肥満は遺伝?それとも...?小さなお子さまを持つ人にも読んでほしい記事。
頑張ってダイエットに励んでも痩せなくて。
思えばお父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも太ってるから、自分も痩せにくい肥満体質なんじゃないか...なんて思ってる人。
痩せない原因や太っている原因を、遺伝のせいにしてる人。
または、我が子が肥満。
痩せさせたいけど、家族みんながぽっちゃり体型。
遺伝だから仕方ないと思ってるママやパパもいるかもしれません。
肥満は遺伝するの?それとも他に原因があるの??を、まとめてみました。
肥満遺伝子ってあるの?
実は、肥満遺伝子というものが存在します。
●β3アドレナリン受容体 (β3AR)
●脱共役たんぱく質1 (UCP1)
●β2アドレナリン受容体 (β2AR)
などが「肥満遺伝子」と呼ばれているものです。
この肥満遺伝子たちが直接、脂肪を増やしてしまう!のではなく、これらはエネルギーの代謝に関係しています。
肥満遺伝子のせいでエネルギー代謝が低下することが、太ってしまう原因なのです。
代謝を低下させる遺伝子なんて、太りたくない私たちにとっては都合が悪いのに、なぜそんな遺伝子が存在するのか??
それは、私たち人類の起源と進化に起因しています。
約400万年前に初期の人類として誕生したアウストラロピテクスの時代から現代までには、飢餓との長い長い戦いがありました。
飢餓状態のなかで、人類が命を守り生き延びて行くためには、
①少量の摂取エネルギーで長期間生存できる力が必要
↓
②そのために、エネルギー代謝を低下させるための遺伝子が必要になり、
↓
③人類が進化する中で、エネルギー代謝を低下させる遺伝子を持つようになった
そんな歴史から、私たちの体に肥満遺伝子が存在するようになったのです。
この遺伝子は親から子へと受け継がれ、現代の日本人では3~4人に1人の割合で存在すると言われています。
結論、肥満は遺伝するということです。
だから、おじいちゃんおばあちゃんから代々ぽっちゃり体型の家系だったり、頑張ってダイエットしてもなかなか痩せなかったりする人は、もしかしたらエネルギー代謝を低くさせる肥満遺伝子の持ち主なのかもしれません。
自分が肥満遺伝子を持っているかどうか、また持っていたらどうやって対策すればいいのか…は、別の記事にまとめてますので興味があれば読んでみてくださいね。
ですが。
遺伝以外にも、親から子に継承される肥満の原因があります。
そしてこの原因となるものは肥満だけでなく、病気のリスクや健康状態まで子どもに継承される可能性があります。
遺伝だけじゃない!子供の肥満の原因
肥満遺伝子は存在し、親から子へと受け継がれるということでしたが、原因はそれだけではありません。
子どもの肥満の原因、それは生活習慣(食生活)です。
ほとんどの場合、家族で同居していれば(昼食を除く場合もありますが)食事は同じ内容になります。
お父さんお母さんがハンバーグで子どもだけが八宝菜なんてことはないと思うし、お父さんお母さんが食後のデザートにアイスを食べる時は子どももアイスを食べると思います。
「性格は顔に現れる」と同じように「生活は体型に現れる」と言いますから、同じ食生活をしていれば体型が同化するのも当然。
太ってる親と同じ食生活をしている子どもも太るのは当然、ということです。
※余談ですが…
体型が似てる夫婦っていますよね、あれも同じだと思います。笑
大人は腹八分目ができても、未就学児はもちろん小学生や、育ち盛りの中学生に腹八分目なんて無理だから、親が食事の内容や習慣をきちんと正して管理しなければならないんです。
親が子どもの食事をきちんとコントロールしてあげることが大切ですね。
トマトが嫌いな人の子供はトマトが嫌いになる傾向があるように、食生活は継承される。
肥満が遺伝するのではなく、食生活が継承されるのです。
そして最後にもうひとつ。
親のせいで子どもが一生肥満になるリスクを高める原因をお伝えします。
脂肪細胞の数は一生減らない
人の体には必ず脂肪細胞という細胞があって、肥満の人は
●脂肪細胞のひとつひとつが大きい
●脂肪細胞の数が多い
の、どちらかです。
前者は、乱れた生活習慣によって太ってしまった人。
例えば、学生の頃は太ってなかったのに働き始めたら太ってしまったとか、
若い頃に比べたら代謝が落ちて太りやすくなった人、など。
自分の持ってる脂肪細胞が、生活習慣によって肥大することが原因で太るタイプです。
後者は、成長期に脂肪細胞が増えすぎて、脂肪細胞の数が他の人より多いから太りやすいというタイプです。
この脂肪細胞が増える成長期というのは、生まれてからほぼ5歳頃までと言われています。
そして一度増えるともう二度と減ることはありません。
だから、幼少期に肥満だった人は大人になっていくらダイエットを頑張っても、脂肪細胞を小さくすることはできても数を減らすことはできない=痩せにくいということです。
親が良かれと思ってあれもこれも子どもに好きなだけ食べさせることは、子どもに、将来もう二度と減らすことができない脂肪細胞の数を増やすという行為。
怪我や病気のリスクを高めるという行為だってことを、知ってほしいと思います。
またこの記事が、なぜ自分がなかなか痩せないのかを知るヒントになればいいなと思います。
問題解決の第一歩は原因を知ること。
きちんと原因を知り、対策をしましょう。