わたしの発信が誰かの挑戦に繋がるのならば、わたしなりの #くらしきで暮らす を発信し続けたいと思う|2024.処暑・禾乃登
禾乃登(こくものすなわちみのる)
そういえば、8月の末に夜はクーラーなしで過ごせるようになったと言ったように思う。でもって、9月に入ってからは朝もだいぶ過ごしやすくなったように感じる。
我が家はクーラーの設定温度を28度にしているので、外気温が28度をこえたらクーラーを付けるようにしていて。8月の末は朝起きて着替えたらまずクーラーを付けていたけれども今日はついに午前中一度も付けなかった。
とはいえども、日中はまだまだ30度をこえる暑さで。
それで、市役所で一緒にお昼ご飯を食べていた友人に
「最近、朝晩過ごしやすくなったよね。ほら今朝なんか、26度だったし」
と言ったら
「26度だって充分夏日だよ。30度超えの真夏日に慣れちゃったから、ずいぶん涼しく感じるけれど」
と言われて閉口した。
たしかに倉敷は、まだまだ全然、夏だった。
とはいえども、コンビニにはさつまいも味のスイーツが並び、スーパーにはぶどうが並び……まずは味覚から、みんなが秋を切望している今日この頃。
わたしの発信が誰かの挑戦に繋がるのならば、情報を発信し続けたいと思う
倉敷市地域おこし協力隊として活動するわたしの受け入れ団体、一般社団法人はれとこで「高梁川流域ライター塾」というライター養成講座が始まった。
とはいえども、わたしの地域おこし協力隊としてのミッションはWEBを通じた生活者目線での情報発信と移住関連イベントへの協力なので、今回のライター養成講座も情報を発信するところまで関わらせていただいた。
わたしが携わったのは、以下の2つ。
〇地域おこし協力隊仲間が、高梁川流域ライター塾を受講してくれている。うれしい。
まずひとつ目は、倉敷市では市民の言葉で地域の活動を発信する媒体があるということ。それらを支援する仕組みや、伝える力を磨くためのお手伝いをする場があることは広く知られるべきだと思う。
実際わたしも、昨年度の高梁川流域ライター塾を受講して「倉敷とことこというメディアで書きたい!」「はれとこの人たちと一緒に活動がしたい!」と思って倉敷市への移住を決意した。
移住のきっかけに「転職」は充分すぎる理由のひとつなんじゃないかとも思うし。そんなこんなで、受講から一年後のわたしにとってこの高梁川流域ライター塾での学びは、地元メディアでライターとして活動するわたしの生活のほぼ全て、まさに生活のリアルになりつつある。
そんな話を地域おこし協力隊仲間に呟いてわたしのSNSで執筆した記事を紹介し続けていたら、ある日
「ねぇ。わたしもまりちゃんみたいに文章を書く活動に挑戦してみようと思うの」
と連絡をもらった。同じ岡山県内で、ちょうどYahoo!ニュースエキスパートの枠が空いていた地域ということもあり、そのメッセージから二日後に彼女は高梁川流域ライター塾に申し込んでくれた。
わたしの活動を「おもしろそう」と思ってもらえること、移住して移住先でコミュニティを広げていく手段のひとつとして「ライター」を視野に入れてくれたこと、すっごく嬉しい。彼女は人生経験も社会人経験も豊かなので、彼女の発信から学ぶことがたくさんありそうなので、ライターデビューを心待ちにしている。
〇聴覚障がい者が講演やセミナーを受講するって、わりとハードルが高いのですよ
それからもうひとつは、情報アクセシビリティの監修。
わたし自身聴覚障がい者だから感じることなのだけれども、障がいがあると気軽に講演やセミナーに参加できない。
というのも、大半の講演やセミナーは音声のみで進行される。しかしながら、わたしたちは機能的にその音声を聴きとることができないのだ。
もし私がきこえる人で、英語のセミナーを受けたいとしよう。それならば、英語の勉強をしてリスニングの練習を積めば、その努力次第で聴きとれるかもしれない。
でも、わたしたち聴覚障がい者はいくら努力をしても音声を聴きとることはできない。だから、文字なり手話なりの通訳が必要になって、この通訳にはとても時間とお金がかかるし、コーディネートをする人や通訳をする人、さまざまな人に携わってもらう必要がある。
今年の4月から障害者差別解消法なるものが改正して、一般の事業者にも合理的配慮の提供が義務化された。つまり、わたしたち聴覚障がい者が「こういう支援を受けたい」と要望したら、その事業者は相談に応じて互いに無理のない範囲内で支援を提供する必要が出てきた。
とはいえども、わたしのためにたくさんの人が動くことを考えるとめちゃくちゃ本気で学びたい分野でないと、講演やセミナーは受講できない。その講演やセミナーがどんなにつまらなくても、さすがに「ちょっと見てみて、やっぱり違ったからやめた」なんて言えないもの。
〇わたしが心から発信できるのは、もう一人のわたしに胸を張って紹介できるもの
だからこそ、わたしが発信したり登壇したりする講演やセミナーは少なくとも同じ聴覚障がい者にとって「ききとれるか」という不安はいったんおいておいて、「興味があるかどうか」というきこえる人と同じような判断基準で受講を悩んでもらいたい。
そんなこともあって、高梁川流域ライター塾はオンライン受講時にはzoomの自動字幕が生成され、アーカイブ動画にはすべて字幕を付けて配信することになった。もちろん、聴覚以外の背景をもつ人たちの「情報アクセシビリティ」も保障したい、できるよう活動している。
〇補聴器ユーザーが、高梁川流域ライター塾の受講申し込みをしてくれた。うれしい。
倉敷市の地域おこし協力隊として、倉敷とことこのライターとして、情報発信をはじめて10か月。まだ10か月のひよっこだけれども、もう10か月もかけてnoteも含めて100本近い記事を書いてみて、ひよっこながらに発信したい情報とそうでない情報というものが芽生え始めていているように思う。
だから、ある日InstagramのDMに
と届いた日には、やっぱり自信をもって紹介できる「高梁川流域ライター塾」を紹介した。その人はお問い合わせフォームから編集部に情報アクセシビリティ対応の依頼をしてくれて、その日のうちに編集部からその人への対応はどうしようかと相談のメッセージが届いて、結果受講申し込みをしてくださったとのこと。
こうやって、わたしの情報発信が誰かの挑戦に繋がるのならば。ちゃんと、自身をもって紹介できるものを、胸張って発信し続けて良かったと思う。
〇移住者、地域おこし協力隊、聴覚障がい者、ライター……どれもわたしを構成するもののひとつだから
高石真梨子という人間は、移住者で、地域おこし協力隊で、聴覚障がい者で、ライターで……いろんな「わたし」がある。
SNSという相手の顔が見えない媒体をツールとして活用する以上、その閲覧者はそれぞれの背景があって、それぞれのニーズに合う情報を選んでわたしの発信を見てくれているんじゃないかと思う。
移住定住推進室という「移住」を看板に掲げた部署から委嘱を受けているわけだから、どうしても結果としては「移住」に繋がる発信なのかを常に問われる。正直、倉敷市みたいな中核都市で、隣近所の人の顔も分からないような地域で暮らしていてわたしの発信が「移住」とか「定住」に繋がっているかどうかなんてわからない。
でも。こうやって、わたしが発信する発信のどれか一部はその対象としたい人たちにピンポイントで届いていることを実感してみた今。「移住」に関しても「移住前のわたし」に胸を張って発信できる情報を丁寧に紡ぎ続けていくことで誰かのきっかけになるだろう。
そんな予感が、今日も明日もわたしに「 #くらしきで暮らす 移住生活のリアル」を発信させ続けるんだろうとも思う。