夫婦育児のチーム力強化に必要なのは「初動」と「報連相」
価値観も夫婦関係も子育て環境もそれぞれだが、最近この話をすると同僚や友人に「これ講演会開けるわ」と言われるので、講演会を開く前にnoteにまとめてみようと思う。(講演会は開けないし開かない)
さてタイトルの通り、
ここでは夫婦二人の育児で育児をする際のチーム力を強化するために個人的重要だと感じた「初動」と「報連相」という2つのポイントを紹介していきたい。
育児のチーム力とは、ここでは
「育児が心理的・物理的にも夫婦両輪でしっかり回る状態」を指している。
これは
「自分(=パパ/ママ)でないとできない育児タスク」が減り、たとえ明日どちらかが倒れても安定して育児が回る=盤石な体制という意味の強さと、
育児における不安や悩みを夫婦が互いに当事者として共有・解決できる=当事者意識の高いチーム力という意味の強さである。
個人的には、育児のしんどさは、物理的なワンオペだけでなく、心理的ワンオペにあると考えている。
これから出産を迎える夫婦、今まさに育児体制に課題を感じている夫婦、ひいてはいつか育児をしたいと考えているすべての人に、少しでも参考になればと思う。
育児は「初動」と「報連相」
結論、もうこれに尽きる。
きっかけは私が妊娠中、職場の先輩(男性・子1歳)から「育児参加ができてなくて奥さんの機嫌が悪いから家に帰りたくなくなる時がある」という話を聞いたとき。
「夫が帰りたくなくなる家にはしたくないな。なんでそうなった?」と失礼ながら根掘り葉掘り質問しまくったのだ。
曰く
なんと綺麗な負の連鎖。
ポイントと考察
①先輩と奥様の間に上下関係が生まれている
そう、もう最初から教える側・教わる側、いわば初動から上下関係関係がスタートしている。
女性は産後ほぼすぐ病院で、痛むお腹をさすりながら赤子の育児を始める。
ここで、退院までのたった数日ではあるが、育児のキャリアに差が生まれるのだ。
さらに、その後育休によって1日24時間赤子と接している女性と、1日6時間程度しか赤子と接することができない男性とで、ナレッジの積み上げ量が圧倒的に異なるため、その差は広がり、上下関係が染み付いていく。
(そしてそれは当然である。)
②情報共有がなくナレッジに差が生まれている
育休中、赤子と二人の生活の中で、育児課題を一人で乗り越えてきた奥様のナレッジは、先輩には共有されなかった。
午前中に一度昼寝ができると夜早めに寝かしつけられる、とか、あまり食べてくれないにんじんもすりつぶしてお焼きにすると食べてくれる、とか、そんな些細なナレッジだ。
些細だからこそ、奥様からしたら共有する必要性を感じなかったのかもしれないが、共有されない側(先輩)からすると、知らないことは質問すらできないのである。
いつしか、奥様が育児初期に解決した育児課題に先輩が出会う頃には、奥様から「未だにそんなこともわからないの?(こちとら大昔に解決済みよ)」と言われてしまう。
しかし、先輩を擁護しているわけではないが、知らないことは質問すらできないのである。
対策と結果
①対策:共通の師を設定、夫婦は生徒であり同期
「共通の敵を作る」ならぬ「共通の師」を設定することで、あくまで夫と私は生徒であり同期。スキル・ナレッジ共に同レベルでスタートするという認識を合わせた。
先に私が学ぶこと(ミルクの作り方、おむつの替え方など)は全て「今日看護師さんに教えてもらったんだけどね、」と伝えることで、看護師さんという共通の師のもとに私と夫は生徒であると意識づけた。
「お母さんに聞いたんだけどね」
「保育士さんに聞いたんだけどね」
「Twitterのママの投稿で知ったんだけどね」
女性が結果的に育休によって赤子に接している時間が長いだけで、そこに能力の差はないはず。
すると夫からも
「ちょっと違う方法調べてみたんだけどさ」
「会社の子どもがいる先輩に聞いてみたんだけどさ」
などと、当事者意識をもって自発的にナレッジを積み上げてくれるようになった。なんなら結果的に夫の方が有用なナレッジを持ってきてくれたことの方が多いかもしれない。
②対策:リアルタイム共有を徹底し、情報格差をなくす
(嫌な人は嫌かもしれないが)育休中は日中に起きた新たな出来事もリアルタイムでLINEで共有した。
仕事の関係上、夫はリアルタイムでは読めないこともあったかもしれないが、帰りの電車の中で目を通してくれたおかげで、帰宅時には同レベルの情報量がある状態に。なんなら帰宅した瞬間、「俺代わるから少し寝てきなよ」と言ってもらえちゃうのである。
実はこれ結果的に「仕事で疲れている旦那に帰宅時めっちゃ話しすぎちゃう問題」を防げたことも、夫婦関係にはよかったなと思う。
赤子の話は、別途、余裕がある日の酒の肴としてゆったり楽しめるのだ。
まとめ
お気づきの人も多いかもしれないが、今我が家が育児を両輪でガリガリ回せているのはこれらの対策の成果かどうかは、ぶっちゃけ比較していないからわからない。もともと夫の育児レベルが高かったのかもしれないし、もともとも夫婦の関係性ありきかもしれない。
ただし、先輩の事例をもとも私たちなりに試行錯誤し、上記のことを意識した結果、今は本当に夫婦の育児レベルを同等に保てているおかげで「最悪、どっちか一人いれば大丈夫」という状況が作れているのは事実である。
この「どっちか一人いれば大丈夫」という状態の効果は非常に大きい。
どっちか一人いれば大丈夫だから、
・育児関連の緊急対応がどっちでも問題ない
・たまの残業や飲み会、食事や遊びもお互いに調整しやすい
・二人いたらシンプルに一人の負担が半分になる。
ぜひ何かの参考にしていただければと思う。