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フェルトセンスを表現する
最近、抽象画について、いくつか書いているうちに、抽象画が表現しているものはフェルトセンスなのかな、と思ったりしています。
フェルトセンスというは、感じられる意味というように訳されますが、漠然として言葉にならない、つまり、言葉として表現する前の身体に感じられる感覚や意味のことです。
身体に意識を向けることで、そこに聴いてみるかんじ。
フォーカシング指向心理療法というセラピーをつくった、ユージン・ジェンドリンがフェルトセンスについて多くのことを言及しています。
ジェンドリンは、セラピストとクライエントの面接の録音記録を分析し、カウンセリングが成功している事例とそうでない事例の違いを検討しました。セラピーを成功へもたらす要因は、セラピストの技能やカウンセリングの理論ではなく、クライエントがフェルトセンスに注意を向け、それに触れながら語ることだと言っています。
このような語りというのは、自己理解を進め、何らかの気づきをもたらしやすく、セラピーの効果を高めるとされています。
私がするセラピーでも、フェルトセンスを頼りに潜在意識に触れていきます。
そのときに、フェルトセンスに注意を向けることができやすい人と、できにくい人がいるというのは実感としてあります。
右脳型、左脳型なんていう表現もありますが、現代人はどうしても思考が働く方向に行きやすいようです。
身体はいま・ここにあるのに、思考をすると身体から離れていってしまうので、それが慢性的になると不具合が生じやすくなってきます。
マインドフルネスが流行っているというのも、こことつながってくる話ですね。
時折、身体の感覚に意識を向けてみることで、新しいセルフディスカバリー(自己発見)につながるように思います。