アメリカ有機農場 滞在記① アメリカは田舎こそ裕福
コネチカット州は、ニューヨークのすぐとなりに位置する、小さな町が点在する地域。ここらへんの東海岸の州は「独立13州」と呼ばれている。イギリスからの入植が早くから進み、独立戦争で戦った地域だ。
私が滞在した町を車で走ると、そこらここらのでっかい家に星条旗がはためいている。しかも、星が50個のやつじゃなくて、13個きれいにまるく並んだ一番初期のやつが。「おれらが独立戦争を戦って、アメリカ合衆国を創ったんだぞ」という誇りなんだと、教えてもらった。「古き良きアメリカ」が生まれ、その伝統がきれいに残っている、そんな地域だった。
日本で生まれ育つと、お金持ちはみんな東京に集まっていてタワマンに住んでいて、田舎は衰退して空き家ばっか、みたいなイメージを持つけれど、アメリカは、特にこの東海岸は正反対だった。
もちろんマンハッタンに住んでいるお金持ちもいるけれど、「都市を抜け出して郊外にでっかい庭付きの豪邸建てて家族を持つ」ことが、アメリカにおける典型的な成功の像。だから、田舎にお金持ちがたくさんいる。私が滞在したリッジフィールドという小さな町も、田舎は田舎なんだけど、こりゃお手伝いさんいないと掃除が地獄だぞ、みたいな豪邸がボンボン並んでいる。車だってピカピカ。軽トラなんて農場の一台しかない。その一台だって薄汚れた白じゃなくて、おしゃれなワインレッドだったし。
それもそのはず。この町は近くに、世界トップレベルの量子コンピュータの研究を行っているIBMの本社と(後日見学させてもらった。その話はまた別で。)、日本ではあまり見ないコーラ大手のペプシの本社がある。そのせいで住民の3分の一がIBM研究員、もう三分の一がペプシ本社勤務みたいな構成になっている。そりゃお金持ってるよなあ〜。
日本の私が知っている田舎とは、色彩が違うのだ。色が鮮やか。建物の壁が白いからなのだろうか。樹木の種類が違うからだろうか。とにかく、これまで一度も日本を出たことのなかった私の目には、おしゃれなヨーロッパの高級住宅街のように映っていた。
そんな町の農場に2週間滞在した。朝9時から15時まで1時間のお昼休憩をはさんで働いて、週末はお休み。野菜だけじゃなくて、にわとりも、豚も、羊も育てている。家畜を守るでっかい犬も、勝手に住み着いている2匹の猫もいた。本当に楽しくて幸せな毎日だった。
そんな2週間を記録してみようと思う。私の人生を変えたあの日々を。
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