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13.「令和の白拍子」 宝塚音楽学校へ〜殺気立つ高校時代(初恋編1)

「令和の白拍子」こと、花柳まり草(はなやぎまりくさ)こと、まりちゃんです。

こちらで13本目の記事となりました。

今回は、皆様から「楽しみ!」と反響の大きかった私の初恋について書いていきたいと思います。

レッスンのことやらダイエットのことやらで常に殺気立っていた高校時代ではありますが、それとは対照的に「頭にお花が咲いてしまう」様な時間も僅かながらあったのでございます。

お相手のことや出会いについてはあまり詳しく書けませんので、ちょっとぼかしながらお話させて頂きますね。ご了承下さいませ!

それでは、「初恋編」参りましょう!

■ネコザメさん

その人の存在を初めて認識したのは、中学三年生の春でした。

ちょうど卒業式に向かって「答辞」を書いていた頃です。

その頃、答辞の文章を書くにあたり、私は色んな人のご意見を伺ったり、気になる点を指摘して頂こうと思いました。

彼も、そのために紹介していただいた方でした。

何度も書きましたが「宝塚受験生」としては劣等生だった私。

自分のプライドにかけても、学校から任された大役を「超質の良い状態」で果たしたかったのです。
そのためにも絶対良い文章を書きたかった。

彼…仮名を「ネコザメさん」としましょう…と最初に会った時の印象は、「へぇ、こんな人もいるんだなぁ。何だかお話ししていると面白いなぁ」でした。

一目惚れとか、「これぞ運命の人!ビビビ!」みたいに身体に電気が走ることもなく、至って普通に、真面目にお話をしただけでした。

その後も、文章に修正を加えたらご意見をお伺いして、毛筆で清書したものを見て頂いたりもしました。

しかし、何度か顔を合わせていうちに、中学生のまりちゃんは気がつきました。

「私は、次にこの人と逢えることを楽しみにしている」と。

舞い上がった気持ちはなく、不思議と超冷静にそう思っている自分を自覚しました。

とはいえ、それが恋愛感情なのか、頭の回転の速いお兄さんに対する尊敬なのか、単に好きな本や作家の話ができるのが楽しかったのか、そこら辺は有耶無耶でした。

そんな努力の甲斐あって、卒業式ではきちんと大役を果たすことができ、「高校に入っても腐らずに頑張ろう」と自尊心を取り戻すことができました。

ネコザメさんにもとっても感謝しました。

■綺麗な手

無事に高校生となった私は、それまでの御礼も兼ねてネコザメさんに会う事になりました。

短い間でしたがお世話になったこと、そして高校でも頑張りたいと思っていること…いつもの通り、そんな当たり障りないことをお話しました。

そして、ちょっと目線を下ろした時に、ネコザメさんの手が私の目に入ってきました。

その時に、ふと思ったんです。

「綺麗な手」

あれ…?
どうしたことでしょう。

急に、顔が熱くなる様な気がしたのです。

その手がとても綺麗で、触ったらヒヤッとしそうで、今までなんとも思っていなかったその手が、自分にとって劇的に特別なものに思えてしまったのです。

すごく恥ずかしいことを言います。

その手に触れたいと思いました。
そして、私にも触れて欲しいと思いました。

それまで宝塚スターの皆様を追っかけていた「宝塚バカ」のまりちゃんの中に、現実的に、温かい「何か」が芽生えたのでした。

■ネット世界で磨いた謎技術

急にお話は変わりますが、私が中学二年生の時、我が家に「Mac」がやってきました。

覚えている方はいらっしゃるでしょうか…。

めちゃくちゃ分厚くてコロンとしたフォルム、ツートンのスケルトンカラーが綺麗な、あのMacです。

私は「いんたーねっと」と「めーる」という新しい社会システムに感動し、当時はひたすら「ちゃっと」を使い、ネット上での交流を楽しんでいました。
もちろん、ちゃんと健全なやつですよ!!!!笑

面白い事に、ネット上でHNを使って話していても、文章からお相手の性質とか性格がよく分かるのです。

「こう立ち振る舞えば、私は相手にこう映るのか」という観点が生まれましたし、「顔の見えない相手の心を想像する」という現実世界でも役に立ちそうなスキルが磨かれた様な気がします。

なので、たまに自分も、とある役柄を演ずる様にお話しをしていたこともありました。(詐欺とか犯罪行為はしておりませんよ、何度も言いますが!)

という訳で、高校生の時の私もパソコンは持っていましたし、メールも使っていました。

実は、ネコザメさんともメールアドレスは交換してもらっていました。

顔を合わせる機会が無くなってしまったネコザメさん。

でも、僅かにつながっているその細い糸を切りたくなかった私は、中学二年生の頃からせっせとトレーニングしていたオタクスキルを、今こそ発動しようと思い立ちました。

用事はないけど、手紙を出す感覚で、ネコザメさんにメールを送る事に決めました。

■メールも、いくさ

さあ、あの綺麗な手に触れるための第一関門として、まずはお返事を貰わないといけません。

そのためにも…

どうしたら自分に興味を持って貰えるか。
私が相手に興味を持っている、ということを暗に伝えるにはどうしたら良いか。
相手と自分が共感できそうなことは何か。
「この子は自分ととても波長が合う」と相手に思ってもらうにはどうしたら良いか。

ということを考えました。

具体的に私がやったことは

まず、相手の送ってきていた文章・文体・内容の分析をします。

それをもとに「相手が、私に求めている役割を想像する」…つまり、「相手にとって、私はどういう存在でいて欲しいのか」を想像しました。

気分は、カメレオンです笑。

それを文字化するにあたり「自分の本能的直感」と「自分の肌感覚」(直感とは微妙に違うのですがうまく説明できない)を駆使して、相手に寄り添うような、警戒を解くような、境界線を緩めたくなるような…そんな一通のメールを作り上げることを意識しました。

もちろん、これら一連の作業はとても「楽しかった」です。

まさに一筆入魂。

試験の時はいつも「いくさ」だと思っていた私ですが、このメール作成も私にとっては「いくさ」でした。長いメールではなかったですが、私なりに、無い知恵を絞って書き上げたつもりです。

はたして、そんないくさメールに返事が来ました。

■逃しません

そこからは、蜘蛛よろしく、糸にかかった蝶々を逃すわけにはいきません。

慎重に、かつ、それと悟られない様にメールのやりとりを続けました。

…だんだん自分がめちゃくちゃ嫌な女に思えてきました笑。

レッスンの時とも勉強の時とも違う神経を使っている気が致しました。

でも、それだけネコザメさんに対して必死で体当たりだったと思うのです。

どうしても、ネコザメさんに自分を好きになってもらいたかったのです。

何度か口実を作って逢ってもらう事もありました。

その時間は楽しくて、本当にあっという間でした。

そしてついにこんなメールが来たのです。

「気をつけないと好きになってしまうからね」

…か、勝った!!!と思った瞬間でした。

お誕生日を迎えたまりちゃんは、16歳になっていました。

思ったよりも長くなってしまいそうな「初恋編」!

ということで、本日はこれ切り…。
是非、次回も逢いにいらしてください♪

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