砂と砂浜

砂はいやだった

なにか思うと

べつの
わりと遠くにいる砂も
それを思っている

なにか悲しいと

また遠くの
今度は陸に近いところにいる砂が
泣いている

浮かれていたらいたで

波打ち際の砂たちが
飛び跳ねている
波にくすぐられて

じぶんが悲しいから
あの砂が悲しいのか

あの砂が悲しいから
じぶんが悲しいのか

じぶんともあの砂ともちがう砂が
悲しいのか

嬉しいのか

退屈なのか

愉快なのか


空を見上げると

雲が

わたしもそんなようなものです

と言った


砂は砂たちにうずもれて
昼寝した

一粒で
砂浜で

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