
香りの害に困って、188に電話してみました。
先日、仕事帰りの電車で、近くの人の服が放つ香り(匂い)があまりにも強く、胃痛や吐き気に襲われました。
その人と同じ空間にいたのはせいぜい10分程度。しかし、電車を降りた後も匂いの影響は残り、体調不良で夕飯もほとんど食べられませんでした。
その日の体調によって香りから受ける影響は異なりますが、めまい、頭痛、息苦しさ、胃腸の不調、下痢など、症状は鼻や嗅覚の問題にとどまらず、全身に及びます。もはや「好き嫌い」の問題ではありません。
香りの影響は日常のあらゆる場面で生じます。たとえば、メルカリで買ったものに強い匂いが染み付いて使えないことは珍しくないですし、窓を開ければ近所の柔軟剤の香りが漂ってきます。「普通に息をする権利」はどこへ行ってしまったのでしょうか?
さらに、生産や流通の過程で、食品にも香りが移る(移香)ことがあり、洗剤の匂いがするうどんやパン、お餅など、食べ物でも困ることがあります。(過去投稿)
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以前は、「この人、香水きついよね」と感じることはあっても、鼻へのツンとした刺激と、せいぜい頭痛が起こる程度でした。一時的に辛くても、その人から離れれば、匂いからも離れられました。
ところが、最近の香り製品は、「企業努力」によって、香りが長く持続するように設計されており、一度ついた香りはなかなか消えません。逃げ場がないのです。
私の場合は「強い香りにさらされた時だけ」症状が出ますが、化学物質過敏症を発症し、普通に暮らすことすら困難になっている人も増えています。
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かつて、アレルギーのある子どもは学校に1人いるかいないか程度でした(私がその「1人」でした)。花粉症の子どもも、ほとんどいませんでした。
それが今はどうでしょう?アレルギーは珍しくなくなり、幼児でも花粉症を発症することが増えています。同じように、化学物質過敏症の人も、今後増える可能性があります。今は平気な人や、ペットでさえも、化学物質の影響と無関係ではいられないでしょう。
40年以上前、医者ですらアレルギーを知らなかった時代に、アレルギー持ちとして生まれた私は、「わがまま」「親の育て方が悪い」と言われることも少なくありませんでした。同じように、「香りの害」に敏感な人も、今は「わがまま」「気のせい」と思われがちです。
でも今、アレルギーの人に対して「わがまま」なんて言う人はいませんよね?『香害』についての認識も、いずれ時代が追いつくでしょう。もっとも、それは化学物質過敏症の人が増えるということで、決して喜ばしいことではありませんが……。
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以前から、「香りの強い人」に対して、「どこのメーカーの製品を使ってるんですか?」と聞くわけにもいかず(聞けばいいのか!?)、メーカーの特定も、問い合わせもできず困っていました。
香り製品を多く出しているメーカーのウェブサイトを見ると、どこも「SDGs」「環境への取り組み」「プラスチック削減」といった言葉が並んでいます。しかし、柔軟剤のマイクロカプセルにはプラスチックが含まれる場合もありますし、水や空気を汚しているのが実際です。
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そんな中、駅などで時々見かける「その香り困っている人もいます)」というポスターの作成元に相談することを思い立ち、「消費者庁」のホットライン(188番)に電話してみました。
相談してみたところ、啓発ポスターは作成しているものの、現時点ではそれ以上の対応は難しいそうです。ただし、「においの害」に関する相談自体はかなり増えてきているとのことでした。
相談員の方に「香りの強い製品が・・・」と切り出したところ、全然驚かれず、「そういうご相談多いんですよ」という感じだったことに、私が驚きました。
電話をしたからといって、すぐに何かが解決するわけではありませんが、「困っている人がいる」ということを知ってもらうことが大切だと感じました。そして、私自身も「困っているのは自分だけではない」と知ることができました。
188に相談することで、「こういう相談がありました」とカウントされ、報告が上がる仕組みになっているそうです。(おおまかな年齢区分と職業を尋ねられます)
もし、同じように悩んでいる方がいたら、一度、188へ相談されてみてください。
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