日報 4月12日 接骨院で釣りをする
記入者:明明
春のほこりっぽいにおいをかぐと、
中学校に通っていた時のことを思い出します。
部活動に夢中だった私は、
足を捻る、突き指するなんてことは日常茶飯事だったのね。
住んでいたお家の近くに接骨院があったので、
部活帰りに毎日のように通っていました。
「サラリーマンが酒屋で一杯ひっかけてから家に帰る」
みたいな感じでね。“病院に行く”っていう感覚は全くなかった。
接骨院に行くと、まず電気をかけてもらいます。
座ったまま治療できる患者は椅子に通されて、
横にならないと治療できない患者はベッドに通されました。
先生は電気を流す時、必ず電圧の具合を確認してくれます。
「このくらいかな?」と言って、電圧の強弱を調整します。
「このくらい!」と言ったところで止めてくれるので、とっても安心。
あの日は、確か足首とひざの治療中でした。
看護師さんに足首とふくらはぎに電気のパットを当ててもらい、
私はベッドの上で電気を流してもらうのを待っていました。
先生がやってきて、
「今日はこのくらいかな?」
と言い、サクサク機械を操作して電気を流していきました。
最初は、いつも通り気持ちよかった。
途中から私のふくらはぎの様子がおかしくなったのは、
多分、電気の流れどころと、筋肉の疲れ具合が絶妙だったのでしょう。
(あれ?ちょっと、ふくらはぎが、ピクピクしてるな……お、お、)
「おおお〜〜〜、つった〜〜〜〜」
先生!足がつりました!痛いです!と、助けを求めました。
そしたら先生、
「何が釣れた?」って言ったの。
ワォ、さすが!
その言葉を聞いた瞬間、
(え〜っと、鯛……)なんて思ったけど、たしかミンミンは返答できなかった。
接骨院でユーモアのある返しを聞くなんて、当時は思いもよらなかった。
さっきの先生の返しでね、
足がつったことなんてどうでもよくなっちゃったよ。
(こんな風に患者とコミュニケーションとる病院の先生、いいなぁ)
と思った小さいミンミンでした。
思い出は不意によみがえるね。
今年の春は、あと何回思い出に浸るのかなぁ。