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兆しを紡ぐ 随筆集

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続き物のエッセイとコラム。物語はいつも続いている最中。
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2016年2月の記事一覧

兆し4-2 導かれた先で繋がる

兆し4-2 導かれた先で繋がる

窪之内英策さんは漫画家だ。

ツルモク独身寮っていう漫画は
20年以上も前の高校生の頃、友達の間で回し読みして貸してもらった。
面白くて面白くて一気に読んだ。
当時すごく流行った。

窪之内さんという人は、
あれからずっーと、第一線にいるままで
圧倒的な量を描き続けてきた。

それが、
この雑誌に並んだ
絵の光り方をみただけで、わかる。

どの絵からも、
楽しさとか好きさが伝わってくる。

そこだ

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兆し4-1 導かれた先で繋がる

兆し4-1 導かれた先で繋がる

noteのための記事をひとつ書いた。
記事に書いた内容に沿って、行動をはじめた。すると、その行動の中に、出来事が現れ始めた。
私はそれを、「アルケミスト」パウロ・コエーリョ著(角川文庫)の中にあるような、noteの神様からの「兆し」と見立て始め、
そして兆しを追い始めた。

noteの神様から、そっと差し出される、
兆しを追う物語 ――――。

という体裁がようやく判明しつつある、この連載。

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兆し3 生まれた物語が導かれる

兆し3 生まれた物語が導かれる

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1、色に救われる
https://note.mu/mariandtomoco/n/n939549b04142

2、色に救われて物語が生まれるhttps://note.mu/mariandtomoco/n/n6e68f4c06840

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新宿伊勢丹で色を堪能した藤田二郎展。

足取りも軽くなったおかげで、せっかくだからと、伊勢丹

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兆し2 色に救われて物語が生まれる

兆し2 色に救われて物語が生まれる

色に救われるhttps://note.mu/mariandtomoco/n/n939549b04142
で、一気に細胞が色を吸い込んで春の胎動が始まったと書いた。「色!」と細胞が声を上げたために、情報がぐわっと集まった。その情報を列挙した。

今日、その中の情報のひとつにあげた展覧会に足を運んだ。伊勢丹新宿本店3Fで行われている「FDJ Exhibition デザイナー藤田二郎によるエキシビジョン

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兆し1 色に救われる

兆し1 色に救われる

「やばい、もうすぐバーゲンが終わる」1月の終わり、滑り込みで複合施設に入る。洋服が並ぶショップをいくつか見るが、結局、何も買えない。洋服を買うにはある一定のテンションが必要かもしれない。ここのところしばらく冬ごもりをしていて、街もしばらく歩いていなかった。テンションが冬そのものだったから、洋服へ欲求が、そんなに育っていなかった。

それでも、所在ないまま、少しぶらぶらした。すると、何か綺麗な色

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夜光貝を磨く

夜光貝を磨く

屋久島の大地の精霊がそのまま人の姿になった、けんちゃん&なおちゃんが東京にやってきた。

会うだけで、私の本来が生き返る。屋久島のシャーマンだ。

会うだけで私が本来に戻るのは、彼らが大地と自然と魂と、本当に誠実に一緒に生きているからだと思う。

初めて屋久島に行った2年前。

屋久島でめったに出ないというサンピラー(太陽柱)が立ったから、一緒にいたメンバーは、チームサンピラーっていう名前を貰った

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日本で一番美味しいパウンドケーキの話

日本で一番美味しいパウンドケーキの話

そのパウンドケーキと出会ったのは、
釧路川のカヌーの上だった。

2015年7月。初めての北海道、初めての釧路、初めての川カヌー。

そのカヌーツアーは、友人が企画し、誘ってくれた。とにかく、そのツアーガイドである「がってん」氏に会わせたいという友人の誘いだった。

転職と引越しが多い人生ゆえに、
人生そのものが旅のようだという言い訳で、
旅そのものは、あまりしない。

のだが、このツアーは、話を

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外は5月の陽気のまま夜になってた。見上ればおぼろ月。急激にやって来た春風の気持ち良さに体が春と感違いしはじめて、どこまでも歩きたい衝動。こんな日は肌を重ねるのにもぴったりだと思うのですけれど、と伝えたいあの人は仕事中。私も仕事。大人って残念。このまま果てるまで月と歩きたい。

なぜ毎日の定点観測写真を撮るのか?/「わたしという絶対」と「揺れ動くわたし」という視点

なぜ毎日の定点観測写真を撮るのか?/「わたしという絶対」と「揺れ動くわたし」という視点

定点観測の本に感動したのは約20年前です。

それは、いくつかの定点から街の変遷を撮り続けた写真集でした。

動かない定点。
動いていく風景。

積み重なった記録に、圧倒的な時間を感じました。

何十年分もありましたから、その間に詰まった情報は膨大でした。どれだけでも思いをはせることできました。

小説で言うなら、「行間を読む」の行間に当たる部分の奥行きはどこまでもある。

しばらく、読後の余韻が

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