【読書】”パンとサーカス”には騙されない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.466 2023.11.1)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第69弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は、「スポーツを文化にする」です。
印象に残った部分。
柔道家の山口香さんの言葉です。本当にそうですよね。
日本よりもフランスで、柔道がしっかり根付いているのですね。
こちらは元ラグビー選手の平尾剛さんの言葉。河村元官房長官の言葉、ひどすぎます。国民を馬鹿にしていると思います。なお”パンとサーカス”の説明として書かれた、「ローマ市民が食糧と娯楽を無償で与えられることで政治に対して従順になっていく様子を記した描写に由来」(p.14)という言葉も、心に留めておきたいです。”パンとサーカス”なんかに、騙されたくはないです。第一、今の私たちはパンもサーカスも無償でもらってなんかいないし。
特集以外では、まずスペシャル・インタビューの美弥るりかさんの話が印象的でした。失礼ながら美弥さんのことは今回初めて知ったのですが、社会貢献活動に自然に取り組む姿が素敵です。
香山リカさんの「むかわ町穂別診療所の四季」も良かったです。穂別で迎える最期の時は、穏やかなもののようですね。死ぬのが怖くなくなりそうです。
たまたま今、セネカの『人生の短さについて』を読んでいるのですが、その中の「母ヘルウィアへのなぐさめ」の中の一節ともリンクします。
「世界短信」のメキシコの記事で紹介された、「ミルパ」というマヤの伝統農法も印象的でした。「トウモロコシを中心に豆やカボチャ・ジャガイモ・トウガラシなどの作物を一緒に育てる」(p.15)もので、「昨年発表されたある論文によると、他の作物と組み合わせて栽培したトウモロコシは単一栽培のものよりも栄養価が高いことが明らかになっている」(p.15)そうです。なのに「近年相次ぐハリケーンで壊滅的な打撃を受けた多くの農家が、高収量品種の単一作物栽培に切り替えたことで在来種が失われ、ミルパの存続が危ぶまれている」とのこと。ぜひミルパには存続し、むしろメキシコだけではなく、世界中に広がってほしいものです。
伴秀幸さんの「原発ウォッチ」に書かれた内容には、目を疑いました。1999年にJCOが起こした東海村の核燃料加工工場での臨界事故に関する記事です。
本当に信じがたいです。どう考えても、因果関係がありますよね。
今号も、学ぶことが多く、盛りだくさんでした。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。
コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。
見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった吉富さん、いつもありがとうございます!
この記事が参加している募集
記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。