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いろんなことがつながったセミナーでした:MOA自然農法のお話

今日は師匠の声かけで開催されたMOA自然農法のセミナーでした。
私が借りている畑の近くの保育園の一室をお借りして、15人ほどが集まりました。
目から鱗のトピックがたくさんあって、今まで気になっていたことや、この一年、師匠に教えてもらったことが、いろいろとつながった感じがしています。
忘れないうちにここに書いておこうと思います。

①連作と種とりのススメ

資料に沿ってお話を聞きながら、目に飛び込んできたキーワードは「連作」。
え?これってやめた方がいいものじゃなかったの??と、むくむくと疑問がわいてきたのですが、お話が進むにつれて「なるほど!!」

例えばトマトは、原産地が雨の少ないところだから水を嫌うと言われているけれど、タネ(植物)はその土地に馴染んでいく。
その場所で3年も種とりをすると、水の多い日本なら、そこに馴染んでいって、他の野菜と同じように水やりしても大丈夫になるものですよ、というのです。

それはいわゆるF1の種ではできないわけですが、その土地にあったものを育てていくという一番大事なことなんだな、と。
植物のポテンシャル、その土地のポテンシャルを活かす方法でやれば、連作は障害ではなくむしろメリットになることだなんて・・・。
ちょっと衝撃が走るぐらいの考え方でした。

種とりのことは、大事なんじゃないかな、と思っていましたが、なんとなくしっくりこないものがあったのですが、「植物がその土地に馴染んでいく」という視点を知ると、その価値、必要性が急に理解できたのです。

連作については、実際にMOAの圃場では、何年も連作を続けて実験をしているというお話もありました。(ここももっと聞いてみたかった!)

②堆肥は、土を固くせずに根が伸びやすくするために使うもの:栄養素を補うものではない

そして次なる衝撃が根っこの話でした。
堆肥は窒素、リン酸、カリウムを補うというような考え方ではなく、土の力を引き出すために使うのだ、ということ。

いわゆる「肥料」を入れず、そして土の中の菌根菌のはたらきを活性化させて育てると、根っこが違うのだそうです。

自然農法:毛細根がもわもわ、びっしり生えてくる
慣行栽培:太くて短い根

化成肥料を入れるやり方だと、根っこは肥料に到達すれば良いのでピンポイントで伸びていき、そこで太い根っこになり、できるだけ効率的に栄養を吸収しようとするのだと。

一方で「肥料」を入れない場合は、細い根っこがたくさん伸びて(圃場実験ではキャベツで1Mも根っこが伸びているそう)、成長に必要な養分を得るので、根っこがはりやすい土にしてあげることが大事なんだそうです。

「根っこがはりやすい」のも、排水や土の質やいろんなことをよく観察する必要があるとのことですが、ともかく枠組みとしては、根っこがはりやすくする条件をなるべく整えてあげること。

そのうちの一つとして、畝間に落ち葉などの有機物を敷くという例がありました。土を裸にしないことはとてもやはりとても大事(おまけに草も抑えられる)なんだな、とこれは再認識。

土の上に有機物(落ち葉など)があると、その接地面で微生物が集まってくる。←これも実感でよくわかるのですが、この次です。
畝間にそういうところがあると、野菜の根は地中でそっちにまで伸びていくというのです。なるほど〜、なるほど〜!
師匠が言ってたのはこのことだったのか・・・。

畑で作業をしながら聞いていた時は、「そうなんだ」となんとなく聞いてしまっていたのですが、こうしていろんな話を整理しながら聞いてみると、これもまた急に納得してしまったわけです。

仲間づくり


と、ここまでが前半の内容で、後半もまた生えている雑草を観察して土の状態を知ることなど、いろいろ話題が盛りだくさんなのですが、今の私にとってはこの2点を知るために今日のお話があったような気がしています。

2時間近く通しでお話を聞き、その後、質問タイムがあったのですが、ここでもいろんな話題が出てきて、これもまた一つひとつ、とても参考になりました。
トピックだけ挙げてみると、元田んぼを借りて畑にしているのでその排水の方法を知りたい、ホームセンターで売っている腐葉土について(良いものを見分けるのは中の葉っぱが手で裂けるかどうか)、コンポスト、オーガニック給食、自然農法とは?などなど。

会場を提供してくださった保育園の園長先生が「こんなに盛り上がってるし、また続きを聞きたいですね」とおっしゃると、師匠から嬉しい発表が!
3ヶ月に一度ぐらいのペースでまた続けていって、そのうち実際の畑なんかも一緒に見にいくことも考えているというのです。
一同、拍手でした。

師匠は常々、「仲間づくりをしたい」とおっしゃっていたのですが、国の動きやオーガニック給食などの動きも踏まえ、そしてこの周辺にある程度の人が集う見込みがたったところで、実行されたようでした。

最後に

今日のお話に何度も出てきて、印象に残った言葉(フレーズ)を2つ。

①とにかく観察が大事
自然とともに、というなら土のこと、植物のこと、虫のこと、いろんなことを知らなきゃならないから「農はとても頭を使う」のだけれど、それを楽しむ付き合い方をすることが大事。

②「自然農法」をひろくとらえる
どんなやり方をしているかなどの点で差異にこだわるのではなく、土の力をいかす、適地適作(時期も含めて!)、自然観察や植物への愛情などを大事にする人たちとつながっていく大切さ(間口をひろくしていることへの批判も往々にしてあるけれど)。

すっかり長くなってしまいましたが、とても実りのある時間でした。
そこに集う方々ともまた一緒に活動していけるかなという予感もあり、これからが楽しみです。





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