12.「令和の白拍子」 宝塚音楽学校へ〜殺気立つ高校時代(1年生 後編)
「令和の白拍子」こと、花柳まり草(はなやぎまりくさ)こと、まりちゃんです。
こちらで12本目の記事となりました。
前回から「高校生編」に突入しておりますが、どうして「私は常に殺気立っているのか」という理由にあまり触れることなく、恩師との心温まるエピソードをご紹介する回となりました。
ちなみに、常に殺気立っていた大きな理由として
が挙げられるかと思います。
ここら辺についても、「やらかしエピソード」と共においおい掘り下げたいところであります。
そんなまりちゃんではございますが、前回の恩師もしかり、人様との出会いの中で様々なことを学ばせて頂き、今に至ります。
■「最強の受験生」
この頃の私を大きく変えた人たち。
それが、ライバルであり戦友でもある「四人の受験生」です。
中学高校生女子たちにとって、「学年ヒエラルキー」って結構大きいと思うのです。
あの時代の1歳差とか2歳差って凄く開きがある。
特に「中学生」と「高校生」の間には大きな川が流れている様に感じていました。
そんな訳で、中学生の時は、高校生の先輩方は手が届かないお姉さんに感じてきました。
しかし、今度は自分がその「高校生」。
それまで受験生の中心となって引っ張ってくれ、まりちゃんが頼っていた大好きなお姉さんたちは、どんどん受験生を卒業されてしまいました。
今までお姉さんたちの影に隠れて踊っていたのに、高校生になった途端、私が踊る場所は「真ん中」。
時の流れと共に、バレエスタジオの空気は大幅に変わってしまいました。
「受験生」と括られる集団の中で、中心人物になってくる…。
私は、「世代交代」という言葉を身をもって感じました。
また、「なっちゃん」というライバルに先を越されたこともあり、「頑張らねば!」と必要以上に目を釣り上げながら踊る様になりました。
そんな時、共に受験生の中心を固める様になっていったのが、同世代の「あやこ、あいちゃん、ひでこ、おじょう」の4人でした。
この4人で切磋琢磨した時間は、私にとって本当にかけがえのないものです。
面白い事に、個性が見事にバラバラでした。
この五人組…どれだけ個性がバラバラだったかを分かるエピソードをひとつ。
私が高校二年生の時の話になりますが、発表会で「眠りの森の美女」の妖精たちを受験生で踊る事になりました。
「リラの精」というボス妖精に付随してやってくる、五人の妖精たち。
彼女たちはそれぞれに
という特性を備えています。
先生は、まず全てのバリエーションをみんなにお稽古させ、それから配役を決めて下さいました。
それが見事に、5人の個性と踊り方にピッタリでした。
①優しさ(ピンク)→私
ゆったりとした曲。なのに足をあげる振りが多い。
キープ力が問われる。
まりちゃん自身、性格的に優しい訳ではないですが、アダージオの踊りは好きでした。
②元気(水色)→おじょー
闊達な振り。キレッキレ。
最後にめっちゃくるくる回る。
回転が得意なおじょうは楽々と回っていて、軸が全くブレないのが凄かったし羨ましかったです。
おじょーは一見ホワホワっとしてるけど、自分の好きな事に対してのテンションの掛け方がすごくて、自分の世界をしっかり持ってる人。
落ち着いてブレない姿勢が、年下ながらカッコいい。
③鷹揚(オレンジ)→あいちゃん
ひだまりの様な曲。
あいちゃんの優しくてかつ明るい雰囲気にぴったりだなと思いました。
踊っている時の醸し出されるあったかい空気感が大好きでした。
でも芯はすごく強いものがあって…。
普段もやんわりと癒し系なのに、すごく冷静に色んなことを分析し、スパッと指摘してくれて、すごく頼もしい存在!!
④カナリア(黄色)→ひでこ
ピヨピヨしている。とても軽やかで華やかな踊り。
手振りが独特で、常に囀っているます。
ひでこにしか出せない、チャーミングさ満載でした。グループの中でも癒しキャラのひでこは誰からも愛されていました。
あなた、かわいいんだよぉ!
⑤勇気(赤)→あやこ
強め系女子。めっちゃかっこいい踊り。
あやこは細いし、筋肉の付き方も綺麗。
ピタッと形が決まる時、すごく格好よかったです。
普段も明るくてキリッとしたお姉さんで、私は内心すごく頼っていました。
めっちゃポジティブだし!
…とこの様に「なんとかレンジャー」みたいな私たちでした。
バラバラであるが故にお互いを尊重し合い、バラバラであるが故にめちゃくちゃ仲良しでした。
■みんなで渡れば怖くない
今までの受験生の方々と私たちが違うところがあるとすれば、この「チーム感」と「結束力」。
「All for one , One for all」みたいな。
もちろん、個人プレーも頑張るのですが、みんなで支え合いながらダイエットもレッスンもそれぞれの極限まで頑張っていた様に思います。
それに、お互いにたくさん話しをしました。
もちろん、受験生の中心になりたての頃はピヨピヨで弱っちかった私たちです。
それ以前の受験生のお姉さんたちに比べて、技術もないし、押し出しも弱かったし、やる気も表に見えにくかった。
先生もスタジオの皆様も、それまでの先輩方との違いに「どうなる事か」と思われた事でしょう。
私たちもそんな状態をよく分かっていました。
「自分たちなりに頑張っているのに」と愚痴を言いたくなったり、落ち込んでしまう時も沢山ありました。
でも、そんな時は必ず五人組の誰かが受け止めてくれました。
馬鹿みたいな話をして、みんなで笑い合いました。
私の目が釣り上がりすぎていると、「まりえ(あ、私の本名です)大丈夫?顔怖いよ?」と声をかけてくれました。
そして、最終的には「やったるぜ!」とみんなで気持ちを立て直していました。
もちろん、足の引っ張り合いなんて起ころうはずがありませんでした。
お稽古をしていくうちに技術も上がりますし、それに伴って私たちは少しずつ自信をつけていきました。
こうなれば、もう怖いものはありません。
人様とコミュニケーションを取るのが苦手な私にとって、ここまで心を開ける友人達ができたのは、正直、初めてでした。
色々なことがありましたが、恩師である朝比奈先生が、今でも私たちのことを「最高の受験生」と仰って下さるのは、私の誇りです。
■仲良し?五人組
それまで、友達の家に遊びに行ったり、ましてお泊りをするなんて滅多にしないで育った私ではありましたが、この五人組でお泊まり会をした事はよく覚えています。
ゲーム「ときめきメモリアル(女性版)」と「かまいたちの夜」をプレイしたこともすごく覚えています。
「ときめきメモリアル」は恋愛を成就させるゲームなのですが、ターゲットにした男性が私の好みのタイプではなかったこと、そして「かまいたちの夜」がめちゃくちゃ怖かったのですが、それがかなり自分好みの世界観でして、物凄くテンションが上がったことを覚えています。
毎週日曜日はたっぷりとバレエのお稽古がありましたが、レッスンの後、みんなでよくお茶をしました。
宝塚について大っぴらに語れる時間がとても楽しかったです。
悩みもよく話しましたし、「いかに向上するか」について熱く語り合っていた様な気がします。
ですが、最近になって「まりえは、よく『勉強があるから』とか言って先に帰っていた」と指摘されました。
…めっちゃ嫌な奴じゃないですか。
■16歳のまりちゃん、恋をする
高校一年生の時の忘れがたい出来事がもう一つあります。
そう、「初恋」。
それまで紫苑ゆう様、麻路さき様、白城あやか様、姿月あさと様、和央ようか様、真琴つばさ様と歴代の宝塚スター様に恋をしてきたまりちゃんでしたが…
16歳にして初めて、現実世界で春がやってきたのす!!!ウヒョヒョ〜!
実はこれ、仲良し五人組にも話していないことなんです。
当時は恥ずかしくて、とってもみんなに話せませんでした。ごめんね!(てへぺろ)
ですが、長くなってしまいましたのでこのお話は次回にたっぷりと!
ということで、本日はこれ切り…。
是非、次回も逢いにいらしてください♪
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