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読んだ日記 『源氏物語』 角田光代訳
今年のNHKの大河ドラマは『べらぼう』で、江戸の文化がテーマでありんすが、昨年は『光る君へ』なりければ、昼はひねもす、夜は目の覚めたる限り、このことばかりおもひて
まで行かないけれど、簡単に言えば、まさか大河にハマりまして。
文が分かりにくいのは平安仕込みでありんす。あやしうこそものぐるほしけれ。今の世は令和でしたな。
平たく言えば、大河にハマったあまり、とうとう源氏物語を読もうと思ったのだ。
で、読み始めたのが遅くて、大河ドラマの舞台が藤壺から遊廓に移った頃合いに読み終わりました。
大和和紀の『あさきゆめみし』にも脱落した人にとっても ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
千年前から変わらない人の心を味わいたい⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
パソコンもない、紙もあまりないのになぜ伏線回収できた紫式部 ⭐️⭐️⭐️⭐️
千年前から残っているだけある。
薄い本(自作して、仲間内で回し読み)の最高峰にして、古典文学の金字塔にして、世界レベルの小説。
現代語訳で新しいものということで角田光代。昔、祖母の持っていた与謝野晶子の現代語訳を読んだことがあるんだが、しっくりこない意訳があって、読みにくく、なんとなく読み飛ばしてしまった。
登場人物とエピソードだけふんわりとおぼろげに覚えているくらい。
で、こと足りるし。
角田光代訳はこなれていて、分かりやすかった。
一人一人の細やかな心情も現代人にすんなり入る。ちゃんと共感できるのだ。
紫の上が素直なだけじゃなくて、複雑な感情を持っていて、そんなことも今さら気づいた。初登場の若紫から、死んでしまう御法まで、性格は変わらないまま、年齢に合わせて成熟している。自分が中年になったからか、年を重ねた紫の上の方が好きになった。
六条の御息所も、嫉妬する年増という一般的なイメージだったのが変わった。境遇からくる失望や虚しさあってこそ、あの葵での生霊事件なのだな。
他にもあるけれど、長いから。
ワンピースとか、ジョジョとか、あ、後の世の人が加筆している可能性もゼロじゃないから、ゴルゴか?例が古いか。
あの時代の人にとっては、そのくらいの大作だったんじゃないだろうか。
作者にとって一生に一度しか書けない大長編を読んだという感じ。
読み応えと言ったら単純だけど。
源氏物語にも、角田光代の現代語訳にも満足感。