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mariko nakamura
2020年4月29日 21:00
前回の続き最終審査を終え、スタジオに戻る。私の膝は緊張のあまり笑っていた。座るときにがくがくと震えていた。落ち着けと言わんばかりにスタジオの床はひんやりと冷たかった。しばらくしてふっと蜘蛛の糸が切れたかのように、ぴんと張っていた緊張の糸が切れた。基本的にあまり顔に出ないタイプだが、わたしだって緊張するときはする。オーディション会場に向かう道中、審査のタイミングで名前を呼ばれた瞬間、審査
2020年4月22日 07:35
前回の続きAKB48 9期研究生オーディション 最終審査、近くにたまたま座っていた子たちと雑談しながら自分の番を待つ。ギラギラしている子、制服姿の子、静かに待つ子、ぼーっと壁を見る子、千差万別。わたしは傍からはどんなふうに見えていたのだろか。しばらくして、わたしの番がまわってきた。名前を呼ばれた数名で審査が行われる別のスタジオに移動した。部屋に入り椅子に座る。真ん中にはマイク、そして
2020年4月13日 22:03
前回の続き最終審査当日。わたしは千葉から電車に乗り、ひとりで最終審査のあるスタジオに向かった。 駅から最終審査会場に向かう途中、お母さんと一緒に歩く女の子と出会った。「オーディションの会場ってどこですか?」「たぶん、こっちだと思います。」そんなやりとりをしただけ。後日談だが、永尾まりやちゃんからこのことを聞かされた「さくらんぼのリュックをしょった麻里子を見つけて、お母さん
2020年4月8日 21:08
前回の続き「以上の方、いまお名前を呼ばれたかたはここまでとなります。お疲れ様でした。」――――――――不合格だと悟っていたわたしは、その言葉を聞いて一瞬固まった。突然の出来事に、その一行を自分の中で複唱をした。うん、二次審査合格ってことだ・・・そうだよね。名前を呼ばれなかった・・・ということは、名前をいま呼ばれなかったわたしは不合格じゃなくて、最終審査に進んだってことだ・・
2020年4月3日 21:42
AKB48 9期研究生オーディション 二次審査当日。どんな服を着ていったかは覚えてはいない。化粧は施さずに「わたし」という素材そのもので挑んだ二次審査。(と、かっこつけてみたが、化粧を知らない芋くささ満点の高校一年生だっただけだ。)千葉から一人で電車に揺られ会場の最寄り駅に着く。可愛らしくキメている女の子を見るたびに「あっ、この子絶対一緒のオーディションだ」なんて思いながら、一人で会場
2020年4月1日 21:11
15歳、高校一年生。わたしは「AKB48 9期研究生オーディション」に書類を送った。15歳の私が夢見ていたのは「女優」AKB48に特別憧れていただけわけではない。AKB48のコンセプトは”夢への通過点”… だからいつか実を結べば…との願いで応募したのだ。何を書いたかはっきり覚えてはいないが、上半身、全身写真と一緒に特技にはモノマネと書いて応募した。(当時応募した写真だと思わしきものを見