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【書籍紹介】問いのデザイン-創造的対話のファシリテーション

この記事は、デザイン女子部アドベントカレンダー2020 1日目の記事です。
「問いのでデザイン」を読み終えたのですが、何度も読んで隅々まで頭に入れたくなるようなとても濃い一冊だったので紹介したいと思います。

この本は、「問いのデザインとは何か?」から始まり、「課題のデザイン、つまり問題を捉える考え方」そして「ワークショップデザイン」について解説されています。ワークショップの中で重要なファシリテーションについても知りたいこと・迷いやすい部分が書かれています。
最後の章では事例が掲載されており、問いでイノベーションを起こすということがどういうことなのか理解を深めることができました。

問いをデザインする理由は?

タイトルを見て「問いをデザイン(設計)して、意見をよりたくさん出てくるようにするのかな」と思う方もいるかもしれません。
問いによって対話が生まれ、コミュニケーションを通してお互いの認識を確かめ合い、新しい関係性から新しい意味付け、アイデアが生まれることが書かれています。

認識によって問題の解釈が変わるので、本質を捉え、解くべき課題を定めることが大切です。親子の例を用いて分かりやすく書かれています。
「問いのデザイン」の必要性は仕事の中だけでなく、日常の中にも溢れており、Part1は日常生活における人間関係の構築にも役立つと言えます。

ワークショップデザイン

以下の言葉がしっくりきました。

ワークショップとは経験のプロセスをデザインすること(p.119)

アイディアのワークショップを何度か開催したことがありますが、プロセスを考えることに毎回頭を悩ませていました。
その時は、参加者の思考に揺さぶりをかけることばかり考えていました。「普段考えない視点で書きづらいかもしれませんが、少しでも浮かんだことを付箋に書いてください」と。これはこれで新しいアイデアが創出するかもしれないので一つのやり方としてアリですが、もっといろんなやり方ができるようになりたいと思っていました。
本には、ワークショップ の問いのデザインの手順が書かれており「これに則ってプロセスを考えたい。参加者の笑顔が見たい!」と強く思いました。詳しくは本を見てみてください♪

ファシリテーションの技法とファシリテーター

イベント主催する中で、ファシリテーションの役割を担うことがありました。本を読み、ネットで情報を収集し、実際の場でスキルのブラッシュアップを行ってきたため、あまり経験のない人よりも知識はあるという自負がありました。

いろんなところで「ファシリテーションに徹するために、今日はこういうことをします」「彼は参加者よりもファシリテーター向きだ」
そんな言葉を耳にする度に、自分のイメージしているファシリテーターとはズレがあることが多く、「人によってイメージするものが違いすぎる!?」とモヤモヤしていました。そのモヤモヤがこの本を読んでスッキリしました。

ファシリテーターは4タイプに分類できること、みなさんはご存知でしたか?
さらに、ファシリテーションの定義は、広義 / 狭義な意味があると書かれていました。どうやら私は、広義な意味の方でしか「ファシリテーション」と言ってはいけないと決めつけていたようです。
その他にも、「無知な領域でのファシリテーションは、難易度が高すぎるからそもそも無理なのでは?」などいろんなモヤモヤを抱えていたのですが、「こういう視点で進めればいいのね」と、眼から鱗でした。

「ファシリテーションの技術を磨き続けるために」の最後に、このような言葉で締め括られています。

問いのデザイナーとして、ファシリテーターとして、技術を磨き続けるプロセスそのものを是非楽しんでください。(p.238)

何事も自分が楽しむこと、楽しめることが大事ですよね!最後にとても大切な言葉が綴られており、改めて読んで良かった本だと思いました。