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わたしはどんな子に映っていたのだろうか

前回の続き

AKB48 9期研究生オーディション 最終審査、近くにたまたま座っていた子たちと雑談しながら自分の番を待つ。ギラギラしている子、制服姿の子、静かに待つ子、ぼーっと壁を見る子、千差万別。わたしは傍からはどんなふうに見えていたのだろか。

しばらくして、わたしの番がまわってきた。名前を呼ばれた数名で審査が行われる別のスタジオに移動した。

部屋に入り椅子に座る。
真ん中にはマイク、そしてその向こう側には審査員。
ああ・・・これが最終審査の雰囲気・・・

秋元先生の姿を確認し、素人の私は心の中で「本物だ」とつぶやく。そして、最終審査ということを改めて認識した。

審査の内容は二次審査をなぞるようなものだった。
追加されたのは歌唱審査のみ。(だったはず)

目の前には秋元先生。「秋元先生から直接質問される子は合格なんだろうな。」とまた勝手に審査員をここでもしていた。ちなみに、わたしは秋元先生からの質問はなかった。

その代わりに他の審査員から
「プロフィールの特技にモノマネって書いてありますが、今この場で何か披露できますか?」と聞かれた。

アイドルのオーディションに特技モノマネって・・・といまは思う。しかも可愛らしく、わんちゃん♡、ねこちゃん♡のモノマネではない。二次審査で披露したのは「ウチで飼っているセキセイインコのピーちゃんのモノマネ」だ。誰が似ているとわかるのだろうか。知らない人に知らない人・・・どころか知らない動物のモノマネをするなんて、、、
とはいえ、二次審査はピーちゃんに助けてもらったので良しとしよう。

だが、ピーちゃんは封印した。最終審査なんだからもっとクオリティの高いモノマネを提供しなくてはならない!(アイドルのオーディションに対してどんな意識だ)

・・・

「クレヨンしんちゃんのひまわりのモノマネをします。」
「はい、ではどうぞ。」
「タッタッタッタッタッタ、タイヤァ~~~~~~」
「おお、ありがとうございます。」


クレヨンしんちゃんのひまわりのモノマネを披露し、わたしの最終審査は幕を閉じた。

これで正しかった、良かったんだ。うん。
だって、十八番を披露したんだもの。小学校のお楽しみ会で何度も披露し、ブラッシュアップしてきた賜物だから。と頭の中で唱えていたと思う。


お行儀よく座って、他の子の審査が終わるのを待つ。
心臓は強く鼓動を打ち続けていた。聞こえていたのは自分の鼓動だけ。


最終審査の合格発表は当日、このあとすぐだ。
あと数時間後には自分の人生が変わっているかもしれない。
15歳ながらにそんなことを感じていた。

素直に喜びます。単純にやる気がグーーンと出ます。だって人間だもの。というより、ページをスクロールしてここまで最後まで読んでくれてありがとうございます!