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空に 大きな魚が泳いでいるよ あなたがこっちへ来た 一年後 畑に にんじんの葉の海ができて…
あ! あ! あ! と指差すあちこち 木 幹 葉っぱ ベンチ 犬 犬 クリスマスツリー 自転車 トラ…
わたしは日々を塗りつぶしていた 文字通り、色で 色鉛筆の缶を開け、どの色で塗りつぶすか決…
「初めてお会いした気がしないんですが」 「ええ、わたしもです」 「もしかして、川の…」 …
ブリキの車はキッチンの壁を上ってゆく シールのヘリコプターは海の上に貼られてる くまのぬ…
部屋の本当の角っこが まったく使われずに 空いていることがあります 90°の角もあればゆがん…
窓のまんなかに雲がいた あの日見てた雲だよ と雲は言った あれから何度も形がなくなったんだけど たまたま今日こういう形になって きみのこと思い出したから 来てみたよ 雲は船の形をしていた あの日は椅子に座って眺めているだけだった わたしは三角の黄色い旗をつくって 舳先に立った
見えないけど きみの指先に よろこびのちょうちょ、 とまった
そのときドアが開きました 誰が入ってきたと思いますか ひとりは幼いわたしです 半ズボンのそ…
その帽子、すてきですね ありがとう。これは貰ったものです。100年くらい前に。 そのかばん…
家の外へ出て さっきまでいた部屋の窓を見てみると なんだかじぶんの住んでいる部屋じゃないよ…
眠るあなたが笑い 名前をつぶやいて それは わたしの名前だったので 彗星が落ちてきたように驚…
右のページに○ 左のページに○ めくる 右のページに○ 左のページに○ めくる つづける…
日当たりのよい椅子に四人のおばあさんが腰かけて編み物をしている 風が吹いてどんぐりがポタポタポタポタと落ちた 「落っこちるって、どうして上から下へ、落っこちるのかしらねえ」 と右端のおばあさんが青色の毛糸を編む手を止める 「ずっと昔から、毎日まいにち、そうよ」 と右から三番目のおばあさんが、黄色の毛糸を編む手を休めず、顔も上げずに言う 「わたしのいたところでは違ったのよ、ぷわぷわ浮かんでいるのよ、わたしも含めてね」 左端のおばあさんが桃色の編み目を数え直しながら言