご挨拶に伺った時、とても落ち着いた空気の流れる素敵なお稽古場に驚き、すぐにその空間が大好きになりました。
大きいピアノ、沢山のロイヤルコペンハーゲンの陶器、スワロフスキーのキラキラした飾りたち。
それら全てが、とても大事に飾られていました。
主演されたオペラ公演の写真を見せて下さったり、おいしい紅茶を淹れて下さったりして、同行してくれた母も交えて三人で楽しくお話をさせて頂いたことを覚えています。
先生には、「褒められて木にホイホイ登る」ということ、「歌うことを苦痛に思っている」ということ、そして「一つのことに熱中すると脇目もふらない(ふれない)」こと、そして「神経が昂りやすい」ことを一発で見抜かれました笑(もちろん、バレエの恩師にも見抜かれています)。
人見知りで、人様と打ち解けることが苦手な私ではありましたが、我ながら驚くスピードで恵理子先生には心をひらきました。
お稽古の前に、先生はいつも美味しいお茶を振る舞ってくださいました。
そして、まりちゃんはというとバレエ教室でライバルたちを目の前にして感じる悩み、受験に対する悩み、学校での悩み、大好きなスターさんのことや楽しかったこと…そんな取り止めのない交々のことを、いつも先生にお話ししていました。
先生は、そんな私の気持ちを受け止めていつも耳を傾けてくださいました。
心が開くと、声も開く。
大分あとになってから、ふと先生がそんなことをおっしゃいました。
お茶タイムは、先生が私の心をケアして、しっかりお稽古ができる様に導いていて下さっていた時間…いつもピリピリしていた当時の私にとって、とても大切な時間でした。
愛情深い先生のお陰で、徐々にではありますが「歌うことへの苦痛」は和らいでいきました。
音痴でも下手くそでも、「もっと歌いたい」と思える様になりました。
本当に感謝しています。
ちなみに…そんな大好きな先生のところには、今もお稽古に通っています。
■新しい出会い〜「最強の受験生」
この頃の私を大きく変えた出会いがもう一つ。
高校の時から一緒にお稽古をする様になった、ライバルであり戦友でもある「受験生の仲間」です。
私を含めて五人のチーム…後々、バレエの恩師である朝比奈先生に「最強の受験生たち」と言われるチームです。
この大切な仲間についてのエピソードは、次回からたっぷりとお話ししたいと思います!
そして、16歳のまりちゃんは盛り沢山でして、ついに「初恋」も経験してしまうのでしす!!!!
ということで、本日はこれ切り…。
是非、次回も逢いにいらしてください♪
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